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検索結果は12件です。

ウイルソン病蛋白(ATP7B)を介した肝細胞内での銅代謝機構
原田 大(産業医大・3内科)
【目的】ウイルソン病は常染色体劣性遺伝により遺伝する銅排泄障害による先天性銅過剰症である。本疾患遺伝子は、1993年にcloningされた。この遺伝子がATP7Bであり、ウイルソン病ではこの遺伝子に変異が存在することにより遺伝子産物であるウイルソン病蛋白(ATP7B)の機能に異常を来たし、肝細胞から毛細胆管への銅の排泄に障害が生じる。我々はこの蛋白が後期エンドゾームに存在することを示したが、ATP...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

ウイルソン病発症時の血清AST・ALT値は臨床病型を反映するが、臨床病型は遺伝子型に支配されない
矢野 元義(市立四日市病院・消化器科)
【目的】ウイルソン病はATP7Bの機能異常により肝細胞から毛細胆管中への銅排泄が障害される常染色体性劣性の、治療しなければ肝硬変に至る、肝疾患である。特殊な治療法が確立しているので、病態の自然経過を把握して、初期診断に努めることが重要である。【方法】診断時の正確な臨床情報のある30名の患者について臨床病型と遺伝子型をretrospectiveに調べた。なお2名は治療中断後の再受診時も検討に加えた。...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

わが国の遺伝性鉄過剰症の遺伝子型による臨床像の検討
川中 美和(川崎医大・2総合内科)
【目的】我々は本邦における古典的ヘモクロマトーシス(HH)はHFEではなく、TFR2によるものであることを最初に報告した。また、HJVの変異が若年型ヘモクロマトーシス(JH)ではなくHHとして発症していることも知った。世界的には網内系の鉄過剰症であるferroportin disease(FP-D: SLC40A1)が認知されており、わが国で発見されたaceruloplasminemia(aCP:...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

C型慢性肝炎患者における鉄過剰とHFE遺伝子変異、hepcidinとの関連性
石津 洋二(名古屋大・消化器内科)
【目的】C型慢性肝炎患者においてしばしば肝臓に過剰鉄を認めるが、その機序については不明な点も多い。Hepcidinは腸管からの鉄吸収を調節するペプチドホルモンであり、C型慢性肝炎患者における鉄過剰との関連性が報告されている。また白人の遺伝性ヘモクロマトーシスの主要な原因遺伝子であるHFE遺伝子変異がhepcidinの産生を抑制し鉄過剰を起こすと考えられている。今回我々は本邦のC型慢性肝炎患者におけ...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

C型慢性肝炎におけるhepcidin分泌不全の原因機序の解析
藤田 尚己(三重大大学院・消化器内科学)
【目的】Hepcidinは鉄増加に反応し主に肝細胞で産生・分泌され、腸管での鉄吸収を抑制する体内鉄調整分子であり、C型慢性肝炎(CHC)にみられる鉄過剰の原因因子として注目されている。近年hepcidin発現調整機構が解明され、それによると体内鉄動態がBMP6によりsensingされ、これが細胞表面のreceptor(BMP-R)に結合すると、Smad1/5/8のリン酸化に引き続くSmad4との結...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

C型慢性肝疾患の鉄代謝異常に対するBCAA顆粒投与の有効性
是永 匡紹(川崎医大・肝胆膵内科学)
【目的】C型慢性肝疾患では鉄代謝異常が存在する。われわれはHCV transgenic mouse(HCVTgM)において、酸化ストレス亢進によるhepcidinの転写抑制が、2次性の肝内鉄過剰を誘導し肝発癌の一機序となることを報告してきた。一方分枝鎖アミノ酸(BCAA)顆粒は、肝硬変、特に男性・肥満症例の予後を改善すると報告されるが、鉄代謝に影響を与えるか否かは不明である。今回BCAA顆粒がC型...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

NASHにおける鉄代謝異常の機序と除鉄療法の効果の検討
宮西 浩嗣(札幌医大・4内科)
【目的】現在までのところNASH発症の詳細な機序は不明であり、NASH患者に対する具体的な治療介入方法は確立されていない。これまでに我々は、NASH患者では鉄吸収亢進が生じており、鉄過剰状態がNASH発症の一因であることを示してきた。本研究ではNASH患者における鉄代謝異常の発生機序を検討した。さらに鉄代謝異常に焦点をあてた治療介入方法のひとつとしての除鉄療法の有効性について検討した。【方法】肝生...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

C型慢性肝疾患におけるGLP-1とDPP-4の動態と肝細胞GLP-1シグナル伝達機構
伊藤 実(久留米大・消化器内科)
【目的】C型慢性肝疾患では高頻度に耐糖能異常を合併する。消化管ホルモンであるglucagon-like peptide-1 (GLP-1)や,その不活化酵素dipeptidyl peptidase IV (DPP-4)は耐糖能異常の発現に関わるが、C型慢性肝疾患での動態は不明である。今回、C型慢性肝疾患における、GLP-1とDPP-4の変化と培養肝細胞におけるGLP-1シグナル伝達機構について検討...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

肝臓の糖・脂質代謝における酸性スフィンゴミエリナーゼの役割
大澤 陽介(岐阜大大学院・病態情報解析医学, 岐阜大大学院・消化器病態学)
【目的】酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)はセラミドやスフィンゴシン1リン酸(S1P)を調節することにより種々の細胞機能に関与するが、糖・脂質代謝にも関与するとの報告がみられる。そこで、肝臓の糖・脂質代謝におけるASMの役割について検討を行った。【方法】ASMを過剰発現するアデノウイルスベクターを作製し、糖・脂質代謝とそれに関わる細胞内シグナルに対するASM発現の影響を、マウスおよび初代培養肝細...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)の治療法は他の高アンモニア血症治療とはまったく異なる。
佐伯 武頼(徳島文理大)
従来、肝脳疾患と呼ばれていた、成人発症II型シトルリン血症は、高アンモニア血症とシトルリン血症に伴い、行動異常、失見当識などの症状を呈する重篤な疾患として知られてきた。小林、佐伯らは、本疾患の原因遺伝子SLC25A13を特定し、その遺伝子産物をシトリンと名づけ、その、アスパラギン酸・グルタミン酸ミトコンドリア膜輸送体としての機能を明らかにしてきた。また、SLC25A13変異は、CTLN2の原因遺伝...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

急性間欠性ポルフィリン症における遺伝子解析
前田 直人(鳥取大・機能病態内科)
【目的】急性間欠性ポルフィリン症(AIP)は、ヘム合成系酵素のひとつであるハイドロキシメチルビレンシンターゼ(HMBS)の活性低下によって前段階のδ-アミノレブリン酸やポルフォビリノゲンが体内に過剰蓄積し、急性症状や神経障害を呈する遺伝性疾患である.我々はこれまでに本邦AIP症例の遺伝子解析を試みてきたが、今回あらたな解析例を提示し、AIPにおける遺伝子解析の意義について考察したい.【方法】互いに...

第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩

河田 則文(大阪市立大大学院・肝胆膵病態内科学)
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第53回日本消化器病学会大会代謝性・遺伝性肝疾患研究の進歩