- 司会の言葉
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河野 辰幸(東京医科歯科大学食道・一般外科学)
食道体部から下部食道括約部の抑制系神経の障害が本態である食道アカラシアには未だ根治的治療法はなく,何らかの方法で下部食道括約部を開大させることが治療目標となる.硝酸薬やカルシウム拮抗薬,内視鏡的バルーン拡張術,外科的筋層切開術,POEM(per‐oral endoscopic myotomy),ボツリヌストキシン局注法などが本邦で行われているが,海外ではステント挿入による拡張術の報告もある.近年...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- バルーン拡張術が有効なアカラシア症例の特徴
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岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院消化器内科)
【目的】バルーン拡張術(以下拡張術)が有効なアカラシア患者の特徴を明らかにする.【方法】対象は食道内圧,造影検査,内視鏡検査によりアカラシアと診断され,拡張術が施行された94例(男性46人,平均年齢52.4歳)である.拡張術はRigiflex社製の30mmバルーンを使用した.加圧の程度は加圧時の症状の程度をみながら変更したが,原則1回目の加圧は3psi,3分,その後1分間の休憩後2回目(4psi,...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- 食道アカラシアに対する初回治療としてのバルーン拡張術の検討
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宮原 良二(名古屋大学消化器内科学)
【目的】食道アカラシアに対する初回治療は,バルーン拡張術,外科的筋切開術に加え,新しいPOEM手術も提唱されている.当院では,初回治療として主にバルーン拡張術を行い,効果不十分あるいは短期再発例に対して腹腔鏡下筋切開術を選択している.今回,初回治療としてのバルーン拡張術の有用性を検討した.【方法】2001年1月10日から2013年8月までに,当院にて初回治療としてバルーン拡張術を行った連続46症例...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- High Resolution Manometryによる食道アカラシア患者の診断と治療効果
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山崎 尊久(兵庫医科大学上部消化管科)
【背景】食道アカラシアの診断には食道X線造影や,上部消化管内視鏡検査(EGD)が以前より用いられ,食道アカラシア取扱い規約第4版でも,その有用性が記載されている.また,High Resolution Manometry(HRM)はLES弛緩や食道体部運動の評価が可能な検査法で,近年,新しい食道内圧測定によるシカゴ分類が提唱され,またその治療効果は食道内圧所見と関連していることが海外で報告されている...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- 食道アカラシアの治療戦略―内視鏡的バルーン拡張術の有効性についての検討―
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中藤 流以(川崎医科大学消化管内科学)
【目的】食道アカラシアにおけるバルーン拡張術の有効率と治療効果に影響を与える因子について検討する.【対象および方法】2006年1月から2013年9月に,当院で食道アカラシアと診断し,バルーン拡張術を施行した32例(男性8例,女性24例,平均年齢56.7±22.5才)を対象とした.食道アカラシアは,臨床症状,食道X線造影検査,上部消化管内視鏡検査および高解像度食道内圧検査(HRM)の結果により総合的...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- Chicago分類による再発症例の検討
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保坂 浩子(群馬大学医学部附属病院消化器内科)
【背景】近年high resolution manometry(HRM)の開発に伴いアカラシアの新分類(Chicago分類)が発表され,アカラシアの治療効果は内圧所見と関連していることが報告された.しかし治療後の症状の再発との関連は未だ不明であり,今回検討を行った.【方法】当院で2009~2013年にHRMにて診断された未治療のアカラシア患者48例(男性12例 平均年齢55.8歳)を対象とした.内...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- 食道アカラシアの治療におけるボツリヌストキシン局注療法の意義
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山口 太輔(佐賀大学医学部消化器内科)
【目的】食道アカラシアは食道筋層の神経叢の障害により生じる食道胃接合部の弛緩不全と二次的に食道の拡張をきたす疾患であり,その治療としては下部食道括約部を開大させることを目的に,内服加療,内視鏡的バルーン拡張術,内視鏡的食道筋層切開術(POEM)や手術療法による加療が行われており,当院ではボツリヌス毒素局所注入による保存的加療を行っている.今回我々は,ボツリヌス毒素局所注入療法にて良好な経過が得られ...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- 食道アカラシアに対する腹腔鏡下Heller-Dor手術(LHD)の治療成績
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小村 伸朗(東京慈恵会医科大学消化管外科)
【背景と目的】食道アカラシアに対する外科治療は,経口内視鏡的筋層切開術(POEM)とLHDに大別される.体表に傷が残らず,さらに長い筋層切開が可能であるため,POEMの手術件数は大幅に増加している.一方,LHDでは筋層切開後の胃食道逆流防止術の付加,さらに屈曲した食道を直線化できる利点がある.以上の観点からLHDの治療成績を検討した.【方法】1994年8月から2013年9月までにLHDの初回手術を...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- アカラシアに対する外科治療の現状と今後の方向性
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酒井 真(群馬大学大学院病態総合外科学)
【目的】近年,シカゴ分類の発表や,取扱い規約の改訂,POEM等の新たな治療手技の開発など,アカラシアの診断・治療における新たな取り組みがなされている.当科ではCa拮抗剤内服やバルーン拡張術などの内科的治療に抵抗性の症例を中心に手術療法を行っており,その治療成績について検討した.【方法】当科で手術治療を行った食道アカラシア45例を対象に周術期データや治療成績を解析した.【結果】男性:女性=20例:2...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- 食道アカラシアに対する内視鏡的筋層切開術(POEM)―500例超の経験から―
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井上 晴洋(昭和大学江東豊洲病院消化器センター)
【目的】食道アカラシアに対する標準治療は,バルーン拡張術および外科手術であろう.バルーン拡張術は,効果が一時的であり,また5%以下のリスクであるが,穿孔の報告がある.われわれは,Hellerの筋層切開を,内視鏡的に施行することを発案し,病院倫理委員会の承認のもとに実施した.【症例と適応】2008年9月8日に第一例を施行後,現在(2014年1月16日)までに541症例にPOEM(経口内視鏡的筋層切開...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- POEMは術後の難治性逆流性食道炎の予防のために,噴門形成術の追加を必要とするか?
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塩飽 洋生(福岡大学消化器外科)
【はじめに】食道アカラシアに対する根治治療はHeller筋層切開術と経口内視鏡的筋層切開術(Per-Oral Endoscopic Myotomy:POEM)である.Heller筋層切開術では,高い治療効果が得られる半面,術後に難治性の逆流性食道炎を併発するために,噴門形成術の追加が行われてきた.一方POEMでは,解剖学的にHis角を温存できるため,術後の難治性逆流性食道炎の併発が少ないと考えられ...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- 食道アカラシアに対する内視鏡的根治術“POEM”最近の工夫を含めた我々の60例の経験
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南 ひとみ(長崎大学病院消化器内科)
【はじめに】食道アカラシアに対する新たな低侵襲根治術である内視鏡的食道筋層切開術(Per-oral endoscopic myotomy;POEM)が開発され,5年間が経過した.我々は平成22年8月より同手術を導入し,以後60症例において良好な成績を得ている.びまん性食道痙攣等のアカラシア類縁疾患や外科手術後再発例は,治療の選択肢が限られPOEMの良い適応と考えられるが,術後の線維化や形態的な変化...
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アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
- 特別発言
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幕内 博康(東海大学外科)
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