セッション

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司会の言葉
渡辺 純夫(順天堂大学消化器内科)
 NASHが肝疾患関連死を誘発する生活習慣病として提唱されてから四半世紀が経ち,インスリン感受性の改善や酸化ストレスの軽減により治療効果が得られることが明らかとなった.加えて,肝病変の改善を目指した新たな薬物療法の治験が本邦でも開始された.NASHの背景となるNAFLDは高血圧や糖尿病,脂質異常症の合併頻度が高いため,肝疾患としてのみならず糖尿病や脳・心血管イベントの危険因子と理解されている.減量...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

非アルコール性脂肪肝炎における心血管イベントリスク因子である脂質異常の観点からの解析:多施設研究
今城 健人(横浜市立大学医学部附属病院消化器内科)
【目的】非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の予後は心血管イベント発症により規定されうる.単純性脂肪肝(NAFL)に比し非アルコール性脂肪肝炎(NASH)では心血管イベントによる死亡率が有意に増加することも報告された.しかしNASHの心血管イベント発症機序は解明されていない.我々は以前にNASHではNAFLに比しVLDL合成を律速するMTTP低下に伴う脂質プロファイルの変化により肝臓から放出され...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

CGMSから見たNAFLDとC型慢性肝炎の耐糖能異常の特徴と比較検討
小野 正文(高知大学消化器内科学)
【目的】肝臓は糖代謝に重要な役割を果たしており肝障害の進行とともに耐糖能異常が顕著化するとされる.これまで我々は,NAFLDの耐糖能異常の特徴として血糖の日内変動と肝線維化進展とが強い関連を有していることを報告してきた.今回,耐糖能異常の特徴についてC型慢性肝炎と比較検討を行ったので報告する.【方法】高知大学および久留米大学においてCGMS(24時間血糖測定)を行ったNAFLD 30名と,C型慢性...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

NAFLDにおけるホルモン値の検討―新たな治療の可能性をめざして―
千嶋 さやか(東京女子医科大学消化器内科)
下垂体低下症を基盤に発症した非アルコール性肝障害(NAFLD)では成長ホルモン(GH)投与にて病態が改善することが報告され,ホルモンとNAFLDとの関係が注目されている.また我々はメタボローム解析から,NAFLDの線維化に副腎性ホルモンが関与する可能性を明らかにした.これらの報告は各種ホルモン治療がNAFLDの新たな治療に繋がる可能性を示唆しており,NAFLDにおける各種ホルモン値と病態を検討した...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

NAFLD治療におけるレジスタンス運動療法
高橋 敦史(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科学)
【目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)において,近年レジスタンス運動の効果が報告され注目されている.今回,NAFLD患者でのレジスタンス運動効果の検証を目的とした.【方法】NAFLD患者28名(男8,女20,平均年齢56.7歳,平均BMI28.3)を対象とし,レジスタンス運動を毎週3回実施.運動はスクワットとプッシュアップの2種類.1セットは各運動10回ずつで合計3セットを1回とし,休憩...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の治療に向けた最適な運動療法の探索
呉 世昶(筑波大学体育系スポーツ医学)
【目的】NAFLDにおける運動療法は積極的に展開されておらず,また,現時点で,NAFLDに有用な運動療法の手法も確立されていない.米国スポーツ医学会ガイドラインでは肥満者の減量のために,週250分以上の中高強度の身体活動(MVPA)を推奨している.本研究では,NAFLDを有する日本人肥満者を対象に減量プログラムを実施し,MVPAの観点より,肥満とNAFLDの病態改善について検討した.【方法】減量教...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

カロテノイドによる自然免疫への作用とNASHの進展抑止
太田 嗣人(金沢大学脳・肝インターフェースメディシン研究センター)
【目的】肥満症や2型糖尿病に高頻度に合併するNASHは異所性脂肪蓄積やインスリン抵抗性を共通の病態基盤とする.しかし近年のRCTの成績では,インスリン抵抗性改善薬でさえ抗酸化剤に比べてNASHへの有効性は乏しい.一方,果物や野菜に豊富に含まれ,生体内血中濃度の高い主要なカロテノイドのうち,β-クリプトキサンチン(CX)はその血中濃度と肝疾患及びインスリン抵抗性の発症リスクと負の相関を示すことが近年...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

