- 司会の言葉
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Helicobacter pylori(HP)の除菌療法が保険適用となり10年以上が経過し,上部消化管疾患の概念が大きく変わってきている.従来,加齢現象とされていた胃粘膜萎縮の進展がHP感染者のみにみられる現象であることが判明した.HP感染により生ずる組織学的胃炎が除菌により改善することは明らかであり,除菌後の長期経過では萎縮や腸上皮化生も改善するという報告も多い.また,除菌後に胃...
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HP除菌後の病態と対応
- 除菌治療前後の逆流性食道炎の症状と所見についての検討
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志賀 典子(ウェルネス天神クリニック)
<目的>除菌治療による逆流性食道炎への影響に関しては未だ一定の見解が得られておらず,除菌治療による逆流性食道炎の悪化への懸念から除菌治療に踏み切れない症例も存在する.今回,除菌治療前後の胃酸の逆流症状に関するアンケート調査(Fスケール)を行った.<方法>対象者は211人(男性144人,女性67人),年齢は平均52.9歳(31歳~75歳).Fスケールへの回答は除菌効果判定として施行する呼気検査(除菌...
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HP除菌後の病態と対応
- H. pylori除菌がSSBEの進展に及ぼす影響
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古田 隆久(浜松医科大学臨床研究管理センター)
H. pyloriの除菌は胃酸分泌を改善し,その結果GERDの頻度が高まることが危惧されている.GERDの合併症にバレット食道がある.そこで,H. pyloriの除菌後にバレット上皮の進展が認められるかをレトロスペクティブに検討した.対象は2000年以前に当院にてH. pyloriの除菌療法が施行され,H. pylori除菌後経年的に内視鏡検...
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HP除菌後の病態と対応
- Helicobacter pylori除菌10年後における胃粘膜の病理組織学的変化に関する検討
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山崎 智朗(大阪市立総合医療センター消化器内科)
【目的】2000年11月1日にHelicobacter pylori(HP)除菌療法が保険収載され,数多くの患者が除菌療法を受け,胃十二指腸潰瘍の発生・再発は減少した.除菌による病理組織学的な萎縮や腸上皮化生の改善には時間がかかると予想されるが,10年を超えた追跡報告は少なく,長期経過観察例の集積が必須である.今回,我々は,当院でHP除菌後10年以上経過した症例を対象として,除菌前な...
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HP除菌後の病態と対応
- H. pylori除菌後の病態に及ぼす腸上皮化生及び低用量アスピリンの影響
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古川 真依子(東京女子医科大学附属青山病院消化器内科)
【目的】胃体上部の発赤(Diffuse Redness:DR)はHP感染に特徴的であり,一方前庭部大弯および体部小弯の櫛状発赤(Reddish Streaks:RS)はHP陰性の所見であった(Furukawa et al. Intern Med 50:951-959, 2011).今回我々は,腸上皮化生(IM)と低用量アスピリン(LDA)が除菌後のDR消失とRS出現に対していかなる影響を及ぼすか検...
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HP除菌後の病態と対応
- 鳥肌胃炎症例のH.pylori除菌後経過の検討
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永田 豊(松山赤十字病院胃腸センター)
【目的】鳥肌胃炎症例におけるH.pylori(HP)除菌前後の臨床所見,内視鏡所見および病理学的所見の変化と除菌後の経過を明らかにすること.【方法】2004年10月から2012年8月までの7年10ヶ月間に当センターで鳥肌胃炎と診断した203例のうちHP除菌成功後,経過を観察できた112例を対象とし,その臨床,病理学的変化を遡及的に検討した.全例内視鏡検査を除菌前と除菌成功後に施行し以...
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HP除菌後の病態と対応
- 内視鏡および組織所見からみた鳥肌胃炎除菌後の経過
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鎌田 智有(川崎医科大学消化管内科学)
【背景と目的】鳥肌胃炎は胃粘膜に結節状隆起が均一に密集し,隆起の中心には陥凹した小白色斑点が認められ,病理組織学的には粘膜表層でのリンパ濾胞の形成が特徴である.また,鳥肌胃炎の発生とH. pylori感染との関連性は明らかであり,除菌により鳥肌胃炎は改善することが知られているが,その長期経過については不明な点も多い.今回,鳥肌胃炎の内視鏡および組織所見の推移を検討した.【対象と方法】...
