セッション

検索結果は13件です。

司会の言葉
三輪 洋人(兵庫医科大学上部消化管科)
 消化器領域における機能性消化管障害の重要性は年々増加している.これまで国際委員会が定義したRome III診断基準をもとに機能性ディスペプシア(FD)患者の病態や治療が議論されてきた.この基準でFD患者は食後愁訴症候群と心窩部痛症候群に分類されて,病態が検討されたり治療法が選択されたりしてきた.一方では,日本独自のFDに対するガイドライン作成が進むなか,わが国で開発された世界初のFDの治療薬も上...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

プライマリ・ケア医と消化器専門医におけるFD診療の差異
眞部 紀明(川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波))
【目的】プライマリ・ケア医(PC)と消化器専門医(GP)のそれぞれの立場から見た,機能性胃腸症(FD)診療の差異と,Rome III基準の捉え方の違いについて検討する.【方法】PC190人(男性172人,平均年齢50.7才)とGP217人(男性188人,平均年齢41.0才)を対象に,FD患者の特徴,治療法とその奏功率,Rome III基準の妥当性と問題点に関して自己記入式のアンケート調査を行った....

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

EPS,PDS,EPS-PDS overlap群における睡眠障害,QOL,胃排出能の比較検討の試み
山脇 博士(日本医科大学多摩永山病院)
Rome III基準では,FD患者をEPS群とPDS群に分類しており,FDの新たな治療薬であるacotiamideがPDS群に対して高い奏功率を示していることが報告されている.そこで我々はFD群をEPS,PDS,EPS-PDS overlap群に亜分類し,臨床症状や胃排出能,睡眠障害,QOLの比較検討を行い,興味深い結果を得たので,報告する.(方法)FD群80名(PDS65名,EPS 47名,EP...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

FDにおける病型分類と背景因子およびQOLの関係
大島 忠之(兵庫医科大学内科学上部消化管科)
【目的】慢性的な胃の痛みやもたれは,生活の質(QOL)を損ない,社会生産性に大きな影響を与えている.機能性ディスペプシア(FD)は,Rome III基準によって心窩部痛症候群(EPS)と食後愁訴症候群(PDS)に分類されているが,それぞれの病型あるいは,その合併に対して患者背景因子がどのように関っているかの検討は,これまでほとんど行われていない.そこで今回われわれは,FDの各病型における背景因子の...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

機能性ディスペプシアおよびGERDとのオーバーラップ例に対する飲水超音波検査を用いた病態評価
工藤 俊彦(北海道大学光学医療診療部)
【目的】機能性ディスペプシア(functional dyspepsia,以下FD)の病態評価法として,我々が考案した飲水超音波検査は,等間隔に飲水負荷を与えながら胃穹窿部の断面積を計測し,同時に自覚症状を聴取することで,適応性弛緩,胃排出能ならびに胃知覚を評価することが可能であり,低侵襲で短時間に施行できる利点を有している.そこで,今回我々はFD患者を飲水超音波検査結果によって病態分類し,それぞれ...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

Rome III基準でのFD診断の実態と亜分類から見た病態関連予測
富永 和作(大阪市立大学消化器内科学)
【目的】Rome IIIにある症状頻度,部位,onsetならびに罹病期間が明記された質問紙票でのFD診断率,FD確定診断患者での病態解析と下位分類別での関与率を解析した.【方法】検討1:11施設の消化器内科を受診したディペプシア患者175名を対象とし,新規質問紙(Naniwa Scale)[症状頻度(5段階),症状の部位(8領域を図式化),症状の程度(5段階)]を用い,onsetと罹...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

機能性ディスペプシアと早期慢性膵炎との関係性について
門阪 薫平(近畿大学医学部消化器内科)
【目的】超音波内視鏡(EUS)によって微細な膵実質,膵管の変化を捉えることが可能となり,慢性膵炎を早期の段階で診断できるようになった.そして2009年に慢性膵炎臨床診断基準において新たに早期慢性膵炎(ECP)が提唱され,ECPが機能性ディスペプシア(FD)として診断されていた可能性が考えられる.今回我々はFDと診断されたなかにECPが含まれている可能性を考え,後ろ向きに検討した.【方法】2009年...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

