- 司会の言葉
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滝川 一(帝京大学内科)
総胆管結石の内視鏡的治療は,現在標準的治療と位置付けられているが,高齢者に関しては必ずしも一定の適応や治療方針があるわけではない.高齢化とともに罹患率は増加し,かつ結石のサイズも大きくなる.しかも,低侵襲とはいえ内視鏡的治療への耐術能の抗凝固剤の内服,胆管結石除去後の胆摘,ひとたび合併症が起きた時の対処など,高齢者が抱える問題点は多い.乳頭処置についてもEST,EPBD,EPLBDなど増えてきた...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 高齢者の総胆管結石における当科の緊急内視鏡治療の現状
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磯野 朱里(帝京大学内科)
背景:胆道疾患は急速に重篤になるため早期の適切な治療が必要である.当科では高齢者でも総胆管結石症に対して積極的に内視鏡処置を行っている.当科における高齢者総胆管結石に対する緊急内視鏡の現状について検討した.方法:2004年1月から2013年8月に当科施行のERCP1853例の中で,緊急ERCP(診断後24時間以内に施行)を施行した532例のうち,総胆管結石と診断された324例(男187例,女137...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 総胆管結石治療におけるESTの長期予後と年齢を考慮した予防的胆摘術の効果
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中路 聡(亀田総合病院消化器内科)
【背景】高齢者におけるEST後の予防的胆摘術の有用性を明らかにするため,当院で総胆管結石治療時にESTを施行し1年以上追跡した有胆嚢症例727例を用い検討した.【方法・検討】有胆石と無胆石に群別化し,それぞれ胆摘群と胆嚢温存群でカプランマイヤー法により再発率を求めた.検討1.予防的胆摘術の胆管道結石再発抑制効果を検討した.検討2.有胆石胆嚢温存群の再発曲線と平成24年簡易生命表から各年齢階層の死亡...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 総胆管結石に対する内視鏡治療成績の年齢層別比較検討
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土井 晋平(岐阜大学第一内科)
【目的】総胆管結石に対する内視鏡治療の成績を年齢層別に検討する.【方法】1991年4月から2013年8月までの期間に,当施設において内視鏡治療を行った総胆管結石症例を調査し,高齢者群(85歳以上)と非高齢者群(85歳未満)において治療成績を比較検討した.【結果】対象は1653例(初回治療1417例,再発236例),高齢者群669例,非高齢者群984例.両群の背景因子(高齢者群/非高齢者群)において...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 後期・超高齢者の総胆管結石に対する内視鏡治療―EPBD・EPLBDの有用性―
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白田 龍之介(東京大学消化器内科)
【目的】進行する高齢化社会において,後期・超高齢者の総胆管結石の治療を行う機会が増加している.基礎疾患を多く有する高齢者の治療では,治療成功率と共に安全性を考慮する必要がある.【方法】2013年8月までに当院でendoscopic papillary balloon dilation(EPBD)/large balloon dilation(EPLBD)にて治療した乳頭処置歴のない総胆管結石755...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 高齢者総胆管結石治療の有効性・安全性と今後の展望
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伊藤 由紀子(日本赤十字社医療センター消化器内科)
【目的】高齢者の治療では安全性と低侵襲性が求められる.内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)による内視鏡治療での切石の安全性・有効性について年代別に検討し,また従来のEPBDと昨今の内視鏡的乳頭Large Balloon拡張術(EPLBD)の成績を比較検討した.
