- 肝細胞癌の診断および治療の工夫
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熊田 卓(大垣市民病院・消化器内科)
肝細胞癌(HCC)の診断・治療の進歩は一時の停滞期を乗り越え新たな段階を迎えている。診断では肝特異性造影剤の出現により組織診断としての前癌病変である異型結節を多くの症例で早期肝細胞癌から鑑別できるようになった。一方、治療では局所療法の確立、分子標的治療薬の出現に加え併存肝病変のコントロールができるようになり、21世紀を迎えHCCの予後は着実に改善している。診断の分野では従来の血流画像に加え、肝細胞...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- 慢性肝疾患においてEOB-MRI肝細胞相にみられる低信号乏血性結節の多血化と増大速度について
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岡田 真広(近畿大・放射線診断学)
【目的】慢性肝疾患においてEOB‐MRI肝細胞相でしばしば低信号の乏血性結節が検出される。このような結節の多血化率、増大速度について検討した。【方法】EOB-MRI肝細胞相で円形の低信号を呈する乏血性結節で,未生検にて2回以上EOB-MRIで経過を追えた慢性肝疾患68例160結節を対象とした。肝細胞相は20分後の脂肪抑制併用3D-T1強調Gradient Echo画像で撮像した。EOB-MRI、造...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- EOB-MRI肝細胞相で低信号を呈する乏血性結節の治療方針
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小松 信俊(山梨大附属病院・消化器内科(1内科))
【背景・目的】病理組織を用いたこれまでの検討でEOB-MRI肝細胞相で低信号を示す乏血性結節の約90%が肝細胞癌であった。このような結節に関して腫瘍の多血化に着目して検討を行った。【対象・方法】2008年1月~2010年11月に3ヶ月以上の間隔をおいてEOB-MRI肝細胞相で低信号を呈し、動脈相や後期相で腫瘍が認識できない194結節(72症例)を対象とした。経過中に2mm以上結節径が増大した結節を...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- Gd-EOB-DTPA造影MRI検査を用いた肝細胞癌の診断
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斎藤 聡(虎の門病院・肝臓センター)
【目的】肝癌診療ガイドライン2009年度版では肝癌のサーベイランスとして腫瘍マーカーと超音波検査にてスクリーニングを行い、新規結節が描出された場合にはダイナミックCT・MRIで多血性肝細胞癌の診断を行い治療へと進む、もしくは非多血性では腫瘍生検等で確定診断を行うように推奨されている。多血性肝細胞癌の診断のみならず、早期肝細胞癌の診断に有用なGd-EOB-DTPA造影MRI(EOB-MRI)はガイド...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- 肝細胞癌局所治療術前検査としてCTHA/CTAPを施行することが無再発生存期間を延長するかどうかのランダム化比較試験
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建石 良介(東京大附属病院・消化器内科)
【目的】ラジオ波焼灼療法(RFA)の適応と判断された古典的肝細胞癌(HCC)症例に対して、術前検査としてCTHA/CTAPを行うことが有用であるかどうか検討する。【方法】ダイナミックCT(d-CT)で2004年9月から 2009年2月までに、最大径3.0cm以下、または3個以内のHCCと診断されたChild-Pugh Aの患者を登録した。対象患者は、外来診察時に術前CTHA/CTAPを施行群(A群...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- early HCCの画像診断と治療後の予後
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安井 豊(武蔵野赤十字病院・消化器科)
【目的】International Consensus Group for Hepatocellular Neoplasia(ICGHN)によりearly HCCの診断基準が提示され、この概念に含まれる肝癌の早期診断がEOB-MRIを含めた総合画像診断により可能となってきている。今回我々はearly HCCの画像診断・治療後経過について検討した。【方法】2008年3月から2011年3月に腫瘍生検で...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- 肝細胞癌に対する術中造影超音波の有用性の検討および4D超音波の手術への応用
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佐藤 公太(東京医歯大・肝胆膵・総合外科)
【目的】当科で肝切除の際に施行する造影超音波の有用性を検証するため、肝細胞癌(HCC)に対する術前血管造影CTと術中造影超音波における検出能、診断能及び診断精度を比較検討した。また、現在開発中の術中4D超音波の有用性についても併せて報告する。【方法】2007年8月から2008年12月までのHCC切除症例中、術前血管造影CTと術中造影超音波を施行した52症例を対象とし、術中造影超音波の有用性を検討し...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- 造影超音波による簡便な分子標的治療薬効果判定法の試み
