- 脂肪肝におけるCD14発現亢進はNASH発症の一因子である
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今城 健人(横浜市立大大学院・分子消化管内科学)
【目的】腸管由来のエンドトキシンがNASH発症に関与する可能性は以前より指摘されている.NASH患者では血中エンドトキシン量が多いとの報告や腸管内の細菌異常増殖が生じるとの報告が根拠となっている.しかしながら血中のエンドトキシン量はNASH患者でさえも極めて微量でありNASH発症進展への関与は未だ不明である.我々は網羅的遺伝子解析を行い肥満モデルマウスではLPSの受容体であるCD14の遺伝子発現亢...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- ヒト好中球ペプチド-1はNASH動物モデルの肝線維化を促進する
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宇都 浩文(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学)
【目的】非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の発症機序としてtwo hit theoryが提唱され、肥満や糖尿病によるインスリン抵抗性を基盤に脂肪肝(first hit)となり、酸化ストレスやエンドトキシンなどのsecond hitが脂肪肝からNASHへの進展に重要であると言われている。また、好中球浸潤を伴う肝細胞壊死はNASHやアルコール性肝障害の組織学的特徴の一つである。本研究では、好中球から分...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- 肝非実質細胞の役割を中心に据えたNASH発症のメカニズム
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三浦 光一(秋田大・消化器内科)
(目的) NASHは脂肪肝が形成された後に、酸化ストレスなどの2nd hitが加わることでNASHへ進展するtwo hits theoryが広く浸透している。しかし単純脂肪肝でも酸化ストレスマーカーは上昇していることからtwo hits theoryでNASH発症をすべて説明するのも困難である。我々はむしろ脂肪肝に先行し、Kupffer細胞などの非実質細胞が活性化され、肝細胞での脂肪蓄積はむしろ非...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- ヒト肝臓におけるToxic Lipidの探索 ― NASH病理およびインスリン抵抗性を規定する肝組織中脂肪酸組成 ―
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砂子阪 肇(金沢大・恒常性制御学)
【背景】肝臓の脂肪化はインスリン抵抗性と深く関連するが,細胞に蓄積した中性脂肪自体はインスリン抵抗性の原因とはならない.我々はコレステロール,パルミチン酸がToxic Lipidとしてインスリン抵抗性を形成することを実験的に示したが(Hepatology 2007, J Biol Chem 2009)ヒト脂肪肝中脂質組成と病態の関連は不明である.今回NAFLD患者の肝組織における脂肪酸含有量を測定...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- 高コレステロール食摂取が、非アルコール性脂肪肝炎病態機序に果たす役割に関する検討
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冨田 謙吾(防衛医大・2内科)
【目的】非アルコール性脂肪肝炎(NASH) には背景因子として高コレステロール血症を伴うことが多く、病態機序への関与が示唆されるがその詳細は明らかではない。今回、高コレステロール食(HC食)とメチオニン・コリン欠損食(MCD食)とを組み合わせ給餌し、高コレステロールNASHモデルを作成することにより、NASH病態機序において高コレステロール状態が及ぼす影響につき検討をおこなった。【方法】C57BL...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- 糖転移酵素N-アセチルグルコサミン転移酵素(GnT-V)はマウスNASH進展を抑制する
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鎌田 佳宏(大阪大・消化器内科, 大阪大大学院・機能診断科学)
【目的】糖鎖は蛋白質の翻訳後修飾を担う重要な生体分子として近年注目されている。GnT-Vはβ1-6GlcNAc鎖という特殊な糖鎖構造を形成する酵素で、癌化および癌の転移と最も関連の深い糖転移酵素の1つである。GnT-Vは正常肝ではほとんど発現せず、慢性肝炎や肝再生時に発現上昇する。しかし慢性肝炎進行過程でのGnT-Vの働きは未だ明らかではない。今回GnT-Vトランスジェニック(Tg)マウスを用い、...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- NASH発症におけるPNPLA3 (adiponutrin)遺伝子のERストレスへの役割について
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小野 正文(高知大・消化器内科)
