セッション

検索結果は13件です。

司会の言葉
杉原 健一(東京医科歯科大学腫瘍外科学)
 消化管癌に対する化学療法は,今日まで多くの基礎研究・臨床研究の成果にもとづき,幾多のエビデンスが創出され,各臓器の「がん診療ガイドライン」の普及もあいまって,各臓器,各stageに対する標準治療が展開されている.そしてcytotoxic agentに限らず,分子標的薬剤の普及,そしてそれらの組み合わせによる併用療法へと向い,一方で様々な分子マーカーのstatusによって,これら薬剤の有用性の予測...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

消化管がん薬物療法の個別化治療を目指した取り組み
大津 敦(国立がん研究センター早期・探索臨床研究センター)
次世代シーケンサーなどのゲノム解析技術と創薬技術の進歩により,がん薬物療法の個別化は急速に進歩しつつある.最も進歩している肺がんでは多数のドライバー遺伝子異常とその阻害剤により大きくその臨床像が変貌しつつある.消化管がんにおいては,ドライバー遺伝子異常の報告は極めて少数のみであるが,胃がんでのHER2発現とその阻害剤や大腸がんでの抗EGFR抗体に対するKRASなど一部のバイオマーカーによる個別化が...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

食道癌治療における治療感受性予測の検討
宮崎 達也(群馬大学病態総合外科)
【背景】食道癌の治療成績は手術,化学療法,放射線療法を組み合わせた集学的治療によって向上してきた.しかしながら,個々の症例の治療効果は様々であり,テーラーメイド治療が求められている.教室ではより治療効果を反映する評価法を検討すべくFDG-PETや複数の感受性予測因子の候補となるマーカーを検討している.【対象と方法】(1)術前化学放射線療法(CRT)40Gyを施行したT3:9例,T4:27例を対象に...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

HER2陽性胃癌の組織型別HER2陽性率の検討
冨永 直之(東京医科大学消化器内科)
【目的】近年胃癌の化学療法において,HER2陽性であればトラスツズマブを使用することが推奨されている.しかし胃癌は組織型が混在しており,HER2も不均一に発現しているが,その組織型について詳細に検討した報告は現在のところなく,今回我々はHER2陽性細胞の分布について検討した.【方法】2010年~2013年の期間に胃癌にて当院で胃切除を行い,HER2染色(IHC法)を行った症例を対象に後ろ向き検討を...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

胃癌におけるHER2陽性判定の現状とtrastuzumab併用化学療法症例の検討
楠本 哲也(国立病院機構九州医療センターがん臨床研究部・消化器センター外科)
【背景】胃癌におけるHER2発現に関しては,日本人における陽性率,判定法による陽性率の違いなどまだ不明確な点も多い.HER2蛋白過剰発現を示す切除不能進行・再発胃癌に対するtrastuzumabの適用に際して,正確なHER2陽性判定とその結果に基づく治療戦略が重要である.【目的】胃癌におけるHER2陽性判定の正確性の検討と実地臨床におけるtrastuzumab併用化学療法の有用性を検討する.【対象...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

胃癌に対する治療方針決定におけるthrombospondin 1(THBS1)発現の意義
西 正暁(徳島大学消化器移植外科)
目的:我々はTHBS1発現が,R0症例における再発リスク予測や根治切除不能症例の効果・予測因子となることを報告してきた(第67回日本消化器外科学会).今回,非根治切除症例におけるTHBS1発現の意義および,血中THBS1発現の意義を検討した.対象・方法:検討1:R0手術施行例における検討R0手術施行Stage II・III胃癌128例の切除標本を免疫組織化学染色した.検討2:非根治切除症例における...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

大腸癌化学療法におけるテーラーメード化の試み
植竹 宏之(東京医科歯科大学応用腫瘍学)
初めに:ACTS-CC trialはStageIII結腸およびRS癌に対する補助化学療法としてのS-1とUFT/LVの同等性を検索する第III相ランダム化比較臨床試験である.ACTS-CC trialの付随研究としてホルマリン固定パラフィン包埋標本をもちいたバイオマーカー検索を行った.対象と方法:ACTS-CC trialに参加した症例のうち同意の得られた原発巣切除標本を対象とした.1)遺伝子発現...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