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田中 弘教(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科), 兵庫医大超音波センタ-)
【目的】進行肝癌に対する分子標的治療薬には有効性の一方で、早期効果判定法の確立が緊喫の課題である。分子標的治療薬有効例では治療早期より腫瘍血流変化を認める症例の存在が知られてり、高い空間および時間分解能で腫瘍血流評価が可能な造影超音波検査(CEUS)には期待が持たれるが、煩雑な印象より敬遠されることが多い。今回我々は臨床で導入しやすい造影超音波での治療効果判定法とその意義を検討した。【方法】当院で...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- 肝表面に位置する肝細胞癌に対するヒアルロン酸ナトリウムの肝表面局注・留置によるラジオ波焼灼療法
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豊田 秀徳(大垣市民病院・消化器内科)
【目的】肝表面に位置する肝細胞癌(HCC)に対し経皮的にラジオ波焼灼療法(RFA)を施行する場合、焼灼範囲が腹膜・腹壁におよぶ可能性があり従来は人工腹水法や腹腔鏡下RFAなどの方法がとられてきた。われわれはヒアルロン酸ナトリウム(以下ヒアルロン酸)を病変部の肝表面に局注することにより病変部位と腹壁の距離を維持しつつ経皮的RFAを試み、良好な治療成績を得たので報告する。【方法】腹腔内へのヒアルロン酸...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- 肝障害度B,C肝癌症例に対する腹腔鏡下肝切除の検討
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岡田 克也(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科)
【目的】高度肝障害症例に対する肝切除術では、その手術侵襲により、しばしば術後肝機能が悪化し、生命予後へ重大な影響を与えることがある。一般的に肝切除術は、小さい病変であっても比較的大きな開腹、肝の授動、肝阻血などが必要であり、肝機能を含めた全身状態へ悪影響を与える。我々は、肝障害を有する肝癌症例に対し、積極的に腹腔鏡下手術を導入し、良好な成績を得ている。今回は、高度肝障害を有する肝癌症例に対する腹腔...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- 肝細胞癌に対するミリプラチンを用いた肝動脈化学塞栓療法の有効性と安全性
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近山 琢(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科)
【目的】肝細胞癌に対する肝動注用製剤であるミリプラチンを用いた肝動脈化学塞栓療法(TACE)の有用性は確立していない。そこで,当院で同製剤を用いてTACEを施行した症例をもとに,有効性と安全性を検討した.【対象と方法】対象は2010年2月~12月にミリプラチンを用いてTACEを施行した肝細胞癌235例(平均年齢71歳)で,うち70例(30%)は初回治療例であった。肝障害度はChild-Pugh A...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- 切除不能肝細胞癌に対して何をいつ用いるか?
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山中 健也(京都大・肝胆膵・移植外科)
根治的治療が困難な多発肝細胞癌 (HCC) には、一般的に肝動脈塞栓化学療法 (TACE) が適応となる。しかしながら、TACEに併用する化学療法剤として何を用いるかに関して推奨されるものはないとされる。そこで、2003年1月から2008年12月までの5年間のTACE患者940例の内、初回TACE症例131例を対象に、エピルビシン-TACE療法とシスプラチン-TACE療法の奏効率を比較する後ろ向き...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- 3cm超5cm以下の肝細胞癌に対する治療法の検討-TACE後RFA治療の有用性
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篠崎 勇介(千葉大大学院・腫瘍内科学, 鹿島労災病院・消化器科)
【目的】肝癌治療ガイドライン2009の治療アルゴリズムでは、肝障害度AまたはB、腫瘍数3個以内で腫瘍径3cm超の肝細胞癌(HCC)に対する治療法として、切除または肝動脈化学塞栓療法(TACE)が推奨されているが、治療効果を高めるためにさまざまな工夫がされている。今回、3cm超5cm以下のHCCに対するTACE、TACE後RFA、RFAの治療成績を比較検討し、さらに包括払い方式(DPC)環境下におけ...
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肝細胞癌の診断および治療の工夫
- 診断群包括医療制度(DPC)時代の肝細胞癌治療戦略と今後の課題
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石川 達(済生会新潟第二病院・消化器内科)
【目的】診断群包括医療制度(DPC)の導入により、より効率的な治療が望まれている。そのため、各病院ではクリニカルパスの導入や地域医療機関との積極的な病診連携に力を入れはじめている。今回われわれはDPC導入後の肝細胞癌治療対価と出来高算定との対価の差異から効率的な肝細胞癌の治療戦略につき検討したので報告する。【対象と方法】2006年7月よりDPC導入後に肝細胞癌治療目的に内科的治療目的に当科に入院し...
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