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- 背景疾患とH. pylori除菌後胃癌リスクの関連性についての全国調査結果
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加藤 元嗣(北海道大学病院光学医療診療部)
【目的】H. pylori除菌による胃がん予防効果が明らかとなったが,除菌成功後も長期間にわたって除菌後胃癌の発生が報告されている.JGSG試験の10年に及ぶ長期観察結果で,H. pylori除菌による異時癌の有意な予防効果は長期に渡って続くものの,除菌成功後の異時癌リスクはなくならないことも明らかとなった.除菌成功後の胃癌発生率と背景疾患によるリスクを明らかにする目的で,全国調査を行った.【方法...
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- H. pylori除菌時における除菌後発見胃癌の危険予測因子の解析
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兒玉 雅明(大分大学消化器内科)
【目的】H. pylori除菌による胃癌抑制効果が判明しているが除菌後発見胃癌も少数でなく注意を要する.除菌後胃癌予測因子の解析が可能かを除菌成功例2000例以上を用い検討した.【方法】当院および有田胃腸病院にて1988から2010年まで除菌治療成功後追跡し得た2355例(男1514例,女841例)を解析,除菌時年齢,疾患,内視鏡的萎縮度,血清pepsinogen,前庭部大弯,体部大...
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- Helicobacter pylori除菌後早期胃癌の臨床病理学的特徴
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三浦 義正(自治医科大学内科学講座消化器内科学部門)
背景:早期胃癌の内視鏡治療後のH.pylori除菌療法が保険収載されたが,すでに他疾患で除菌がなされた胃に早期胃癌が発見されるケースも少なくない.また早期胃癌の内視鏡治療後の除菌患者も増加すると考えられ,除菌後胃癌の臨床学的特徴を明らかにすることは重要と考える.対象と方法:過去に除菌歴が確認でき,ESD入院時にヘリコIgG抗体陰性かつヘリコ便中抗原陰性(または尿素呼気試験陰性)であった早期胃癌を除...
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- ESD可能なH.pylori除菌後胃癌診断のための内視鏡検査間隔の検討
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永原 章仁(順天堂大学医学部消化器内科)
【背景】近年,除菌症例の増加に伴い,除菌後に発生する胃癌が大きな問題となっている.これまで除菌後胃癌についての臨床病理学的な検討は報告されているものの,低侵襲治療法であるESDで治療可能な病変を診断するのに適切な内視鏡検査間隔についての検討はない.【方法】databaseより除菌治療成功後に新たに胃癌と診断された例を抽出した.ESD治療を行った群(E群)と手術・化学療法を行った群(S群)とで,診断...
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- H. pyroli陽性胃MALTリンパ腫の除菌後の多重がんの発生に関する検討
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田近 正洋(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部)
【目的】限局期胃MALTリンパ腫は,H. pyroli除菌療法が行われ良好な長期成績が報告されているが,胃癌など多重がんの発生の報告も散見される.今回,除菌後の経過について検討した.【方法】対象は1994年から現在まで当施設にて1年以上経過を追え除菌療法を行ったH. pyroli陽性胃MALTリンパ腫連続107例.男性:女性=44:63,平均年齢58.0±12.0歳.臨...
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- microRNA-34b/cの異常メチル化は胃癌の異時性多発リスクに関与する
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鈴木 亮(札幌医科大学第一内科)
【背景・目的】胃癌の発生にはHelicobacter pylori(HP)による異常メチル化を介した癌抑制遺伝子の不活化が重要であると考えられている.以前に我々は,癌関連microRNAのスクリーニングにより,胃癌の背景粘膜でエピジェネティックに不活化されている腫瘍抑制的なmicroRNA-34b/c(miR-34b/c)を同定した.さらに,miR-34b/cは単発胃癌症例に比べて多発胃癌症例で有...
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