- W6-01 H.pylori除菌療法は高齢者で長期経過において萎縮性胃炎を改善させ腸上皮化生の進行を抑制する-prospective cohort study-
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豊川達也(三豊総合病院内科)
【目的】H. pylori除菌療法により萎縮性胃炎と腸上皮化生が改善するかを長期経過観察例で検討し年齢によってその差異がみられるかを検証すること【方法】対象は当院にてH. pylOri除菌療法を施行し除菌成功後5年以上経過観察できている241例(60歳以上84例60歳未満157例観察期間平均101ヵ月(60-143ヵ月))である.これらについて毎年上部消化管内視鏡検査を行い前庭部角部体下部中部上部...
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Helicobacter感染症研究の進歩
- W6-02 PromoterとしてのHelicobacter pylori感染と胃癌発生-胃癌発生の自然経過と除菌療法後の経過から-
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柳岡公彦(和歌山県立医科大学第2内科)
【目的】胃癌発生とHelicobacter pylori(HP)感染との関連について確固たる疫学的データーが多数報告されている.一方HP除菌後にも依然として胃癌発生を認めることも事実である.演者らはHP除菌の胃癌発生に及ぼす影響を検討するためHP感染に伴う胃癌発生について10年間に及ぶ追跡研究を行った.【方法】中年男性からなるHP感染群3656例と除菌成功例473例について10年間追跡観察を行ない...
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Helicobacter感染症研究の進歩
- W6-03 H.pylori除菌によるCpG island高メチル化の長期的経時変化および疾患間での相違についての検討
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山崎琢士(東京慈恵会医科大学内視鏡科)
【背景・目的】胃発癌の一つの機序と考えられるCpG island高メチル化(CIHM)にH. pylori(HP)が強く関与し除菌によって癌抑制遺伝子のCIHMが改善することが報告されてきた.本研究では除菌後のCIHMの長期的経時変化(1ヶ月~5年)および疾患間での相違について検討した.【対象・方法】対象はHP陽性胃潰瘍(GU)(21例)・十二指腸潰蕩(DU)(22例)・胃癌(GCa)(24例)で...
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Helicobacter感染症研究の進歩
- W6-04 除菌治療前後のH.pylori感染胃炎の変化-RUNX3の発言を中心に-
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立花俊治(京都府立医科大学大学院消化器内科学)
【目的】H. pylori(HP)除菌治療により萎縮性胃炎と腸上皮化生が改善するとの知見が出てきたが胃癌予防効果については未だ意見が分かれている.tumor sup-pressor geneのhuman runt-related transcription factor gene(RUNX3)は大半の胃癌においてプロモーター領域のメチル化により発現が消失しているだけでなくt腸上皮化生部でも発現低下...
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- W6-05 Helicobacter pylori感染からみたネパール人ミャンマー人と日本人における胃粘膜萎縮抗壁細胞抗体の国際比較
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松久威史(日本医科大学多摩永山病院消化器科)
【目的】抗壁細胞抗体(APCA)は胃壁細胞に対する自己抗体であるが悪性貧血に特異的な抗体ではない.ネパールミャンマー一日本におけるHelicobacter pylori(Hp)感染率は近似している.ネパール人ミャンマー人の胃粘膜萎縮とAPCA価をHp感染別に日本人と比較観察した.【対象と方法1ネパール(279例)ミャンマー(169例)日本(770例)の計1218例を使用し年齢性別をマッチさせて検討...
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Helicobacter感染症研究の進歩
- W6-06 糖尿病患者の病態においてHelicobacter pylori感染が及ぼす影響
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石川剛(松下記念病院消化器科)
【目的】胃に慢性の炎症を惹起するHelicob‘urter pylori(Hp)は動脈硬化との関連についての報告も多くなされているが一定の見解は得られていない.今回糖尿病患者においてHpの感染が動脈硬化およびインスリン抵抗性にどのように影響を及ぼしているのかを検討した.【方法】当院糖尿病外来にて通院加療を行っている患者で血清Hp-lgG抗体を測定している糖尿病患者132人(平均年齢63.4歳)を対...
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- W6-07 H.pylori感染による胃粘膜内Protease-activated receptor(PAR)発現の意義
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平田育大(京都府立医科大学大学院免疫内科学)
【背景と目的】種々のプロテアーゼが細胞外基質消化のみならずプロテアーゼ活性化型受容体(protease-activated receptor;PAR)を介してサイトカインやプロスタグランジンなどの炎症性心ディエータの産生を惹起し炎症免疫疾患の病態に重要な役割を果たしていることが知られている.さらにPARは細胞増殖やアポトーシスにも関与していることが明らかになってきた.われわれはこれまでにH. py...
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- W6-08 CagAはNF-kappaB活性化を介して炎症惹起に関与する
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前田愼(朝日生命成人病研究所消化器科)
[目的]cagA陽性のヘリコバクター・ピロリは陰性のものより強い胃炎を惹起し胃癌との強い関連が示されている.しかしながらピロリ菌感染におけるCagA蛋白の病因因子としての役割は未だ十分に明らかにされてはいない我々はスナネズミモデルを用いてcagA変異株が野生株と比較し炎症が減弱していることを示した.今回その分子機構として炎症性サイトカインケモカインの発現に重要なNF-iC13の活性化とCagAとの...
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- W6-09 Helicobacter pylori感染によるAID発現を介したヒトゲノム異常生成の分子機構
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丸澤宏之(京都大学消化器内科学)
[目的]ヒト発癌過程において種々の癌関連遺伝子に点突然変異や染色体異常(転座欠失など)を含むゲノム異常の生成が重要な役割を果たしていることが知られている.胃上皮細胞におけるHelicobacterpylori(H. pylori)感染による変異原性についていくつかの報告があるがその詳細な分子機構は不明である.遺伝子編集酵素 activation-in-duced cytidine deaminas...
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- W6-10 H.pylori空胞化毒素VacAのアポトーシス誘発機構の解明
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磯本一(長崎大学第二内科)
【目的1Vacuoiating cytotoxin(VacA)はHpylori産生空胞化毒素であり胃粘膜障害に関わる病原因子の1つである.消化性潰瘍との関連性だけでなくintermediateregionの多型と胃癌発症の関連性が報告された.我々はVacAが空胞形成非依存的にミトコンドリア膜透過性充進を引き起こしアポトーシスを誘発することを報告したがその機序は十分に解明されていない今回Bc1-2フ...
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- W6-11 Helicobacter pylori(HP)感染に対する宿主免疫応答でのTSLPの役割
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木戸政博(京都大学消化器内科)
HP感染では本来免疫組織でない胃粘膜に相反するようなTh1型とTh2型の宿主免疫応答が起こり各々全く異なる慢性胃炎萎縮性胃炎と濾胞性胃炎が形成されるがその異なる胃炎形成に至る決定機構は明らかではなかった.私達はHP感染によるThl型萎縮性胃炎形成に小腸バイエル板での免疫誘導が必須であることを見いだした。しかし一方で本来免疫組織でない胃粘膜においてどのような宿主側因子が働きTh2型濾胞性胃炎が誘導さ...
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