機能性ディスペプシア(FD)の亜分類別の治療薬の変化と有用性
植竹 智義(山梨大学医学部第1内科)
【目的】2006年にFDは,RomeIIIでPDSとEPSに2分類された.Rome III診断の2009年以降のFDと,2006年にRome II診断のFDを,亜分類による治療薬の選択変化と治療効果について比較検討した.【方法】当院にて2009年6月から機能性消化管障害FGIDと診断された361例中,FD147例(FD2009)(PDS103例,EPS44例:M/F:59/88,Av.55.9歳)...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

FDサブタイプと胃酸分泌抑制薬と運動改善薬の治療効果について
大野 志乃(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科)
機能性ディスペプシア(FD)は,以前,潰瘍型と運動不全型に亜分類されていたが,RomeIIIでは食後愁訴症候群(PDS)と心窩部痛症候群(EPS)とに分類されている.演者らは1.FD症例(45例)をRomeIII診断基準に基づきPDSとEPSに亜分類してPPIと運動改善薬を投与してそれぞれの効果を比較した.2.さらにFD症58H例(PDSとEPSを含む)に対して無作為法にてH2-受容体拮抗薬単独投...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

FDの亜分類による臨床的特徴とPPI治療への反応性についての検討(GERD研究会調査3より)
中田 浩二(慈恵医科大学消化管外科)
FDは心窩部痛症候群(EPS)と食後愁訴症候群(PDS)の2つの病型に分けられる.またFDでは心理的偏倚が病態を修飾することが知られている.しかしFDの亜分類による臨床的特徴やPPI治療への反応性については明らかにされていない.【目的】FDの亜分類による臨床的特徴およびPPI治療に対する反応性を明らかにすること.【方法】GERD委員会調査3へ参加の50施設を受診したGERD症状を有する患者に内視鏡...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

機能性ディスペプシア(FD)に対する六君子湯の有効性(多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験)
鈴木 秀和(慶應義塾大学消化器内科)
【目的】六君子湯はFD治療薬として有望視されているが,Rome III基準のFDでの大規模試験での有効性の検証はない.我々は,FDでの六君子湯の有用性を検証する多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験を実施し,FD亜分類(食後愁訴症候群(PDS),心窩部痛症候群(EPS))別効果も検討した.【方法】Rome III準拠のFD患者を無作為に六君子湯群(7.5 g/日),プラセボ群に割付け8週間...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

acotiamide投薬前後および休薬後の症状および胃排出能について―自己記入式アンケート(VASscale,GSRS,SF-8,PSQI,食習慣)を用いて―
新福 摩弓(日本医科大学消化器内科学)
【目的】現在,FD治療方針はRomeIII分類に基づいたEPS,PDSの亜分類に従い,主に酸分泌抑制薬と消化管運動改善薬を用い,行われている.FDの新規治療薬であるacotiamideはPDS群に対して良好な成績を収めているが,その詳細は不明である.今回我々はFD患者にacotiamideを投与し,興味深い知見を得たので報告する.【方法】RomeIII分類に基づいたFD患者27名に対してacoti...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択

機能性ディスペプシア患者に対するacotiamideの使用経験
山田 真也(京都第一赤十字病院消化器内科)
【はじめに】機能性ディスペプシア(FD)の病態には胃運動障害,内臓知覚過敏,心理的要因などが複合的に関与しているとされているが,いまだ症状出現のメカニズムは明らかではなく,確立された治療戦略が存在しないのが現状である.その中で,2013年6月より本邦にて承認されたacotiamideは胃運動促進を目的として合成された薬剤であり,食後愁訴症候群(PDS)治療薬として高い期待が集まっている.【目的】P...

第100回日本消化器病学会総会FDの亜分類と治療選択