進行・再発大腸癌化学療法における抗癌剤感受性試験(CD-DST)を用いたテーラーメード化学療法の試み
中谷 晃典(東部地域病院外科)
【背景】現在進行再発大腸癌化学療法の個別化を施行するにあたり,日常の実臨床にて利用出来うる保険収載された検査としては抗EGFR薬の効果におけるK-ras,irinotecanの副作用におけるUGT1A1と抗癌剤感受性試験のみである.抗癌剤感受性試験は唯一殺細胞性抗癌剤の効果予測が可能である.分子標的薬の選択もさることながら,分子標的薬の投与にかかわらず5-FU,oxaliplatin,irinte...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

liquid biopsyによるreal time assessmentを利用したEGFR阻害剤の新治療戦略
山田 岳史(日本医科大学消化器外科)
【背景】EGFR阻害薬はKRAS野生型腫瘍にのみ奏効する.大腸癌転移巣のKRAS statusは原発巣と10%の症例で一致せず,またEGFR阻害剤の投与によりKRAS野生型腫瘍内にKRAS変異クローンが増加することが報告されている.治療開始前の個別情報から1次治療を選択するこれまでの個別化治療には限界があり,転移巣のstatusや治療による新たな変異を知り,治療を選択するような試みはなされてこなか...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

大腸癌における抗EGFR抗体薬のテーラーメード治療を目指したmicroRNAの解析
三橋 慧(札幌医科大学消化器・免疫・リウマチ内科学講座)
【目的】近年,抗EGFR抗体薬がKRAS遺伝子(codon 12,13)野生型大腸癌の治療に用いられているが,KRAS codon 61,146やBRAF,PIK3CA,NRAS遺伝子の変異が耐性に関与すると報告されている.またmicroRNA(miRNA)の発現異常は多くの癌で注目されているが,大腸癌のEGFR下流のシグナル伝達に関わるmiRNAはほとんど解明されていない.よって我々は約800例...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

抗EGFR抗体製剤の有効性と皮膚障害に対するSNPの影響
齋藤 梨絵(筑波大学附属病院消化器内科)
【目的】切除不能再発大腸癌KRAS野生型において,上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とするモノクローナル抗体は,非常に効果的であり,長期無増悪期間(PFS)および全生存率(OS)の延長に貢献している.一方,重大な副作用として皮膚毒性を認め,QOLの低下,如いては治療継続の妨げとなることがある.今回私達はEGFR発現,リガンド結合,またはシグナル伝達活性を調節することが知られているEGFRに関与す...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

癌化学療法における消化管毒性の予防的支持療法の探索的検討
並川 努(高知大学外科1)
【目的】癌化学療法時における腸粘膜委縮の評価法として期待されているDiamine oxidase(DAO)のバイオマーカーとしての可能性と,水溶性食物繊維(Soluble Dietary Fiber:SDF)とH2受容体拮抗薬による消化管毒性予防効果について検討することを目的とした.【対象と方法】胃癌に対してS-1投与による抗癌剤治療を行った20例に対して,DAO活性測定とEORTC QLQ C-...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩

患者末梢血を用いた遺伝子多型解析による5-FU有害事象の発現予測―消化管癌テーラーメイド化学療法へ向けて―
大沼 忍(東北大学生体調節外科)
【背景】5-FUは,胃癌,大腸癌等,消化管癌化学療法で頻用される抗癌剤である.一方,5-FUは時に重篤な有害事象発現の原因となり,治療の延期,中止だけでなく患者生命が危険に晒されることもある.しかし,5-FU投与前に有害事象発現を正確に予測することは困難である.近年,有害事象発現の一因として,5-FU代謝酵素の活性低下をもたらす遺伝子多型が注目されている.【目的】5-FUによる有害事象発現を規定す...

第100回日本消化器病学会総会消化管癌テーラーメード化学療法の進歩