- 司会の言葉
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硬化性胆管病変を呈する疾患としては従来から知られていた原発性硬化性胆管炎(PSC)ならびに二次性硬化性胆管炎に加えて,IgG4関連硬化性胆管炎という疾患概念が広く行き渡って次第に整理されつつある感がある.一方,悪性腫瘍や胆道外科手術,肝移植に伴う胆管の硬化性変化も発症することから,本疾患については精度の高い画像診断による拾い上げと確かな病態把握を踏まえて診療を進める必要がある.本ワークショップで...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- 本邦における硬化性胆管炎の現状~全国調査の結果から~
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田中 篤(帝京大学医学部内科学講座)
【目的】われわれは2012年,本邦における硬化性胆管炎の実態を明らかにすることを目的とし,2005年以後に診断された原発性硬化性胆管炎(PSC)および自己免疫膵炎を合併していないIgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)についての全国調査を行った.【方法】主に日本胆道学会評議員を対象としたアンケート調査を行った.調査票配布施設は144施設,うち41施設から回答を得た.【成績】PSC197例,IgG...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- IgG4関連硬化性胆管炎と原発性硬化性胆管炎の相違点―IgG4関連硬化性胆管炎診断基準2012をふまえて―
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近藤 啓(名古屋市立大学消化器・代謝内科学)
【目的】近年,IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)に対する診断基準2012が本邦より提唱されたが,原発性硬化性胆管炎(PSC)は重要な鑑別疾患である.今回我々は診断基準2012を踏まえ,両者の相違点を明らかにする目的で検討を行なった.【方法】IgG4-SC75例,PSC46例を対象とし,診断基準2012の診断項目である胆管像(ERC,MRCP),血液像,他臓器病変,病理像,ステロイド反応性,...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- 原発性硬化性胆管炎の発症年齢に関する検討
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水野 卓(東京大学消化器内科)
【目的】本邦では原発性硬化性胆管炎(PSC)の発症年齢が2峰性の分布を示すことが知られているが,発症年齢による臨床像の違いについて十分な検討はなされていない.今回我々は,PSCの臨床像について発症年齢に基づいた検討を行った.【方法】対象は1986~2012年までに,当院消化器内科及び人工臓器・移植外科にて診療を行ったPSC患者81例.発症年齢≦50歳を若年群,>50歳を高齢群とし,比較を行った.【...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- inflammatory bowel disease(IBD)合併Primary sclerosing cholangitis(PSC)症例の実態とその治療による予後の改善
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若山 遊子(慶應義塾大学消化器内科)
【背景と目的】PSCは胆道系の線維性狭窄・胆汁うっ滞から肝硬変に至る原因不明の難治性疾患で,欧米ではIBDを高頻度に合併することが知られているが,本邦ではその頻度は必ずしも高くないが,近年増加傾向にある.我々は以前PSC患者にsalazosulfapyridine(SASP)が有効であることを報告した(Tada S, et al. J Gastroenterol 2006).今回はIBD合併PSC...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- 硬化性胆管炎の臨床像~自験例からみた原発性硬化性胆管炎の実態~
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山本 隆一(広島記念病院内科, 広島大学病院総合内科・総合診療科)
【目的】硬化性胆管炎は従来の原発性硬化性胆管炎(PSC)と二次性硬化性胆管炎の分類に加えて,自己免疫性膵炎(AIP)に伴う胆管像に代表されるIgG4関連疾患の一表現型(IgG4-SC)としてのカテゴリーが存在することが注目されている.2012年にIgG4関連硬化性胆管炎の診断基準が提唱されたことから硬化性胆管炎は鑑別が必要な疾患群と認識されており,当科における硬化性胆管炎の臨床像をretrospe...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- 当科における硬化性胆管疾患に対する診断ストラテジー
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村木 崇(信州大学消化器内科)
【背景】本邦の原発性硬化性胆管炎(PSC)は欧米と異なり年齢分布にて20歳代に加え60歳代にもピークを認め,中年以降発症の症例には炎症性腸疾患合併例が少ない特徴がある.また,PSCと鑑別を有する二次性硬化性胆管病変は,従来から知られていた二次性硬化性胆管炎に高齢発症が多いIgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)が加わった.そして,それらは治療法・予後が異なる.【目的】中年以降発症の硬化性胆管病変...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)診断における肝生検の有用性~IgG4関連硬化性胆管炎臨床診断基準2012を踏まえて~
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松木 信之(神戸大学消化器内科)
【背景・目的】IgG4-SCの確定診断には原発性硬化性胆管炎(PSC)や悪性腫瘍との鑑別が必須であるが,胆管外病変を伴わない症例では診断は時として困難である.鑑別診断のためには組織診断が重要であり,多くは胆管の生検や擦過細胞診が行われているが,十分な検体が得られず診断に苦慮する場合も少なくない.一方,PSCでは診断のために肝生検が行われているが,IgG4-SCにおいては肝生検の有用性は未だ十分検討...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- IgG4関連硬化性胆管炎診療における胆管腔内超音波の役割:胆管壁層構造と壁厚の意義
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桑谷 将城(北海道大学病院消化器内科)
【背景】IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)の診断基準2012が示されたが,病態を正確に反映する画像診断法の確立や胆管癌(BDC)との鑑別も重要な課題である.
【目的】IgG4-SC診療における胆管腔内超音波(IDUS)の有用性を明らかにする.
【対象と方法】2005年4月-2012年8月の間,当科で診断基準2012により確診となったIgG4-SC 40例(39例はAIP合併)お...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- IgG4関連硬化性胆管炎と肝門部胆管癌の鑑別
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田畑 拓久(がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科)
【目的】肝門部の胆管狭窄を伴うIgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)と肝門部胆管癌(CC)との鑑別に有用な臨床的および画像的所見を明らかにする.【方法】2000年~2010年までに当院で診断された肝門部胆管狭窄を伴うIgG4-SC 6例とCC 42例を対象とし,それぞれの臨床的特徴,血清学的所見,画像所見,病理学的所見などについて比較検討を行った.【結果】年齢,性別に関して有意差は認められなか...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- IgG4関連硬化性胆管炎の臨床的特徴に関する検討
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伊藤 啓(仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科)
【目的】IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)の臨床的特徴について検討すること.【対象と方法】IgG4-SC臨床診断基準2012でIgG4-SCと診断した30例(確診29例,疑診1例,男女比24:6,平均年齢65歳)を対象とした.検討項目は,初発症状,自己免疫性膵炎(AIP)の合併頻度,胆管像のType別頻度,ステロイド療法施行例の臨床経過,胆管ステント留置例の臨床経過,再燃率と危険因子である...
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硬化性胆管疾患の現状と問題点
- 硬化性胆管炎の病理
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中沼 安二(金沢大学医薬保健学総合研究科形態機能病理学)
硬化性胆管炎は胆管硬化を伴う胆管の炎症性疾患であり,現在,大きく原発性硬化性胆管炎PSC,IgG4関連硬化性胆管炎IgG4-SC,それに二次性(獲得性)硬化性胆管炎の3群に大きく分類される.胆管硬化は胆管の線維化で特徴付けられる.今回,胆管線維化の機序と硬化性胆管炎の鑑別を中心に,硬化性胆管炎の病理を報告する.1)胆管線維化の病理:以下の機序が代表的である.i)胆管上皮自身の関与:胆管上皮から塩基...
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