セッション

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司会の言葉
大原 秀一(東北労災病院消化器内科)
 近年,喘息やアレルギー性鼻炎などアレルギー疾患の増加が報告されている.消化器領域においても海外では食物アレルギーや好酸球性食道炎の増加に注目が集まっている.日本では従来から好酸球胃腸炎の存在がよく知られており臨床研究がおこなわれてきたが,これに加えて好酸球性食道炎例の報告が近年増加している.これら好酸球性消化管疾患では食物抗原に対するTh2免疫反応がその発症に重要な役割を有すると考えられているが...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

好酸球性胃腸炎と好酸球性食道炎の診療と研究の現状
木下 芳一(島根大学第二内科)
消化管に慢性的な好酸球を主とした細胞の浸潤がおこり炎症の持続に伴って消化管の形態と機能の障害を起こしてくる遅延型のアレルギー疾患を好酸球性消化管疾患と読んでいる.好酸球性消化管疾患は食道だけに好酸球の異常浸潤を認める好酸球性食道炎と食道病変の有無にかかわらず胃や腸管を含む消化管に好酸球の異常浸潤が認められる好酸球性胃腸炎に分けられる.本疾患に関して厚生労働省の研究班が設置され様々な研究と診療支援活...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

好酸球性消化管障害の臨床像と治療経過の検討
森山 智彦(九州大学病態機能内科学)
【目的】好酸球性消化管障害(EGID)の臨床像を明らかにする.【方法】1990年以降に当科及び関連施設においてEGIDが疑われた25例のうち,生検で好酸球浸潤が未確認の症例と,骨髄の腫瘍性変化があった症例を除外した18例を対象とし,その臨床像を検討した.また,治療経過から再発群と一過性群に分け,その特徴についても検討した.EGIDの診断には木下班の診断指針案を用いた.【結果】診断時年齢は14歳から...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

十二指腸炎における好酸球浸潤の検討
相澤 茂幸(服部記念病院内科)
【背景と目的】好酸球性胃腸炎(EGE)の診断には消化管粘膜の好酸球浸潤(基準案では20/HPF(強拡大)以上)の確認が必須であるが,好酸球は正常消化管粘膜にも存在し,部位差があるとされている.われわれは十二指腸に焦点を当てて,十二指腸炎における好酸球浸潤の程度を胃病変と対比検討し,EGEの病態と診断について考察した.【対象】2012年4月から2013年7月までに当院で行った上部消化管内視鏡検査で腹...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

IL-33を標的とした好酸球性食道炎の病態機序の解明
大嶋 直樹(島根大学内科学第二講座)
【目的】好酸球性食道炎(EoE)は消化器系のアレルギー疾患として知られており,食道粘膜に好酸球が多数浸潤し慢性炎症を起こす病態であるが,その発生機序には未だ不明な点も多い.一方,IL-1ファミリーに属するIL-33は気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の病態形成に関与する重要なサイトカインである.しかしながらEoEとの関与は未だ明らかになっていない.そこでEoEの病態形成におけるIL-...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

上部消化管内視鏡検診受診者における食道好酸球浸潤の頻度
阿部 靖彦(山形大学医学部内科学第二講座)
【目的】本邦の好酸球性食道炎(EoE)の診断基準ではつかえ感などの症状があり,20個/HPF以上の好酸球浸潤(EE)を認める場合にEoEと診断され,米国の基準ではさらにPPIが無効であることが必要である.一方,EEにはPPIで所見が消失する例や無症状例などがあり,その病態は多様であることも示唆されている.今回,上部内視鏡検診受診者におけるEEの頻度を調査することを目的とした.【方法】当科および関連...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

当科における好酸球性食道炎および関連疾患の臨床的特徴と治療成績の検討
藤原 靖弘(大阪市立大学消化器内科学)
【背景】好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis,EoE)は食物つまり感や嚥下困難を主症状とし生検にて食道上皮内に高視野で15個以上の好酸球浸潤を認める慢性のアレルギー疾患とされる.元々GERDなど他疾患を除外することが必須であったが,同様の病状に対してPPIが有効な症例(PPI反応性好酸球浸潤proton pump inhibitor-responsive esophag...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

当院で経験した好酸球性食道炎16例の検討
友松 雄一郎(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院消化器内科)
【目的】好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis,EoE)は食道上皮への好酸球浸潤を主とする慢性のアレルギー疾患である.本疾患の病態を明らかにする.【方法】2010年5月から2013年4月までに,当院で経験したEoE16例を対象とし,臨床像,内視鏡像,病理組織像および治療について検討した.診断は厚生労働省の班研究による診断指針(2009年)に基づいた.【結果】平均年齢は50...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

好酸球性食道炎15例の臨床像の検討
楠瀬 寛顕(東北労災病院消化器内科)
【目的】好酸球性食道炎(EoE)は食道上皮中の著明な好酸球浸潤を特徴とする原因不明の疾患である.最近は国内でも報告例が漸増しているが,臨床像は不明な点が多い.そこで,当院にて診断されたEoE患者を対象に,その臨床像・治療経過を検討し報告する.【方法】2010年1月から2013年3月の間に上部内視鏡検査を施行しEoEを疑わせる所見を認め,生検組織の高倍率(400倍)1視野に20個以上の好酸球浸潤を認...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

食道好酸球増多症の長期予後
遠藤 博之(東北大学消化器内科)
【背景】近年,本邦でも食道好酸球増多症の報告が増加しているが,その長期予後は未だ明らかになっていない.本検討では食道好酸球増多症に関する長期予後を明らかにすることを目的とした.
【方法】食道好酸球増多症の定義として,特徴的内視鏡所見(縦走溝,輪状溝,白斑のいずれか)を有し,生検で15/HPF以上の好酸球浸潤を認めるものとした.2006年から2012年まで食道好酸球増多症と診断され,1年以上経...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

FSSGスコアに基づく好酸球性食道炎の前向き検討
沖元 謙一郎(千葉大学大学院医学研究院消化器・腎臓内科学)
【目的】好酸球性食道炎(EoE)は内視鏡受検者5000例に1例程度認められるとされている.GERD症例にEoEがある程度含まれる事が予想される.本研究ではGERD症例にEoEがどの程度認められるかを検討し,また当院におけるEoE症例の診断と診療の実際を明らかにすることを目的とした.【方法】2012年4月~2013年9月までに,FSSGスコア8点以上の症例に対して内視鏡検査を当院で施行した全例に対し...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療

成人嚥下障害患者における好酸球性食道炎およびリンパ球性食道炎の割合と内視鏡所見
田中 匡介(三重大学光学医療診療部)
【背景と目的】近年,欧米では好酸球性食道炎の増加が報告され,スウェーデンを中心にリンパ球性食道炎という新たな疾患も報告されている.それらの疾患は,嚥下障害および食道異物(食物片圧入)の症状を伴うことが多くみられる.今回,スウェーデンでの好酸球性食道炎およびリンパ球性食道炎の内視鏡所見とNBIを使用した拡大内視鏡所見を検討した.
【対象と方法】2011年8月から2013年1月までにカロリンスカ...

第100回日本消化器病学会総会好酸球性食道炎,好酸球性胃腸炎の病態,診断,治療