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検索結果は15件です。

食用油脂と甘味刺激によるglucagon-like peptode-2(GLP-2) 分泌の制御について
佐藤 伸悟(防衛医大・2内科)
<目的>Glucagon-like peptide-2 (GLP-2)は腸管粘膜の増殖作用を持つproglucagon由来のペプチドで, 近年, 機能不全を来たした腸管の再生に極めて有用であることが判明し, リコンビナントペプチドによる短腸症候群への臨床応用が進められている. GLP-2は主に小腸のL細胞より産生され, 管腔内の食物刺激によって増加する事が知られているが, 個々の栄養素についての検...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

NSAIDs起因性小腸粘膜傷害に対する成分栄養剤およびDPPIV選択阻害剤の効果
井上 拓也(大阪医大・2内科)
【目的】NSAIDsは小腸に出血性の粘膜傷害を惹起することが知られている.腸管内栄養素は腸内分泌細胞からGLP-2分泌を刺激し,外因性GLP-2投与が腸粘膜保護作用を示すことが報告されているが,内因性GLP-2の役割については不明な点が多い.GLP-2はDPPIVによって速やかに分解されるため,我々はDPPIV阻害剤と成分栄養剤の併用が腸粘膜傷害に与える影響についてインドメタシン誘発小腸粘膜傷害モ...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

脂肪の摂取による腸管肥満細胞の活性化
坂田 資尚(佐賀大・消化器内科, University of Cincinnati)
【背景】軽微な慢性炎症が循環器疾患や糖尿病など様々な病気の基盤病態として捉えられるようになり,その制御が望まれている.しかしながら,慢性炎症の成り立ちは複雑で,多様な細胞が関与していると考えられている.以前我々は,腸間膜リンパ瘻ラットを用いて,脂肪の摂取が腸管粘膜型肥満細胞を活性化し,ヒスタミンやrat mucosal mast cell protease-2(RMCP-2)などの化学伝達物質を遊...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

ストレスによる老齢動物の摂食低下には5-HT2C受容体の機能亢進が関与する
大西 俊介(北海道大・消化器内科)
【目的】高齢消化器病者ではしばしば栄養不良が認められるが,その最大の要因は食欲不振である.以前われわれは,老齢動物の摂食低下には,グレリン分泌異常とグレリン感受性の低下が関与することを報告した(Endocrinology 2010).しかしながら,高齢者における食欲不振の原因は複雑であり,環境変化によるストレスの関与も考えられる.今回我々は,高齢動物をもちいて新奇環境ストレス負荷による摂食行動の変...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

絶食-再摂食に対する大腸の応答と発癌への影響
土肥 多惠子(国立国際医療研究センター研究所・肝炎・免疫研究センター消化器疾患研究部)
食物摂取の状態は,消化管粘膜の形態や機能を大きく変動させる.例えば絶食中は小腸の絨毛が萎縮し粘膜は菲薄となり,消化管も短くなるが,再摂食刺激により,粘膜は急速に肥厚し,形態と消化吸収能が回復する.大腸では小腸ほどの目に見える変化が乏しく,絶食―再摂食応答に関する知見は多くなかった.しかし,現在非常に増加している大腸疾患は,食習慣や腸内細菌叢のタイプに影響を受けることが知られている.そこで我々は,大...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

脂肪組織と食道扁平上皮癌の細胞生物学的相関
中山 敦史(佐賀大・内科, 佐賀大・病因病態科学)
【目的】近年,脂肪組織の増加を基盤とした肥満と癌との関連が疫学的に示唆されており,脂肪組織が癌細胞の細胞動態に活発に影響していると推測される.脂肪組織が食道扁平上皮癌細胞に与える影響は不明であるため,我々が開発した脂肪組織の器官培養系を用いて,食道扁平上皮癌細胞と脂肪組織の相互作用を検討したので報告する.【方法】材料は食道扁平上皮癌細胞株(EC-GI-10: 高分化型,TE-9: 低分化型),生後...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

レプチンは腫瘍に発現するレセプターを介して大腸腫瘍の増殖を促進する
日暮 琢磨(横浜市立大・消化器内科)
【緒言】近年,高脂肪食・過栄養やそれに伴う肥満状態が大腸発癌を促進するといった疫学や動物研究が数多く報告されているが,メカニズムはまだ不明な点が多い.脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの一つであるレプチンは,摂食により増加し,脳下垂体にある満腹中枢を刺激し,食欲・代謝をコントロールする.肥満状態ではレプチンは常に高値となる.レプチンレセプター(ObR)は小腸上皮には発現しているが大腸上皮に...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

INSL5は大腸内分泌細胞の特徴的なマーカーであり,直腸神経内分泌腫瘍の発症に関与している可能性がある.
真嶋 浩聡(秋田大大学院・消化器内科学)
【目的】Insulin-like peptide 5 (INSL5)は1999年に報告されたInsulin/Relaxinファミリーに属する新しい蛋白である.最近,INSL5がインスリン分泌等に影響を及ぼしていることが示されたが,消化管における機能は明らかではない.【方法】INSL5の消化管における役割を検討するために,1.INSL5及びその受容体RXFP4の発現・分布,2.腸管内分泌細胞マーカー...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