【目的】非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の発症および増悪に遺伝的要因が関与することが明らかになってきた。その中、PNPLA3 (adiponutrin)遺伝子のrs738409(G) alleleは肥満者や肥満児において高率にNASH発症と関連するvariantとして注目されている。しかし、PNPLA3遺伝子欠損マウスはwild typeと比べてphenotypeに違いを見出さないなど、PNPL...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- 転写因子Nrf2は動脈硬化+高脂肪食誘発脂肪性肝炎の脂肪酸代謝修飾による肝脂肪蓄積を抑止し,肝病変の発症と進展を防御する
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岡田 浩介(筑波大大学院・消化器内科学, 筑波大大学院・スポーツ医学)
【目的】酸化ストレスはNAFLDからNASHへの進展に重要な役割を果たす.我々は酸化ストレス応答に重要な転写因子Nrf2に着目し,MCD欠乏食誘発脂肪性肝炎に対してNrf2が防御を果たすことを報告した.一方,最近Nrf2は脂肪酸代謝の修飾にも関与するとの報告がなされている.そこで今回は動脈硬化+高脂肪食(Ath+HF)を野生型マウス(WT)とNrf2遺伝子欠損マウス(Nrf2-null)に投与して...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- カルノシン酸の肝細胞脂肪化抑制機序に関する研究
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王 挺(岩手医大・消化器・肝臓内科)
【目的】転写因子Nrf2は,多くのPhase II遺伝子の転写を促進し,酸化ストレスに対する細胞保護作用を示すことから,肝細胞の脂肪蓄積あるいはNASH進展抑制のための治療標的分子と考えられている.我々はこれまで,Nrf2の活性化物質であるカルノシン酸 (CA) が脂肪前駆細胞の分化を抑制したり,ob/obマウスの体重増加や肝の脂肪蓄積を抑制することを示してきたが,今回,その機序をin vitro...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対する抗酸化微量栄養素の効果
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上野 隆登(朝倉医師会病院)
【目的】非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対し抗酸化作用が期待できる微量元素や分岐鎖アミノ酸などの微量栄養素の影響を検討した.【方法】生後7週目の雄性KKAyマウスにメチオニン・コリン欠乏食(MCD)を4週間摂取させNASHモデルを作製した。MCDと同時に、通常餌投与(A)群、MCD+Zn, Se微量元素強化餌投与(B)群、MCD+分岐鎖アミノ酸(BCAA)強化餌投与(C)群、MCD+微量元素...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- NASHの肝病態に対するウルソール酸の有用性:モデル動物での検討
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池嶋 健一(順天堂大・消化器内科)
【目的】メタボリックシンドローム(MetS)に伴うNASHの治療戦略は、脂肪肝の形成から肝の炎症・線維化に至る広範な病態をカバーすることが求められるが、現時点では有効な薬物療法は確立していない。私たちは、五環テルペノイドであるウルソール酸(UA)が肝星細胞特異的にアポトーシスを惹起し肝線維化の改善効果を発揮することを明らかにしてきた。そこで今回は、MetSに伴う脂肪肝に対するUAの代謝改善効果につ...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルマウスの病態進行に対する水素水の効果の検討
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河合 大介(岡山大・消化器・肝臓内科学)
NASHの成因として、酸化ストレスによる肝ミトコンドリア異常が関与していると考えられている。水素分子が抗酸化物質として肝毒性のある活性酸素の産生を抑制することが報告されており、水素水を用いて活性酸素によって引き起こされる病態を改善することが期待できる。今回我々はNASHモデルマウスを用いて水素水の有用性を検討した。【方法】NASHモデルとしてメチオニン・コリン欠乏食 (MCD食) マウスを使用した...
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NASH発症の分子機構と治療標的
- NAFLDの発症、進展に歯周病菌p.gingivalis感染が関与する
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米田 正人(横浜市立大・消化器内科)
【目的】歯周病は歯牙欠損の原因という局所的な問題のみならず、一過性の菌血症を引き起こし、全身にLipopolysaccarideやTNFなどの炎症性サイトカインを放出し全身疾患に関与する。歯周病は肥満、糖尿病、心筋梗塞に関与することが報告されているがNAFLDとの関連は不明である。【方法】肝生検を行ったNAFLD患者150症例,また正常対象群60人において唾液検体を用いて口腔内細菌の検出をPCR法...
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岡上 武(済生会吹田病院)
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