- 司会の言葉
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矢作 直久(慶應義塾大学腫瘍センター)
消化管内視鏡の診断と治療の進歩には目覚ましいものがある.見えなかったものが見えるようになり,あり得なかった大きさの病変が切除できるようになった.しかし実際の診断と治療のクオリティーはどうであろうか?ボタン一つで容易に画像強調観察が行えるようになったが,きちんと使いこなせているのであろうか.見るべきものを見ずに診断できたと思い込んでいたり,ガイドラインも熟知せずに気軽にESDを行っている例も見受け...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- 表在食道癌におけるNBI拡大内視鏡診断:Optical biopsyの可能性に関する検討
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長井 健悟(大阪府立成人病センター)
【背景】生検組織診断は治療前診断のGold standardとされているが,病変の一部を採取し診断する生検には限界がある.一方,NBIや拡大内視鏡は進歩しているが,Optical biopsyが生検組織診断に取って代われるかどうかは評価されていない.【方法】食道癌ハイリスク症例を対象に内視鏡検査を行い,食道内病変を主にNBI拡大観察し,上皮の茶色変化や血管変化をもとに,癌,非癌の診断を行う.その後...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- 食道表在癌に対するESDの意義
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飯塚 敏郎(虎の門病院消化器内科)
目的:食道表在癌に対するESDは広く行われているが,これまでの内視鏡治療の位置づけを変えつつある.ESDは転移リスクがかなり低い病変に対する治療としてのみならず,転移リスクのある病変に対する診断的目的としても行われている.治療としてのESDと深達度診断が難しいMM/SM1病変に対する診断的ESDがもたらす意義を明らかにすることを目的とした.方法:2005年4月~2012年12月までに食道表在癌に対...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- ESDが食道表在癌に果たした役割
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高橋 亜紀子(佐久医療センター内視鏡内科)
【目的】食道扁平上皮癌に対するESDの長期予後を検討すること.
【対象と方法】長期予後を検討するため2000年1月から2008年12月までにESDを施行した食道扁平上皮癌を対象とした.ライブ症例とCRT後の局所再発例を除く245例286病変が対象となり,その内訳は,男222例女23例,年齢69(42~91)歳,占拠部位Ce/Ut/Mt/Lt/Ae:6/27/181/63/9,肉眼型:0-I/...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- 食道ESD後狭窄に対する治療戦略
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山口 直之(長崎大学病院光学医療診療部)
【目的】食道ESDは広範囲病変の一括切除を可能にしたが,広範囲剥離例では術後狭窄が高頻度に起こり,狭窄対策が問題となる.そこで術後狭窄に対するステロイド(SH)投与やオリジナルSH局注針Ntypeの有用性,また,東京女子医科大学と共同で施行した世界初の移送(長崎-東京)による口腔粘膜上皮細胞シート移植症例3例の術後経過を含め報告する.【対象・方法】2013年8月までに当科にてESDを施行した食道表...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- ESD術後偶発症に対する予防と対処―食道術後狭窄予防,胃遅発性穿孔及び術中巨大穿孔に対する内視鏡的組織被覆法
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滝本 見吾(武田総合病院消化器センター)
食道表在癌,早期胃癌の標準的治療法となったESDであるが,遅発性穿孔,術中巨大穿孔に対する有効な対処法の報告は少ない.クリップ縫縮やOTSCシステムが有用との報告もあるが,遅発性穿孔部は筋層ごと脱落するため穿孔径が大きく,穿孔部周囲の筋層は脆弱であることから縫縮することは非常に困難である.また食道亜全周切除後の狭窄予防はトリアムシノロン局注が有用と報告されているが,全周性切除後に対する有用性は示さ...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- ヨード染色,画像強調拡大観察併用内視鏡検査による食道,咽頭領域多重癌のスクリーニング,サーベイランスに関する検討
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堀 圭介(岡山大学病院光学医療診療部)
【背景】食道発癌患者において食道,頭頸部領域に同時性,異時性多重癌の発症リスクは高く厳重なスクリーニング,サーベイランスを要すると報告されている.【目的】食道表在癌内視鏡治療症例に対するヨード染色,画像強調拡大観察併用内視鏡による食道,咽頭領域多重癌の発見率,及び経過観察間隔の妥当性を検討する.【対象】2006年4月から2013年8月までに内視鏡治療を施行した食道表在癌172症例257病変.【方法...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- EUSを用いた早期胃癌ESDの結果の予測
