- わが国における急性肝不全の成因別実態と治療法の現状
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中山 伸朗(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科)
【目的】わが国の急性肝不全は,B型キャリアと自己免疫性(AIH)の昏睡型に救命例が殆どなく,薬物性と成因不明も亜急性型の救命率が低率である.治療戦略を見直すため,成因別に治療の実態を解析した.【方法】全国調査に登録の2010~11年発症の急性肝不全491例及びLOHF17例を対象とした.【結果】1)副腎皮質ステロイド:昏睡型の投与頻度はAIHが96%と高く,B型急性感染とキャリア(誘...
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 急性肝不全の成因と病態に応じた内科的治療経験
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姜 貞憲(手稲渓仁会病院・消化器病センター)
【目的】急性肝不全(ALF)の成因,病態,治療成績をretrospectiveに検討し新たな治療戦略を展望すること.【方法】99年4月から13年3月までに診療した,ALF症例を対象に,1)成因,2)病態,3) 内科的治療内容と肝移植を含む治療成績を検討した.【成績】)1)過去15年間に診療したALFは,103例(男51女52例,年齢中央値49[16-86]歳)で,成因はvirus性48(46.6%...
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 当院における急性肝不全の検討
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町田 展章(板橋中央総合病院・消化器科)
【目的】2011年に厚生労働省より急性肝不全の新たな診断基準が作成されたことを受け,その診断基準に該当する,当院の急性肝不全症例について検討した.【方法】当院において2005年1月1日から2012年12月31日の8年間に,急性肝不全の診断基準を満たした症例の患者背景,成因,治療内容,救命率について検討した.【成績】過去8年間で急性肝不全の診断基準を満たした症例は23例認め,遅発性肝不全は1例認めた...
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 急性肝障害の昏睡発現予知におけるProthrombin index slopeの有用性の検討
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小野寺 美緒(岩手医大・消化器・肝臓内科)
【目的】急性肝障害では,発症早期の予後予測が治療方針を決定する上で重要である.我々はこれまで,北東北の急性肝障害登録・患者搬送システム(登録システム)を構築し,重症化の可能性のある急性肝障害患者を早期に専門施設に搬送し,昏睡発現予防治療を検討してきた.Prothrombin index slope(PTS)は,急性肝不全の発症早期の段階で予後予測・肝移植適応の決定に有用として報告されている新しい係...
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 急性肝不全の新診断基準による早期治療介入と予後改善の可能性
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山岸 由幸(慶應義塾大・消化器内科)
【目的】2011年に厚労省研究班より急性肝不全の新診断基準が発表された.今回,当院急性肝不全症例につき昏睡例(以下昏),非昏睡例(以下非)を含め解析し,新基準に伴う早期治療介入が疾患予後改善に寄与する可能性につき検討した.【方法】2000年以降の新診断基準に合致し解析可能であった急性肝不全87例を対象に病態,治療と転帰を解析した.また特に,予後不良因子の一つとされる肝委縮を伴う症例でのステロイドパ...
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 急性肝不全患者における日和見感染―発生頻度とその予測について―
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新井 誠人(千葉大・消化器内科)
【目的】我々は,急性肝不全治療中に発生した日和見感染例3例を以前報告した(Clin J Gastroenterol 2009).日和見感染の診断や治療は近年飛躍的に向上したが,重篤な感染は肝再生の妨げとなり,肝移植も困難となる.急性肝不全治療時の日和見感染の特徴を明らかにすることを目的とした.【対象】2007年1月から2012年12月までの6年間に入院した劇症肝炎および急性肝炎85例を対象とした....
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 急性肝不全に対する人工肝補助療法Continuous Plasma-Dia Filtrationの有用性
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小村 卓也(金沢大附属病院・集中治療部, 金沢大附属病院・消化器内科)
【背景】急性肝不全に対する人工肝補助療法(ALS)は,肝再生や肝移植までのbridgingとして非常に重要であるが,代表的なALSである血漿交換(PE)だけでなく,多くの症例で血液濾過透析(HDF)が併用されている.我々は第47回日本肝臓学会にて,1本の膜型血漿分離器,エバキュアーEC-2ATM;を持続的に使用するContinuous Plasma-Dia Filtratio...