GLP-1分泌メカニズムに着目した糖尿病・NASHに対するDuodenal-jejunal bypassの有効性
柏原 秀也(徳島大・消化器・移植外科)
【背景】我々はこれまでにSD ratを用いてDuodenal-Jejunal bypass (DJB) の糖尿病改善効果は回腸の胆汁酸吸収増加がL細胞を増加させGLP-1分泌を上昇させることによると発表した.近年ではGLP-1がNASH改善効果を有するとの報告や腸内細菌叢microbiotaがGLP-1分泌,NASH改善に寄与しているとの報告もある.今回DJBがmicrobiotaを変化させ,胆汁...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

脂質異常症と脂肪肝の共存におけるapoBの役割と脂肪酸による分泌制御
太田 嗣人(金沢大・脳・肝インターフェースメディシン研究センター)
【目的】肥満症や糖尿病の肝臓では,VLDL産生が亢進しTGに富むリポ蛋白(TG rich lipoproteins, TRLPs)の血中への分泌が過剰となり,動脈硬化惹起性リポ蛋白異常が生じる.しかし一方では,TGが蓄積し脂肪肝となる.すなわち,インスリン抵抗性では高TG血症と脂肪肝が共存する.この様な全身と肝臓の脂質代謝異常の制御おいて,肝臓から分泌されるapolipoprotein B100 ...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

メタボローム・トランスクリプトーム統合的解析によるC型肝炎肝脂肪蓄積の機構解明
杉山 和夫(慶應義塾大・慢性肝疾患治療学)
【目的】肝臓は代謝ネットワークの中心臓器であり,肝細胞代謝を包括的に理解することは重要である.C型慢性肝炎ではC型肝炎ウイルス(HCV)の持続感染により肝脂肪滴蓄積や耐糖能異常を来す.近年,我々は脂肪滴蓄積を伴うHCV持続感染培養肝細胞(HPI細胞)を樹立した.今回,HPI細胞を用いてメタボロームとトランスクリプトームとの統合的解析を用いてC型肝炎肝脂肪蓄積における肝代謝異常を包括的に分析した.<...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

NAFLD/NASHにおける高インスリン血症は肝炎症と相関している
榎奥 健一郎(東京大大学院・消化器内科学)
【目的】NAFLD/NASHに好発する高インスリン血症および各種臨床パラメータと肝病理所見の関連を明らかにする事.【方法】2011年11月~2013年2月の期間に肝生検を行ったNAFLD患者の内,インスリンも経口糖尿病薬も投与されていない患者のみを対象とした.肝生検の適応は,以下の通り:1-A)Fibroscan 7.0kPa以上,1-B)直近の6ヶ月間ASTかALTが正常上限以上,2)腹部超音波...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

肝弾性度からみた肝硬変症の栄養管理
関本 匡(千葉大・消化器内科)
【目的】肝弾性度は慢性肝疾患のマネージメントに広く活用されている.今回,Fibroscan®(Echosens,Paris,France)で得られた肝弾性度と栄養状態の関連を肝硬変例において検討し,肝弾性度を応用した新たな栄養管理を提案した.【方法】IRB承認臨床試験として肝弾性度測定(Fibroscan502,2010年6月~2012年5月)が施行された540例中,Fibroscanにて...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

ビタミンDは膵星細胞をターゲットとして膵線維化を抑制する
正宗 淳(東北大・消化器病態学)
【目的】ビタミンの吸収代謝は生体の恒常性維持に重要である.消化管からのビタミンD (VitD)の吸収低下や活性化VitDへの変換低下は,容易にVitD欠乏症をおこす.VitDは核内受容体であるVitD受容体(VDR)を介して,カルシウム代謝をはじめ多彩な細胞機能調節に関与する.これまでにVitDが膵癌リスクを低減させる可能性が報告されているが,その機序は明らかではない.膵線維化は膵癌の特徴的病理所...

第55回日本消化器病学会大会消化器疾患と栄養代謝ネットワーク-基礎から臨床まで-

膵全摘術後患者における消化酵素剤による栄養管理
久野 晃聖(国立九州がんセンター・消化器内科)
【目的】膵全摘術後は膵内外分泌能が欠落するため,糖代謝障害,消化吸収障害が必発し,消化酵素剤とインスリンの使用による,厳格な栄養管理を行わなければならない.膵外分泌能欠落による消化吸収障害に対してパンクレアチン成分を含有している消化酵素剤が用いられてきたが,国内で使用されていた消化酵素薬の力価は低く,常用量の3~12倍程度が必要であると報告され,大量服用が行われてきたが,患者の服薬アドヒアランスに...

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