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柳井 秀雄(国立病院機構関門医療センター臨床研究部)
背景:早期胃癌ESDにおいて,その期待される効果を予測する事は,説明同意に重要である.EUSを用いた早期胃癌ESDの結果の予測について,明らかとする.方法:演者らは,予備的検討の結果から,細径プローブEUSによる早期胃癌深達度診断において,EUS-cT1aを,第3層に変化の無いもの(EUS-M)および変化が1mm未満のもの(EUS-M/SM境界領域)とし,EUS-cT1bを,第3層の変化が1mm以...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- 早期胃癌に対する内視鏡治療Strip biopsyの果たした役割と現状
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西川 潤(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学)
(目的)早期胃癌の内視鏡治療はStrip biopsyの開発によって,低侵襲で術後のQOLの高い治療として確立された.リンパ節転移のない早期胃癌が内視鏡的な局所治療の適応と定められ,この条件を満たす早期胃癌は,内視鏡的切除により外科的切除と同等の良好な切除成績が得られるようになった.現在では,ESDの開発により内視鏡治療の適応が拡大され,さらに発展してきている.今回我々は,当院における早期胃癌の内...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- 胃ESDの意義とその評価
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藤本 愛(慶應義塾大学腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門)
目的:ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)の登場により,治療困難とされていた病変の多くが切除可能となった.また,手術症例の解析によるリンパ節転移リスクの解明により,内視鏡治療の適応拡大が進みつつある.ESDにより絶対適応病変では一括完全切除による治癒切除率が約98%とほぼ根治でき,さらに治療対象に多くの適応拡大病変や診断や局所コントロール目的の適応外病変も含まれるようになってきた.このような病変に対す...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- 胃ESD後における2nd-look内視鏡検査の有用性に関する検討:多施設ランダム化試験(THE SAFE TRIAL)
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柳下 淳(国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科)
【目的】胃ESD後における2nd-look内視鏡検査の有用性を明らかにする.【方法】本邦5施設にてランダム化オープンラベル非劣性試験を行った.単発早期胃癌および胃腺腫を対象とし,胃切除術,胃管再建術もしくは上腹部放射線治療既往例,抗血栓薬,ステロイドもしくはNSAIDs投与例,術中穿孔例は除外した.ESD直後に予防的止血術を行い,ESD術後当日に2nd-look内視鏡検査施行群と非施行群に割付した...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- Endoscopic submucosal dissection前の口腔内洗浄および胃洗浄法が治療後に及ぼす影響:胃内細菌培養の変化と臨床
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森 宏仁(香川大学医学部消化器・神経内科)
背景:外科手術時の手指消毒は術野の汚染を最小限に抑制できる菌量102-3個に減少させうるために行われる.一方endoscopic submucosal dissection(ESD)に対する胃内洗浄・消毒の報告はない.内視鏡は口腔内をとおるため口腔内細菌の暴露は必発である.胃酸の存在する胃内での管腔内治療に生理食塩水での洗浄が有効性の報告はない.ESD時生理食塩水の胃内洗浄の細菌量に対する影響を前...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
- 消化管全層切除の果たす役割と今後の展望
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比企 直樹(がん研有明病院消化器外科)
上部消化器内視鏡診断の進歩によって,早期胃癌の割合は明らかに増加している.早期胃癌に対する機能温存胃切除はそのリンパ節転移頻度の少なさから腹腔鏡下手術などの低侵襲性手術との組み合わせで普及してきており,よりよい長期成績が報告されている.胃の全層局所切除は究極の機能温存胃切除であるが,技術的に正確な切除範囲で施行することは極めて難しい.われわれは,内視鏡と腹腔鏡による合同手術により,正確な切除線で過...
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食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