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検索結果は12件です。

肝炎ウイルスによるエピジェネティック異常の誘発機構
近藤 豊(愛知県がんセンター研究所・分子腫瘍学部, JSTさきがけ)
肝細胞がんの発生は、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)感染による慢性炎症の経過中に蓄積したエピジェネティクス異常が原因の一つと考えられている。したがって、HBV、HCV感染後のエピジェネティクス異常の誘導機序および発がんとの関連を明らかにすることは、肝細胞がんの発がん予防および発がんリスクの予測の上から重要な課題である。本研究では、ヒト肝細胞置換マウスの肝炎ウイルス感染モデルを...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

epigenetic therapy in clinical tumors
小林 幸夫(国立がん研究センター中央病院・血液腫瘍科)
エピジェネティックスはDNA配列の変化を伴わずに細胞の分裂増殖,分化を及ぼし,かつ,次世代へ引き継がれる機序とされる.腫瘍化に関係した一つの機序はDNAのメチル化であり,脱メチル化を惹起して抗腫瘍活性を発揮する薬剤が開発されるのは当然の成り行きであった.造血器腫瘍ではdecitabine, azacytidineが欧米ではすでに使用されており,後者は日本でも使用可能となった.In vivoでも腫瘍...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

胃癌におけるX染色体上の癌抑制遺伝子FHL1の同定
安藤 孝将(富山大・3内科, 国立がん研究センター研究所・エピゲノム解析分野)
【目的】X染色体上の癌抑制遺伝子は、活性なコピーを一つしか持たず、single hitにより完全に不活化されるため、リスクが高いことが知られている。今回、我々は胃癌において、DNAメチル化異常により不活化される、X染色体上の癌抑制遺伝子を同定することを目的とした。【対象及び方法】AGS胃癌細胞株をDNA脱メチル化剤により処理後、発現マイクロアレイ解析を行い、発現が上昇する495遺伝子を同定した。そ...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

胃未分化癌発癌母地におけるDNAメチル化異常
吉田 岳市(和歌山県立医大・2内科)
【目的】胃癌でみられるDNAメチル化異常の一部はHelicobacter pylori(Hp)感染によって胃粘膜に誘発される。われわれはHp感染による萎縮性胃炎において、胃粘膜のDNAメチル化異常の蓄積が分化型胃癌発癌リスクと相関することを示してきた。一方,萎縮を背景としない未分化型胃癌発癌のDNAメチル化との関係についての詳細は不明である。最近われわれは...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

大腸癌におけるIGF2 DMRのメチル化レベルの低下と臨床病理学・分子生物学的因子との関係
能正 勝彦(札幌医大・1内科)
insulin-like growth factor 2(IGF2)は本来、父方Alleleのみで発現するがloss of imprinting(LOI)等の機序により、母方Alleleにおいても発現する。その結果、過剰発現したIGF2はその受容体であるIGF-I receptor(IGF-IR)と結合しやすくなり、IGFシグナルの下流にあるPI3K/AKTやMAPKの賦活化がおこり、抗アポトーシ...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

大腸非鋸歯状腫瘍における肉眼形態別のDNAメチル化解析
紺田 健一(昭和大・消化器内科)
【目的】鋸歯状腫瘍がGpG island methylator phenotype (CIMP)陽性大腸癌の前癌病変である可能性が報告されている.我々は,非鋸歯状腫瘍について肉眼型別にDNAメチル化を中心に遺伝子異常のプロファイリングを行った.【方法】当院で内視鏡的あるいは外科的に切除された大腸非鋸歯状腫瘍106病変 (粘膜内病変91病変 [高異型度腫瘍27病変,低異型度腫瘍64病変],粘膜下層癌...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

大腸の腫瘍および炎症性疾患におけるDNAメチル化異常
前田 修(名古屋大大学院・消化器内科学, 名古屋大大学院・消化器疾患先端研究)
【目的】DNAメチル化異常は加齢、炎症、腫瘍において重要な役割をしていると考えられる。大腸疾患におけるメチル化の意義を解析し、臨床応用の可能性を検討するために、大腸癌細胞株、大腸内視鏡生検検体、便中DNAのメチル化解析を行った。【方法】大腸癌細胞株38検体および正常大腸11検体を用いたマイクロアレイによるメチル化解析を行い、大腸癌細胞株で高頻度に高メチル化を認める遺伝子および低メチル化を認める遺伝...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

C型慢性肝炎組織における癌抑制遺伝子メチル化と肝発癌
西田 直生志(京都大・消化器内科)
【目的】癌抑制遺伝子(TSGs)プロモーターのメチル化は、その発現低下を介して発癌に寄与すると考えられる。我々は発癌早期の腫瘍(2cm以下の高分化肝癌)においても高レベルのメチル化が認められるTSGs群を報告してきた。今回は、これらの異常メチル化が肝発癌のdriverであることを示すため、慢性C型肝炎の生検組織において、これらの異常メチル化の存在とその後の発癌との関連を検討した。【方法】1994年...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

DNAメチル化によるSTAT5a発現低下が肝発癌に及ぼす影響
法水 淳(大阪大・消化器内科)
【目的】我々は肝特異的STAT5a/b欠失マウスがCoCl2刺激下において肝癌を引き起こすことを報告した(JEM 2009)。今回、STAT5a及び5bの発現をヒト慢性肝疾患、肝癌組織において検討した。更にin vitroにおいてこれらの分子の発現が細胞増殖にどのような影響を及ぼすか、またこれらの発現調節がどのように行われているかの検討を行ったのでここに報告する。【方法・成績】ヒト肝癌組織29症例...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

HCV関連肝細胞癌におけるAlu repeatメチル化率による予後予測
恒富 亮一(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学)
【目的】肝細胞癌は肝内再発のため予後不良である。ゲノム全体のメチル化は癌部ではhypomethylationとなることが知られており、本研究ではDNAメチル化率と再発との関連を解析し、術後肝内再発予測による肝細胞癌の予後改善を目的とした。
【方法】44例(HCV-related:n = 24)のHCC患者からの非癌部肝臓組織および癌部から抽出したゲノムDNAにおけるメチル化率を測定した。メチ...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

消化器癌における癌幹細胞マーカー発現の意義とエピジェネティック修飾による制御の可能性
山田 眞一郎(徳島大・消化器・移植外科)
【目的】近年、癌幹細胞の概念が提唱され、エピジェネティック修飾や低酸素応答因子(HIF-1)との関連についても知見が蓄積されつつある。そこで、消化器癌におけるヒストン脱アセチル化およびHIF-1発現を介した癌幹細胞制御の可能性について検討した。【方法】検討1 ヒストンアセチル化修飾と癌幹細胞:肝内胆管癌切除例35例を対象。HDAC(histone deacetylase)・HIF-1・CD133発...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌

ヒストン脱メチル化酵素JMJD3の発現低下は膵癌の進展を促進する
山本 恵介(東京大・消化器内科)
【目的】発癌や癌の進展には、遺伝子変異に加えてエピジェネティックな異常も関与する。トリメチル化ヒストンH3リシン残基27(H3K27me3)は幹細胞性の維持に重要な抑制性のエピジェネティック修飾だが、その修飾因子の異常が多数の癌で報告されている。JMJD3はH3K27特異的なヒストン脱メチル化酵素の一つであり、p16/INK4aの活性化を介して発癌抑制に関与することが知られているが、癌化した細胞に...

第53回日本消化器病学会大会エピジェネティクスと消化器癌