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 人工肝補助療法と原病治療からみた急性肝不全の病態理解
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井上 和明(昭和大藤が丘病院・消化器内科)
目的
劇症肝炎の治療は人工肝補助と原病治療から成り立つ.前者は患者を覚醒させ肝不全期間を乗り切るのに必須の対症療法である. 我々は1986年より血漿交換に血液濾過透析を併用した人工肝補助を開発し,2004年からより効率の良いonline HDFを併用している. 原病治療としては肝細胞破壊を早期に停止させる目的でステロイドパルスとその漸減シクロスポリンの持続点滴,病態に応じてイン...
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 劇症肝炎に対する肝移植の治療経験
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大野 康成(信州大・消化器外科・移植外科)
【背景】2011年の急性肝不全研究会の集計では急性肝不全の内科的治療による救命率は急性型31.7%,亜急性型19.4%,一方,肝移植での救命率は61.5%と比較的良好である.【対象・治療】劇症肝炎の肝移植適応ガイドラインに基づいて,内科的治療で意識レベルの改善がなく不可逆的な脳障害や真菌感染などの重症感染症のない症例を劇症肝炎に対する肝臓移植の適応としている.肝移植を施行した劇症肝炎27例で背景及...
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 当施設における急性肝不全に対する肝移植治療
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武市 卒之(熊本大附属病院・小児外科・移植外科)
(はじめに)急性肝不全に対する内科的治療成績は,向上しているものの,まだその致命率は高く,肝移植が必要な症例が多い.その一方で,移植に至った場合,ドナー(脳死,生体),レシピエントの予後など問題点も多いのが現状である. (目的)当施設での急性肝不全に対する肝移植の成績を提示し特にその死亡症例につき検討を行った.(対象と方法)2013年2月までに急性肝炎に対して当科で生体肝移植を施行した41例および...
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 成人劇症肝炎に対する血液型不適合肝移植におけるリツキサンの有効性:日本血液型不適合研究会集計より
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江川 裕人(東京女子医大・消化器外科)
血液型不適合移植の成功の鍵は術前リツキサン予防投与によるB細胞脱感作療法であり,慢性肝疾患に対する生体肝移植では移植1週間以上前の投与が一般的である.一方,劇症肝炎では脳死臓器配分において緊急度で最優先されるものの状況によっては不適合生体肝移植による救命が必要となり,決行の判断から実施までの時間は短い.本研究では,成人劇症肝炎不適合肝移植におけるリツキサン投与時期とその有効性を検討した.症例:日本...
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- 急性肝不全における肝細胞死のメカニズムの視点から捉えた類型化と治療応用
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古藤 和浩(九州大・病態制御内科)
【目的】急性肝不全は多様な経過をとり,疾患概念としては症候群とみなされる.肝内網内系の異常活性化が,急性肝不全の発症に関与しているのではないかとの提唱がなされてきたが,その詳細は未解明である.我々は,当科で経験した急性肝不全患者の経過を解析し,肝細胞死のメカニズムの観点から急性肝不全を類型化することを試みた.【方法】対象は,過去10年間に当科に入院した急性肝不全患者のうち,入院時に急性肝不全の基準...
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- 急性肝炎における酸化ストレス度の意義
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遠藤 啓(岩手医大・消化器・肝臓内科)
【目的】これまで我々は,慢性肝疾患では潜在的抗酸化能が低い状態にあることを報告した.急性肝炎の病態進行過程においても,活性酸素種(ROS)が関与している.ROSの攻撃により,抗酸化物質が低下し,エネルギー源も枯渇することにより,肝臓は多大な酸化ストレスを被ることになる.今回我々は,急性肝炎における酸化ストレス度の関与を明らかにするため検討したので報告する.【方法】対象は,2011年4月から2012...
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急性肝不全の予後改善に向けた病態理解と治療の進歩
- 急性肝不全の病態形成におけるGab1の意義:治療標的としての可能性について
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古田 訓丸(大阪大大学院・消化器内科学)
【目的】急性肝不全の原因のうち,アセトアミノフェン (APAP) の過剰服用は先進諸国においてその多くを占める.APAP による肝不全では,酸化ストレスを介した広範な肝細胞壊死とそれに伴う無菌性炎症がその病態形成に深く関与しているが,その制御機構は明らかでない.一方で我々は,これまでアダプター蛋白質 Grb2-associated binder 1 (Gab1) がマウス胚の初期発生及び部分肝切除...
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坪内 博仁(鹿児島市立病院)
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