セッション

検索結果は15件です。

司会の言葉
白鳥 敬子(東京女子医科大学消化器内科)
 自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis;AIP)は国際的には,IgG4関連疾患である 1 型AIPと好中球上皮病変を特徴とする 2 型AIPに分類され,わが国では両型の鑑別可能な国際コンセンサス診断基準(international consensus for diagnostic criteria:ICDC)と 1 型AIPを対象とした「自己免疫性膵炎臨床診断基準2011...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

自己免疫性膵炎の概念,診断,治療のUpdate
神澤 輝実(東京都立駒込病院内科)
本邦における自己免疫性膵炎は,血中IgG4値の上昇と,膵臓における著明なリンパ球とIgG4陽性形質細胞の浸潤および線維化(LPSP)を特徴とし,IgG4関連疾患の膵病変と考えられている.高齢の男性に好発し,閉塞性黄疸で発症することが多く,しばしば他のIgG4関連疾患を合併する.欧米の自己免疫性膵炎では,膵管上皮内へ好中球の浸潤を特徴とするidiopathic duct-centric chroni...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

自己免疫性膵炎の疫学調査
菅野 敦(東北大学消化器内科)
(はじめに)自己免疫性膵炎(Autoimmune pancreatitis:AIP)は,疫学,病態,治療法など,その実態についてはいまだ不明な点が多い.過去2回,厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班により,全国疫学調査が行われた.その後,AIPの国際コンセンサス診断基準(International Consensus Diagnostic Criteria,ICDC)が制定され,さらに,ICD...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

自己免疫性膵炎の各種診断基準の評価に基づく診断アルゴリズムの提案
内田 一茂(関西医科大学内科学第三講座)
【目的】自己免疫性膵炎(AIP)は,国際コンセンサス診断基準(ICDC)によってtype1とtype2の2種類に分類された.また日本の診断基準としてICDCを基にしてtype1に主眼をおいた臨床診断基準2011に改訂された.しかし未だsegmental/focal typeのAIPは膵癌との鑑別に苦慮することがある.そこで今回我々はそれぞれの診断基準について診断能を比較検討するとともに,AIPの診...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

1型自己免疫性膵炎診断における生検の有用性―全身8臓器からの生検組織での比較検討―
内藤 格(名古屋市立大学消化器・代謝内科学)
【目的】1型自己免疫性膵炎(AIP)は全身性のIgG4関連疾患(IgG4-RD)であり,全身諸臓器からの生検診断が報告されているがその診断能は様々である.またIgG4-RDの病理診断基準では強拡大(HPF)3視野でのIgG4陽性細胞数,IgG4/IgG陽性細胞比が必要とされているが,生検による診断は困難であることが多い.今回我々はAIP8臓器からの生検診断能および診断方法につき検討を行った.【方法...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

自己免疫性膵炎診断におけるEUS-FNAの有用性
奥野 充(岐阜大学第一内科)
自己免疫性膵炎(AIP)診断における膵病変の組織学的検討は,癌との鑑別・病因診断のために重要である.EUS-FNAでは安全かつ効率的な検体採取が可能であり,癌との鑑別における有用性は既に認識されているが,FNA検体においてAIPを組織学的に診断する上での検討はあまりなされていない.【目的】AIP診断における大口径針(19G針)を用いたEUS-FNAの組織学的診断能について検討した.【方法】2003...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

高IgE血症を伴う自己免疫性膵炎の臨床的検討
牛島 知之(久留米大学消化器内科)
【目的】自己免疫性膵炎(AIP)において高IgE血症,好酸球増加を伴う症例が散見され,AIPの病態にアレルギーの関与も疑われる.当科で経験した高IgE血症を伴うAIPの臨床像を検討し,その臨床的意義を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】2000年9月から2013年8月までに当科で診断したAIP 53例中,診断時に血清中IgEが測定された37例を対象とし,以下の項目,1)高IgE群(>170...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

1型と2型自己免疫性膵炎の画像所見の検討
植木 敏晴(福岡大学筑紫病院消化器内科)
【目的】自己免疫性膵炎(AIP)の国際分類(ICDC)では,1型と2型が提唱されているが,それぞれの画像所見を詳細に検討した報告は少ない.そこで1型と2型AIPの画像所見が異なるか否かを明らかにすることを目的とした.【方法】当科で経験した1型AIP 16例(1型)と2型AIP(2型)17例(炎症性腸疾患合併12例)を対象とした.AIPの診断は,ICDC(definite or probable)に...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

