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リジン尿性蛋白不耐症における一酸化窒素の門脈循環動態に及ぼす役割
渡辺 久剛(山形大・消化器内科)
【目的】リジン尿性蛋白不耐症(LPI)は、二塩基アミノ酸(L-リジン、L-アルギニン、L-オルニチン)の腸管における吸収障害と腎臓における排泄亢進により血中二塩基アミノ酸の欠乏を来す常染色体劣性遺伝の疾患であり、SLC7A7変異が原因とされている。一方、一酸化窒素(NO)の役割は動物モデルなどで検討されているが、生理的状態におけるNOの門脈循環動態に及ぼす役割は不明な点が多い。LPI患者では、NO...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

当院で経験した遺伝性肝疾患の実態~同胞内発症した骨髄性プロトポルフィリン症の2例~
本田 洋士(広島大病院・消化器・代謝内科)
【背景・目的】遺伝性肝疾患は稀な疾患であり,診断・治療に難渋することが多い.当院で経験した遺伝性肝疾患として,同胞内発症した骨髄性プロトポルフィリン症について報告する.【症例】症例1:40歳代・男性.幼少時より日光過敏症状あり肝障害指摘されるも経過観察. 1995年に他院にて皮膚生検で骨髄性プロトポルフィリン症と診断.1996年12月,全身倦怠感,腹痛,黄疸を認め当科入院。劇症肝不全への進行が危惧...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

急性ポルフィリン症における遺伝子解析の意義
前田 直人(鳥取大・機能病態内科)
【目的】急性ポルフィリン症は、ヘム合成系に関与する酵素群の活性低下によってヘム前駆体のδ-アミノレブリン酸(δ-ALA)およびポルフォビリノゲン(PBG)が体内に過剰蓄積し、致死的ともなりうる急性内臓発作や精神神経障害を呈する遺伝性疾患である(光線過敏症などの皮膚症状を主徴とするいわゆる皮膚型ポルフィリン症とは区別される).我々はこれまでに各型ポルフィリン症の遺伝子解析を行ってきたが、今回急性ポル...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

ウイルソン病の実地診療での問題点
原田 大(産業医大・3内科)
【目的】ウイルソン病は常染色体劣性遺伝により遺伝する銅代謝異常症である。肝細胞から胆汁中への銅排泄障害が原因で、患者は約3万人に1人の頻度で存在する。本疾患は治療可能な代謝異常症であり、適切に診断し治療すれば予後は極めて良好である。しかし、本疾患の診療には未だいくつかの問題が存在する。医師側の問題として認識不足、患者側の問題として怠薬である。今回、実際の症例を通じてこの点に注意を促したい。【対象】...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

成人発症II型シトルリン血症 -治療の変遷-
小暮 高之(東北大病院・消化器内科)
成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)は尿素サイクルの一つアルギノコハク酸合成酵素(ASS)の肝における発現低下により高シトルリン、高アンモニア血症を呈し、精神神経症状を来す疾患である。1999年、本疾患はcitrinの欠損に起因する常染色体劣性遺伝性疾患と判明した。治療法は確立に至らず、高アンモニア血症の対処療法の他、近年は、肝移植、病態を考慮した食事療法やピルビン酸ナトリウム投与などが行わ...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

小児期に診断した線維性のう胞性肝疾患の長期予後
乾 あやの(済生会横浜市東部病院・こどもセンター)
【背景】線維性のう胞性肝疾患は、胎生期のductal plate remodelingに異常をきたした遺伝性疾患である。臨床表現型にはCaroli病や先天性肝線維症(congenital hepatic fibrosis:CHF)などがあり、のう胞性腎疾患を合併することが多い。最近、のう胞性腎疾患の精査の際に本疾患が発見される症例が増えているが本疾患の認知度は低く、長期予後については不明な点が多い...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

遺伝性肝胆疾患に対する肝移植の成績
池上 俊彦(信州大・消化器外科・移植外科)
【はじめに】遺伝性肝胆疾患の中には、治療法として肝臓移植を選択しうるものがある。当科では肝移植を実施しているが原疾患として遺伝性肝胆疾患の割合が比較的大きい。今回当科で施行した遺伝性肝胆疾患に対する肝移植の成績を検討した。【対象と方法】当科における初回肝移植施行例292例のうち、原疾患が遺伝性肝胆疾患のであった65例を対象とし予後について検討した。生体肝移植例でのドナー選択は血族の場合ドナーが保因...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

遺伝子性膵疾患の病態と治療法
洪 繁(慶應義塾大・システム医学)
【目的】膵は栄養の消化において最も重要な臓器である。殆どの膵疾患では進行すると機能不全を合併するため、患者の予後を改善するためには消化吸収と栄養状態に注意して治療を行う必要がある。遺伝性膵疾患は稀な疾患であることで確立した治療法は存在しない。今回我々は、稀な遺伝性膵疾患である膵嚢胞線維症(CF)、遺伝性膵炎(HP)、全膵脂肪置換症を経験したのでその診断及び治療経過について報告する。【患者及び経過】...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

わが国の嚢胞性線維症患者のCFTR遺伝子変異の特徴
中莖 みゆき(名古屋大大学院・健康栄養医学)
【目的】嚢胞性線維症(cystic fibrosis:CF)は、cystic fibrosis transmembrane conductance regulator(CFTR)遺伝子の変異を原因とする常染色体劣性遺伝性疾患である。わが国では年間受療患者数約15名の稀な疾患で、平均生存期間は20年未満である。汗中Cl-濃度の測定によるCFTR機能の評価とCFTR遺伝子解析により早期に診断し、適切な...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

遺伝性膵炎・家族性膵炎の全国実態調査
正宗 淳(東北大・消化器病態学)
【目的】遺伝性膵炎とは、遺伝により慢性膵炎が多発する稀な家系を指す。その発症に遺伝子異常、特にカチオニックトリプシノーゲン(PRSS1)遺伝子異常を背景とすることが多い。わが国では、Grossの診断基準を満たすことは稀であるため、新しい診断基準が策定されている(大槻班診断基準)。わが国における遺伝性膵炎・家族性膵炎の実態解明のため、全国調査を行ったので報告する。【方法】対象症例は、2...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

IPMN例の癌家族歴と家族性IPMN例の臨床的特徴
松林 宏行(静岡がんセンター・内視鏡科)
【背景】第一度近親者に膵癌の家族歴を有する膵癌例は”家族性膵癌”と定義され, 膵癌全体の7~10%を占める.自験膵癌577例のcase-control studyでも, 膵癌家族歴はコントロール例の3%に対し膵癌例で7%と高く,家系内に膵癌が存在すると膵癌発生頻度が上昇する(Odd比:2.5, P = 0.002). 一方, IPMNは膵癌のハイリスク群であり, K-ras, p16など通常型膵癌...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療

von Hippel Lindau病における膵病変:全国疫学調査結果および診療ガイドラインの作成
五十嵐 久人(九州大大学院・病態制御内科学)
【はじめに】von Hippel Lindau(VHL)病は常染色体優性遺伝性で各種の腫瘍が多発する難治性疾患である。主に中枢神経系と網膜の血管芽腫、腎細胞癌、副腎褐色細胞腫、膵腫瘍(膵神経内分泌腫瘍、膵嚢胞)、内耳リンパ嚢腫、精巣上体嚢腫が発症する。発症頻度は欧米では3-4万人に1人とされるが、本邦の正確な発症頻度、各腫瘍の好発年齢、発症関連因子の実態は解明されていない。【目的】VHL病に合併す...

第54回日本消化器病学会大会遺伝性肝胆膵疾患の病態と治療