NASHおよびNASH発癌における腸内細菌の役割
三浦 光一(秋田大学消化器内科)
【目的】メタボリック症候群では腸内細菌叢に変化を生じ,それらに由来する有害および有益物質のバランスが崩れるとされる.一方,NASHでも腸内細菌叢が肝障害を助長するとされているが,詳細な解析はまだない.さらに,肝障害が腸内細菌叢に与える影響は不明である.今回は,NASHおよびNASH発癌において,まず肝障害における腸内細菌叢を検討し,次に腸内細菌叢への介入がそれら病態を改善するか検討した.【方法】N...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

肥満に伴う非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の発症における脾臓由来IL-10の役割
所 征範(大分大学消化器内科)
【目的】非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は,メタボリックシンドロームの肝臓における表現型と考えられているが,発症のメカニズムは十分に解明されていない.これまで我々は,肥満により脾臓からのIL-10合成能が低下していることを明らかにした.今回,肥満による肝臓内の脂肪蓄積や慢性炎症における,脾臓由来IL-10の役割について検討する.【方法】1)食餌誘導性肥満モデルマウスと通常マウス間で,末梢血中...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

メタボリックシンドロームモデルKK-Ayマウスにおけるアミノ酸による免疫代謝調節
池嶋 健一(順天堂大学消化器内科)
【背景】メタボリックシンドローム(MetS)に伴うNASHに対する薬物治療は未だ確立していない.私たちはアミノ酸のグリシンがMetSモデルKK-Ayマウスの脂肪性肝炎発症・進展を抑制することを見出し,その背景に肝マクロファージ(Kupffer細胞)活性化抑制を主体とした肝内免疫調節作用が関与していることを明らかにしてきた.そこで今回は本モデルにおけるグリシンの耐糖能異常に対す...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

NAFLD進展および発癌におけるCCAAT/enhancer-binding protein homologous protein(CHOP)の関与
鳥口 寛(京都大学肝胆膵・移植外科)
【目的】脂肪肝から脂肪性肝炎,肝硬変,肝癌へと進展する機序は未だ明らかでないことから,小胞体ストレス応答性アポトーシス誘導因子であるCCAAT/enhancer-binding protein homologous protein(CHOP)のNAFLD進展における関与を検討した.【方法】CHOP knock out(KO)マウスを用い,methionine-choline deficient(M...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

NASH/NAFLDモデルマウスの発癌過程におけるDNA酸化損傷とエピゲノム変異の誘導
西田 直生志(近畿大学医学部消化器内科)
【目的】本研究では,NASH/NAFLDモデルマウスを用いて,発癌過程での肝組織における酸化損傷を解析し,さらにDNA酸化損傷がエピゲノム変異を誘導しうるかを検討した.【方法】(1)FLSマウスを用い,肝組織および発生した肝癌組織の酸化ストレスによる損傷を,8-OHdG,HNE,チオレドキシン(Trx)染色で評価した.(2)HepG2及び胎児由来肝細胞(Hc細胞)をH2O 第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩

NASHに対する肝移植成績と問題点
調 憲(九州大学消化器・総合外科)
【はじめに】NASHは米国の肝移植の原因疾患として急増し,第4位となった.今後我が国においてもNASHにより肝不全に至る症例が増加することが予測される.NASHに対する肝移植の問題点としてhigh BMI症例の周術期管理,移植後NASHの再発,移植後の心血管系のイベントなどがあげられる.そこでNASHに対する肝移植の成績と問題点を明らかにする目的で以下の検討を行った.【対象】2012年末までの成人...

第100回日本消化器病学会総会NAFLD/NASHにおける新知見と治療法の進歩