ICDCにおける2型AIPおよびAIP-not otherwise specified(AIP-NOS)の実態
水野 伸匡(愛知県がんセンター中央病院消化器内科)
【目的】ICDCの特徴は,病理像のみで診断可能,欧米に比較し日本では極めて稀とされる2型AIP(2型)の診断が可能,および画像および膵管像の典型所見とステロイドに対する反応性(Rt)のみの症例をAIP-NOS(以下NOS)として新たなカテゴリーに分類した点である.本研究では2型およびNOSの実態を明らかにすることを目的とした.【方法】1997年から2012年までにAIPが疑われ,膵癌が否定された5...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

自己免疫性膵炎ステロイド治療における維持療法と再燃に関する検討
宮澤 正樹(金沢大学消化器内科)
【目的】自己免疫性膵炎ステロイド治療において,寛解導入療法に関しては一定のコンセンサスが得られているが,維持療法に関しては維持量および維持期間,再燃予測因子,中止可能症例など不明な点も多い.今回,自己免疫性膵炎のステロイド維持療法と再燃の現状を明らかにし,上記について検討した.【対象と方法】1995年から2013年までに当科および関連施設で自己免疫性膵炎と診断され,ステロイド投与にて寛解が得られた...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

無黄疸の自己免疫性膵炎に対するステロイド治療導入の妥当性に関する検討
平野 賢二(東京大学消化器内科)
【背景と目的】自己免疫性(AIP)診療ガイドラインによれば,ステロイド治療の適応は原則として有症状例とされているが,無症状なら治療しなくてよいというエビデンスは乏しいものと思われる.AIPの臨床症状の中で最も多くかつ問題になるのは閉塞性黄疸であり,今回の検討では無黄疸症例において診断と同時にステロイド治療を開始した群と経過観察された群の再燃率を比較することで,無黄疸例の経過観察が妥当か否かを明らか...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

自己免疫性膵炎におけるステロイド長期投与量と再燃について
田原 純子(東京女子医科大学消化器内科)
【背景】自己免疫性膵炎(AIP)はステロイド(PSL)治療が奏功するが,PSLの減量や中止による再燃例が認められ,PSL中止に対する明確な指標がない一方,PSLの長期投与による合併症が懸念されている.【目的】2000年4月から2013年7月までにI型AIPと診断しPSL投与を行った36例について,再燃の有無,総PSL投与量と投与期間,将来的に予測されるPSL投与量について検討を行った.【方法】初回...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

ステロイド治療が自己免疫性膵炎の予後に与える影響
塩見 英之(神戸大学医学部附属病院消化器内科)
[背景・目的]自己免疫性膵炎のステロイド治療は短期的には高い奏功率が得られ,多くの施設で施行されている.ステロイド治療により膵内外分泌機能の改善が得られるとする報告がある一方で,ステロイド治療後に糖尿病が発生したとの報告もあり,ステロイド治療が自己免疫性膵炎の予後を改善するかどうかは一定の見解を得ていない.今回,膵萎縮の有無が予後に影響するかを検討した.[対象]2005年12月から2013年6月の...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

自己免疫性膵炎の新たな病態と概念―膵石形成と慢性膵炎への移行―
丸山 真弘(信州大学消化器内科)
【目的】急性期の病態として捉えられていた自己免疫性膵炎(以下AIP)が長期経過で膵石灰化をきたし,通常の慢性膵炎と同様の病態に移行しうることが明らかになってきた.今回の目的は,長期経過における膵石形成および慢性膵炎移行の病態を検討し,慢性期AIPの問題点を明らかにすることである.【方法】1)当科で診断・治療されたtype 1 AIP患者93例中,3年以上経過を追えた69例を対象に,膵石形成群と非形...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―

自己免疫性膵胆道疾患における治療法別の長期予後:再発と癌との関係
窪田 賢輔(横浜市立大学附属病院消化器内科)
【背景】自己免疫性膵炎(AIP),IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)の標準治療はステロイド投与(CST)であるが,診断困難であり切除例,ドレナージ施行例および経過観察例も存在する.これら治療法別の長期予後については明らかでない.【目的】治療法別の再燃について検討し,癌との関連を報告する.【方法】2011の診断基準で準確診以上のAIP,IgG4-SC122例の初回治療について,CST導入群(...

第100回日本消化器病学会総会AIP―概念,診断,治療のUpdate―