【方法】対象は2013年9月までにEPBDによる治療をした総胆管結石711例(≦64歳(A群)228例,65~74歳(B群)168...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 後期高齢者に対するEndoscopic sphincterotom combined with large balloon dilation(ESLBD)の有効性と安全性の検討
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殿塚 亮祐(東京医科大学消化器内科)
【背景と目的】近年,高齢者の総胆管結石の発症頻度は増加傾向にある.ESTによる切石は確立されているが,巨大結石や多発例においては,治療に難渋する事が少なくない.機械式結石破砕術や電気水圧衝撃波等の付加処置,また複数回の処置が必要となる場合があり,高齢者においては大きな身体的負担となり得る.一方で近年,ESTとラージバルーンを併用したESLBDの有用性が報告されている.今回我々は,当院のESLBD症...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 当センターにおける超高齢者胆管結石に対する経乳頭的内視鏡治療の成績
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路川 陽介(仙台市医療センター消化器内科)
【目的】超高齢者胆管結石患者に対する,内視鏡治療の安全性を検証すること.【対象】2000年1月から2012年12月まで,当センターでERCPを施行した胆管結石1241例中,85歳以上の超高齢者255例(高齢者群)を対象とした(男女比87:168,平均年齢88.8歳).同時期にERCPを行った65歳未満の胆管結石初回治療288例(非高齢者群;男女比166:122,平均年齢53.3歳)を対照とし,1)...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 高齢者における総胆管結石に対するEBD長期留置法の検討
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宮島 真治(天理よろづ相談所病院消化器内科・内視鏡センター)
【方法】2004年から2012年まで,総胆管結石の初回内視鏡治療として,高齢者において,基礎疾患を考慮し切石をせずEBD留置単独(EST付加例を含む)での経過観察を試みた112例(前期高齢者19例/後期高齢者44例/超高齢者49例)(以下EBD群)を同時期にEST・切石を施行した185例(以後切石群)と比較検討した.【結果】1)主な偶発症:EBD群で急性膵炎4例(重症2例),後腹膜穿孔1例.切石群...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 超高齢者の総胆管結石症に対する治療方針の検討
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渕崎 宇一郎(恵寿総合病院消化器内科)
【背景】高齢者の総胆管結石は閉塞性胆管炎を発症すると重症化しやすく迅速な治療が必要であるが,症例に応じたより低侵襲な治療法の選択が求められる.当地区では高齢化率が高く閉塞性胆管炎で緊急入院となる症例が増加傾向にあり,今後全国的な傾向になるものと推測される.当院での治療と経過をまとめ超高齢者の総胆管結石治療に対する安全性および治療方針について検討を行なった.【対象と方法】2003年1月より2013年...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 高齢者総胆管結石の特徴と,抗血小板薬内服継続下でのESTの安全性についての検討
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友田 健(福山市民病院内科)
【背景と目的】抗血栓薬内服中の高齢者総胆管結石を治療する機会は増加している.当科ではESTを基本方針としているが,改定された抗血栓薬のガイドラインでは抗血小板薬内服継続下でのESTも推奨している.しかし,高齢者の抗血小板薬内服継続下でのESTの安全性についての報告は少ない.そこで,当科でESTを施行した高齢者総胆管結石において,抗血栓薬の内服状況などを確認し,抗血小板薬内服継続下でESTを施行した...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 高齢者での術後再建腸管の胆管結石に対するダブルバルーン内視鏡下治療
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沼尾 規且(自治医科大学附属病院消化器内科)
【目的】近年,術後再建腸管症例の胆管結石に対して,ダブルバルーン内視鏡下ERCP(以下DBERCP)での截石が行われてきている.高齢者に対する同手技の成績を明らかにすることで,その有用性,安全性を評価する.【方法】当院では2002年11月から2012年12月の期間にDBERCPを178症例328件に施行した.初回内視鏡検査時に胆管結石を有した65例を対象とした.対象を65歳以上の高齢群35例と,6...
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高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
- 75歳以上の後期高齢者に対する腹腔鏡下総胆管切石術の成績
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倉内 宣明(市立函館病院消化器外科)
【はじめに】高齢者の増加に伴い様々な併存疾患および胃切除術後分流再建術・胆嚢摘出術などの上腹部手術既往のある総胆管結石症例が増えてきた.当院では内視鏡的総胆管結石採石(ESTその他)不成功例,採石前後のENBD維持困難例,採石困難事前予測例に腹腔鏡下総胆管切石術(LCBDE)を行ってきた.【目的】75歳の後期高齢者に対する外科治療成績を検討した.【対象と方法】2010年1月から2013年9月までに...
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