- 司会の言葉
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生活習慣病の合併頻度が高いNAFLD症例では,生命予後の悪化が生じている.疾患治療のハードエンドポイントは生命予後の改善であり,NAFLDに対する治療の必要性は明らかである.それでは,どのような症例で生命予後の悪化が生じているのであろうか.肝硬変への進展が生命予後を悪化させるとの仮説に基づいてNASHの概念が再構築されてから10年が経ち,薬物治療に向けた機運が高まっている.しかし,肝硬変への進展...
第99回日本消化器病学会総会 >
NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
- 閉経女性NASH患者治療における高コレステロール血症の意義:マウスモデル,健診データでの検討
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鎌田 佳宏(大阪大学消化器内科)
【目的】閉経後女性NASH患者数は増加し,その進展が速いことが近年報告されている.閉経後に起こる高コレステロール血症が一因と考えられるが閉経後NASHの治療法はいまだ確立したものはない.今回我々は閉経後マウスNASHモデルとして卵巣摘出マウスに高脂肪高コレステロール食(HFHC食)投与を投与し,エストロゲンあるいはピタバスタチンによる治療効果を比較検討した.また健診データを用いてコレステロール値の...
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NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
- 非アルコール性脂肪性肝疾患における肝線維化とPNPLA3遺伝子多型
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安居 幸一郎(京都府立医科大学消化器内科)
【目的】ゲノムワイド関連解析から染色体22q13に座位するPNPLA3の遺伝子多型と非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD),特にMatteoni type 4が強く関連することを明らかにした(PLoS One,2012).本研究ではNAFLDにおける肝線維化とPNPLA3遺伝子多型の関連について検討した.
【方法】済生会吹田病院と京都府立医大消化器内科で肝生検N...
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NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
- NASH肝線維化に影響を及ぼす耐糖能異常の病態解析
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小野 正文(高知大学消化器内科学)
【目的】NASHにおける肝線維化進展は肝硬変のみならず肝癌発症への重大なリスク因子であるため,肝線維化進展抑制は重要な治療目標の一つである.一方,耐糖能異常はNASH発症の重要な背景病態であるが,日本人患者の約3分の1がインスリン抵抗性を有さないなど,耐糖能異常の病態の詳細については明らかではない.今回我々は,NASH患者における耐糖能異常の詳細を解析するとともに,治療への展望を検討したので報告す...
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NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
- NAFLDにおける歯周病菌(Porphyromonas gingivalis)の炎症・線維化進展への関与
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中原 隆志(広島大学病院消化器・代謝内科)
【背景】Nonalcoholic fatty liver disease(NAFLD)はメタボリックシンドロームの消化器表現型とされ,インスリン抵抗,肥満,高脂血症,2型糖尿病などの多因子と密接に関連している.歯周病は,厚生労働省の調査によると日本人で約7割が感染しているとされ,糖尿病の増悪や心臓病,脳卒中のリスクを高めるとの報告がある.【目的】歯周炎の主原因物質であるP.g感染とNAFLDの関連...
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NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
- 非B非C肝発癌におけるオートファジー関連蛋白の関与
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今 一義(順天堂大学医学部消化器内科)
【目的】肝発癌は慢性肝疾患の重要な予後決定因子である.非ウイルス性肝障害からの肝発癌メカニズムはまだ不明な点が多く,HCV肝癌との相違も明らかではない.癌抑制遺伝子Ptenの肝特異的ノックアウトマウスは脂肪性肝炎由来肝癌と酷似した病理像を呈し,肝組織内のオートファジーが抑制されている.非ウイルス性肝癌のPtenおよびオートファジー特異的に分解されるp62の発現を評価し,HCV由来肝癌との比較を含め...
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NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
- 非B非C肝炎において肝脂肪は発癌の危険性を低下させる
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榎奥 健一郎(東京大学医学部附属病院検査部)
【目的】Controlled Attenuation Parameter(CAP)はFibroscanのデータから肝脂肪量を定量できるソフトである.非B非C肝炎におけるCAPの有用性を検討した.【方法】2012年3月から5月に当科を受診した慢性肝障害患者のうち,B型肝炎,C型肝炎,PBC,自己免疫性肝炎,薬剤性肝障害を除く276人を対象とし横断研究を行った.肝脂肪量と肝弾性値の測定,採血,身体測定...
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- プロテオミクスから同定した非アルコール性脂肪性肝疾患の分子マーカーの臨床的意義と新しい診断法の確立
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宇都 浩文(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
【目的】我々は,血清プロテオミクス解析で健常者より非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者血清中に多く存在するタンパクの一つが高分子量Kininogen断片(Kini-F)であることを報告している.本研究ではKini-Fを定量するELISA系を作製し,病態との関連を検討するとともに,NASHの診断マーカー候補であるCK-18断片(CK-18F),Apolipoprotein E(ApoE)を組...
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- Liraglutideとの比較からみたDuodenal-Jejunal Bypassの糖尿病/NASH改善効果に関する実験的研究
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柏原 秀也(徳島大学消化器・移植外科学)
【背景】我々はこれまでにSD ratを用いてDuodenal-Jejunal bypass(DJB)の糖尿病(DM)改善効果は回腸の胆汁酸吸収増加がL細胞を増加させGLP-1分泌を上昇させることによると発表した(第98回消化器病学会).また近年ではGLP-1がNASH改善効果も有すると報告されている.今回DJBが肥満DM ratにおいてもSDratと同様の効果があることを確認し,同術式がNASH改...
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NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
- カロテノイドによるNASHの進展抑止~その抗炎症作用特性の解明~
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太田 嗣人(金沢大学脳・肝インターフェースメディシン研究センター)
【目的】我々は,肥満や内臓脂肪蓄積という個体の脂質過剰病態を反映したlipotoxic NASHモデルを作成し,NASHの進展にインスリン抵抗性や過剰なストレス応答が関与することを報告してきた.しかし,近年のRCTの成績では,インスリン抵抗性改善薬でさえ抗酸化剤に比し有効性は乏しく,NASHの薬物治療は未だに確立されていない.今回,身近な食品由来のカロテノイドの生体調節機能のうち,アスタキサンチン...
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NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
- 肝および内臓脂肪の炎症制御を介した分岐鎖アミノ酸によるNAFLD関連肝腫瘍形成の抑制
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清水 雅仁(岐阜大学大学院医学部消化器病態学)
【目的】肥満や内臓脂肪の増加に伴う慢性炎症は,肝発癌に深く関与している.今回我々は,肥満を有する非代償性肝硬変患者の肝発癌を抑制した分岐鎖アミノ酸(BCAA)が,肝および脂肪における炎症を制御することでNAFLDモデルマウス(db/dbマウス)に自然発症する肝前癌病変(foci of cellular alteration:FCA)を抑制するか検討した.【方法】db/db
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NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
- 内因性エンドトキシン抑制によるNASH肝線維化抑制効果
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堂原 彰敏(奈良県立医科大学第3内科(消化器・内分泌代謝内科))
【目的】NASHの線維化進展機序は多因子的であるが,内因性エンドトキシンの重要性が指摘されている.今回我々は,線維化進展に内因性エンドトキシンが重要な役割を果たしているコリン欠乏アミノ酸(CDAA)食投与ラットNASHモデルを用いて,難吸収性抗菌薬投与により内因性エンドトキシンを減少させることによる肝線維化抑制効果について検討した.【方法】雄性F344ラットをCDAA投与群とCDAA+抗菌薬投与群...
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