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司会の言葉
 
 2011年に急性肝不全の定義が改訂され,劇症肝炎・遅発性肝不全のみならず,「肝炎」以外の成因による,あるいは非昏睡型の急性肝不全の実態および病態の解明が必要となっている.一方,治療面では人工肝補助療法の進歩に伴い肝性昏睡の覚醒率は向上しているが,救命率の改善にはつながっていないのが現状であり,肝再生治療をはじめとした新規治療法開発は急務である.さらに,臓器移植法改正後に脳死肝移植実施症例が急増し...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩

わが国における急性肝不全の実態と課題
中山 伸朗(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科)
【目的】わが国における急性肝不全の実態と診療における問題点を明らかにするために,2011年に厚労省研究班が発表した診断基準に準拠して集計した症例を解析した.【方法】消化器病学会,肝臓学会の評議員所属552診療科および救急医学会会員所属463診療科を対象に,2010年および2011年に発症した急性肝不全および遅発性肝不全(LOHF)の臨床所見を調査した.【結果】2010年の発症例として,急性肝不全2...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩

急性肝不全の実態と治療成績の検討
姜 貞憲(手稲渓仁会病院消化器病センター)
【目的】2011年に急性肝不全(ALF)の診断基準が策定された.急性肝障害に対しALF診断基準を用い成因別に肝性昏睡有無を検討し,自験例に対する肝移植ガイドライン(GL)の検証を試みた.【方法】1997年4月から2012年8月まで当センターで診療した,PT活性40%以下又はINR 1.5以上のALF症例を対象とした.1)成因と昏睡合併頻度,2)治療成績,3)肝移植GLを適用し検討した.【成績】1)...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩

急性肝障害の劇症化予防に対するN-アセチルシステインの効果
宮本 康弘(岩手医科大学内科学講座消化器・肝臓内科分野)
【目的】当院では肝炎劇症化の予知・予防の観点から,2004年以降,北東北の約40病院と共同でPT80%以下の急性肝障害患者の共同管理と劇症化予知式の検証を行い,成因と予後に関する検討を行っている.このシステムを利用し,昏睡発現率からN-アセチルシステイン(NAC)投与が劇症化予防に寄与するかを検討した.【対象・方法】2004年8月から2012年3月までに当院のシステムに登録された急性肝障害481症...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩

劇症肝炎に対する内科的治療法の変遷と有効性に関する検討
森内 昭博(鹿児島大学消化器内科)
【目的】劇症肝炎は予後不良の疾患で種々の内科的治療が実施されているが,未だ肝移植以外に救命率を改善することが証明された治療法は確立されていない.一方,血液浄化療法では一部の施設でon-line HDF(血液濾過透析)が導入され肝性脳症からの高い覚醒率が報告されている.今回我々は1998年以降の内科的治療法の変遷とその実施率,有効性について検討した.【方法】厚生労働科学研究費補助金難治性肝疾患克服研...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩

急性肝不全に対する人工肝補助療法の現状
藤原 慶一(千葉大学消化器・腎臓内科学)
【目的】劇症肝炎の症例数は減少しているが,内科的救命率には改善が認められない.内科的救命率の改善には覚醒率の向上が大前提である.厚労省「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班 劇症肝炎分科会 血液浄化法の有効性評価を目的としたワーキンググループでは,急性肝不全に対する人工肝補助療法の現状を調査し,将来的には有効性を検証し標準療法を確立することを目的としている.今回は現状に関する全国調査を行なった...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩

急性肝不全に対するon-line HDFの治療成績と課題
荒田 慎寿(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター)
【はじめに】on-line HDFを用いた人工肝補助療法(ALS)の治療成績と課題を提示する.【施行方法】ベッドサイドで個人用透析コンソールを使用して行う.可動式精製水製造システムで準備した透析用水で透析液を作成し,透析液由来オンライン調整補充液は,計3個のETRFを経て脱血回路に投与する.血液透析濾過器はPS膜を使用し,QB=350 mL/min,QD=350 mL/min,QSF=350 mL...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩

移植実施施設からみた急性肝不全に対する移植適応判断
山敷 宣代(東京大学臓器移植医療部)
【目的】急性肝不全(ALF)に対する肝移植の成績は5年生存率70%以上と良好であるが,発症後数日以内に手術適応判断を要するため発症早期からの移植施設との連携が重要である.移植実施施設の立場からその問題点について検討する.【方法】2006年から2011年までに急性肝不全に対する肝移植適応を検討した59例(年齢45(15~65)歳,男性32例)中,転帰不明の移植断念例7例を除いた52例の臨床経過を検討...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩

当院における急性肝不全,遅発性肝不全の実態―新旧肝移植適応ガイドラインの比較―
広瀬 俊治(東海大学消化器内科)
【目的】1996年に劇症肝炎の肝移植適応ガイドライン(以下旧ガイドライン)が作成されたが当初に比べ有用性が低下し2008年に新ガイドラインが作成され正診率,感度,特異度は何れも高率になった.今回当院に入院した急性肝不全,遅発性肝不全(以下LOHF)症例を調査し新旧ガイドラインの良否を検証する.【方法】対象は1975年以降当院に入院し急性肝不全又はLOHFと診断された症例.診断は厚労省研究班による急...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩

急性肝不全治療における脳死肝移植の位置付け
安中 哲也(岡山大学消化器肝臓内科学)
【目的】脳死移植法改正に伴い脳死肝移植は現実的な選択肢となりつつある.しかし依然,脳死肝移植登録数と比し脳死臓器提供は少ない.急性肝不全では待機期間中のBridgingとして人工肝補助が欠かせないことから,患者および医療者,医療施設の負担は大きい.当院での現状を分析し問題点を検討する.【方法】2010年7月の改正臓器移植法施行から2012年9月の間に当院へ紹介された急性肝不全症例12例を対象とした...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩

High mobility group box-1に着目した急性肝不全治療の基礎的検討
篠田 昌宏(慶應義塾大学一般・消化器外科)
【背景】敗血症など各種の病態で核内タンパクHigh-mobility group box 1(HMGB1)が新たな炎症性メディエーターとして注目されている.本研究では,急性肝不全患者における血清HMGB1動態を検討し,動物肝不全モデルにおけるHMGB1制御による予後改善効果の検討をした.【方法】1)劇症肝不全14例,急性肝炎重症型18例,慢性肝炎37例,非代償性肝硬変40例,健常者7例における血清...

第99回日本消化器病学会総会急性肝不全の現状と治療法の進歩