セッション

検索結果は12件です。

司会の言葉
 
 肝硬変の臨床像は近年,抗ウイルス療法の拡充や消化管出血の内視鏡・薬物治療(予防),分岐鎖アミノ酸・夜食など栄養治療の進歩に伴い,大きく変貌しつつある.本パネルディスカッションではこの変化を踏まえ,とくに非代償性肝硬変の合併症と予後について総合的に現状を把握することを目的とする.合併症としては黄疸,浮腫・腹水,肝性脳症をはじめ,可能な限り広い範囲を網羅的に取り上げる.また各合併症については発生頻度...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

肝硬変患者の合併症の疫学
白木 亮(岐阜大学病院消化器内科)
【目的】肝硬変患者の合併症としては,黄疸・腹水・肝性脳症・食道静脈瘤・耐糖能異常などがあり予後に影響を及ぼすため様々な治療が試みられている.今回,岐阜大学医学部附属病院消化器内科で加療中の肝硬変患者の合併症の頻度調査を行った.【方法】対象は,2012年5~7月の3ヶ月間に当科で加療中の肝硬変患者264名(男:女167:97名,年齢68.7±11.3歳)を対象.肝硬変の原因は,HBV 31名,HCV...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

肝硬変に合併する眠気に対する評価と加療
市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科)
【目的】多くの肝疾患の症例が入眠困難や睡眠中の覚醒の為睡眠薬を処方されており,また昼間の眠気の訴えも多い.肝硬変と睡眠障害の関係の報告は少ないが,密接な関係が推測される.そこで,私たちは肝疾患と睡眠の関係,と眠気に対する治療について検討した.【方法】1.肝硬変(LC)症例21例をエップワースの睡眠尺度(ESS)と肝疾患症状のスコア化にて評価し,肝不全経口栄養剤1包を夜食(LES)で投与する群(LE...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

近赤外線トポグラフィによる肝性脳症診断法の展開
中西 裕之(武蔵野赤十字病院消化器科)
【目的】肝硬変に伴うミニマル肝性脳症は交通事故と関連があり対策が急務であるが,その診断法は確立されていない.今回,NP testおよび近赤外線トポグラフィーによるミニマル肝性脳症診断それぞれの臨床的意義について検証した.【方法】対象は当科で加療した肝硬変51例.平均年齢69.4±9.9歳,男女比24:27,背景肝疾患はHCV30例,HBV2例,非B非C19例である.近赤外線トポグラフィーによる課題...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)による肝機能改善効果について
岩本 拓也(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学)
【目的】バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)は胃腎シャントを伴う孤立性胃静脈瘤に対する有効な治療法として報告されてきた.今回我々はB-RTOによってもたらされる肝機能改善効果について検討する.【方法】2008年1月~2011年11月に当科で施行したB-RTO26症例(平均年齢68.0歳,男:女=17:9,HCV:アルコール:NASH:その他=12:7:3:4,Child-Pugh分類A...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

特発性細菌性腹膜炎診断におけるin-situ hybridization法の有用性に関する検討
榎本 平之(兵庫医科大学内科学肝・胆・膵科)
【背景】特発性細菌性腹膜炎(SBP)は肝硬変患者の重篤な合併症であるが,起因菌の検出率は低く,通常は腹水中の多核白血球数で診断される.我々はin-situ hybridization(ISH)法で腹水白血球中に貪食された細菌DNAを検出し,細菌感染としての直接的な根拠を与えうることを報告した.一方種々の感染症において16SリボソームDNAに対するPCRで細菌感染を証明する試みもある.今回腹水好中球...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

難治性胸腹水合併肝硬変に対する腹水濾過濃縮再静注施行26例の検討
石原 知明(四日市消化器病センター消化器・肝臓内科)
【目的】肝硬変合併胸腹水は排液後も容易に再貯留したり,肝内門脈肝静脈シャントや腹腔静脈シャント等は手技に熟練を要し治療に難渋する事が多い.腹水濾過濃縮再静注法(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy,CART)は低侵襲で,施行直後から苦痛を軽減するため当院では早期から施行し,CART後無貯留例や高度肝不全で良好なQOLを維持し得る...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

末期肝硬変に伴う難治性腹水に対するデンバーシャント療法の検討
木田 明彦(富山県立中央病院内科)
【目的】末期肝硬変に伴う難治性腹水に対して,腹腔-静脈シャント(デンバーシャント)療法の臨床的有用性について検討した.【対象と方法】過去12年間に,何らかの理由で肝移植できず当院でデンバーシャント療法を施行した末期肝硬変症例32例のうち,術後経過を追跡し得た30例を対象とした.シャント留置時年齢中央値は64.5歳,男性20人,女性10人であった.肝硬変の原因はウイルス性17例,非ウイルス性13例で...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

肝硬変における心エコー所見とその有用性について
竹井 大介(岡山大学病院消化器内科)
【目的】肝硬変においては二次性肝硬変の原因としての心疾患や,肝肺症候群・門脈肺高血圧など肝硬変に伴う心機能異常を合併する場合がある.しかし,呼吸困難などの症状が生じない限り肝臓病日常診療の中で心臓精査を行うことは稀である.そのため,本邦症例におけるこれらの肝硬変随伴心症候についての頻度・程度などは十分な検討がなされていない.【方法】当院にて生体肝移植術前あるいは脳死肝移植登録前検査として行った67...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

持続血糖測定装置(CGMS)を用いた肝硬変の糖代謝解析および平均血糖推定式の作成
井手 康史(佐賀大学医学部肝臓・糖尿病・内分泌内科)
【背景】肝硬変患者の多くは糖代謝異常を有しており糖尿病の合併率は非常に高い.肝硬変にみられる空腹時低血糖は蛋白異化を促進し,高血糖は発癌へ関与する可能性もあることから,厳格な血糖コントロールが望まれる.しかし肝硬変患者においては,一般的に糖尿病のマーカーとして用いられるHbA1cやグリコアルブミン(GA)は脾機能亢進や蛋白合成能低下などのために平均血糖(M-BG)を正確に反映しないことが多く,糖尿...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

非代償性肝硬変におけるサルコペニアと栄養療法の意義
海道 利実(京都大学肝胆膵移植外科学)
【目的】非代償性肝硬変患者の多くはタンパク質エネルギー低栄養状態にあり,筋肉量低下すなわち二次性サルコペニアを伴う.しかし,非代償性肝硬変に対する最終的な治療法である肝移植におけるサルコペニアの意義は明らかではない.そこで,肝移植におけるサルコペニアと栄養療法の意義について検討した.
【方法】対象は2008年2月から2012年4月までに当科で肝移植を施行し,術前に体成分分析装置(InBody...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後

BCAAの肝発癌と予後におよぼす影響
川口 巧(久留米大学内科学講座消化器内科部門・消化器疾患情報講座, 肝と栄養の会)
【目的】BCAA製剤は,肝硬変患者の低アルブミン血症や肝性脳症に対し有用な治療薬であるが,重篤な合併症への有用性は未だ明らかではない.本研究の目的は,BCAA製剤の肝発癌と予後におよぼす影響を検討することである.
【方法】2009年,肝癌未発症の肝硬変患者299名を全国14施設より登録し,血液生化学検査やBCAA製剤(BCAA顆粒製剤・肝不全用経腸栄養剤)に関するデータを2011年迄収集した...

第99回日本消化器病学会総会非代償性肝硬変の合併症と予後