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司会の言葉
 
 以前から遺伝子多型,特にsingle nucleotide polymorphism(SNP)とヒトの形質,すなわち疾患感受性や治療効果との関連解析が行われてきた.近年genome wide association study(GWAS)により,疾患や薬物感受性に関連する遺伝子が多数明らかにされてきた.消化器領域においても状況は同様でありGWASにより複数の遺伝子及びその多型が同定された.これら...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

クローン病においてCRP値に影響を与える遺伝子多型とその臨床的意義
遠藤 克哉(東北大学消化器病態学分野)
【背景・目的】CRP(C-reactive protein)値は炎症性疾患の病勢マーカーとして頻用される.しかし,海外の報告では,CRP遺伝子多型はCRP値に影響を与えるとされ,本邦でも近年,CRP値に影響を与える遺伝子多型(IL-6遺伝子多型,CRP遺伝子多型,HNF1A遺伝子多型)がGWASにより同定された.炎症性腸疾患であるクローン病(CD)でも,遺伝子多型によりCRP値と病勢に乖離が生じる...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

炎症性腸疾患患者におけるチオプリン高感受性遺伝子の検討
伴 宏充(滋賀医科大学消化器内科)
【目的】難治性炎症性腸疾患の寛解維持目的に免疫調節剤(AZA/6-MP)の投与機会が増えているが,日本人ではこの薬剤に対する感受性が高く欧米人に比べて少量の投与が推奨されている.しかし,日本人におけるチオプリン高感受性と関連した遺伝的背景因子は明らかにされていない.2008年に細胞膜に存在する薬物トランスポーターMRP4が,6-MP/6-TGNの細胞内から細胞外への能動輸送に係わり,MRP4 G2...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

Allele解析をもとにしたSLC38A9の遺伝子多型と炎症性腸疾患の治療におけるazathioprineの薬物代謝に関する検討
内山 和彦(京都府立医科大学消化器内科)
【目的】近年,炎症性腸疾患の治療において,免疫調節剤による病勢コントロールは非常に重要な役割を担っている.しかし,その有効性と安全性には薬剤代謝酵素の遺伝子発現による個人差があるのも事実である.今回,当院におけるazathioprineの使用経験,およびその代謝産物である血中6-TGN濃度測定結果を元に,azathioprineの有用性と安全性を検討した.【方法】現在当院に通院加療中の潰瘍性大腸炎...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

機能性ディスペプシアと遺伝子多型
有沢 富康(金沢医科大学消化器内科学)
【はじめに】機能性ディスペプシア(FD)は,人口の15~20%が有しているcommon diseaseであり,また発症の要因が非常に多岐にわたるためgenome-wideな研究には不向きと考えられる.それゆえ,我々はこれまでCandidateとなりうる多くの遺伝子多型のFDに対する関与につき検討してきた.そこから見えてくるFD像につき報告する.【対象】FD患者約250~350例,非FD者約200~...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

網羅的SNP解析による低用量アスピリン内服患者の小腸出血関連SNPsの検討
村尾 高久(川崎医科大学消化管内科学)
【目的】低用量腸溶剤アスピリン(LDA)による小腸出血関連因子を同定する目的で,長期LDA内服患者を対象に,網羅的SNP解析結果に基づき症例対象研究を行った.【対象および方法】貧血あるいは出血を伴いカプセル内視鏡で小腸粘膜傷害を来したLDA内服17例と出血リスク因子および性別・年齢をマッチさせたLDA内服対照群18例の血液よりDNAを抽出した.薬物代謝・トランスポーター遺伝子解析用マイクロアレイ(...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

NSAIDs起因性小腸傷害関連遺伝子多型の模索
藤森 俊二(日本医科大学消化器内科)
【背景・目的】健常人ボランティアに非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を投与した2つの試験(GIE 2009;69:1339-46, JG 2011;46:57-64)で,NSAIDs起因性小腸傷害には個体差が認められた.近年のNSAIDs起因性上部消化管傷害を主とした検討でNSAIDs代謝酵素であるCYP2C9,CYP3A4やCOX-1の遺伝子多型が個体差に関与するとの報告がある.現在調べられ...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

次世代シークエンサーを用いた全エクソーム解析による膵炎関連遺伝子の検討
粂 潔(東北大学消化器内科)
【目的】膵炎に関連する遺伝子変異として,これまでトリプシンとその阻害蛋白に焦点が当てられいくつかの遺伝子異常が報告されているが,病態の全容はいまだ解明されていない.次世代シークエンサーは,従来のキャピラリーシークエンサー数百台分のデータ生産量を1台で賄えるとされる.蛋白質を符号化しているmRNAの翻訳領域,すなわちエクソーム領域の総和は約32Mbであり,ゲノムの1.5%を占める.エクソーム領域の異...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

IL28B遺伝子一塩基多型はHCV高感染地区におけるHCV感染者の自然排除とコア抗原量に関連する
小田 耕平(鹿児島大学消化器疾患生活習慣病学)
【目的】IL28B遺伝子の一塩基多型(SNP)はC型慢性肝炎患者に対するIFN治療効果に関連しているだけでなく,HCVの急性感染後の自然排除にも関連することが報告されている.しかし,IL28BのSNPが日本のHCV高感染地区におけるHCV感染者の自然経過にどのように影響するかは,十分明らかにされていない.今回,IL28B SNPのHCV自然排除,生化学検査値及び予後に与える影響について検討した.<...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

C型慢性肝炎の治療とIL28BおよびITPA geneの遺伝子多型の関係
鈴木 文孝(虎の門病院肝臓センター)
【目的】C型慢性肝炎に対する治療は,Telaprevir(TVR)とPeginterferon(PEG),Ribavirin(RBV)併用療法が現在最も効果のある治療である.治療の効果や副作用に関係するIL28BとITPA geneの遺伝子を検討した.【方法】PEG/RBV/TVR治療;対象は,Genotype 1型,高ウイルス量症例で第III相治験にて治療を行った61例(Group A)と製造販...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

C型慢性肝炎の病態における肝脂肪化とPNPLA3,およびIL28B遺伝子多型の意義の検討
前川 伸哉(山梨大学第一内科)
【目的】C型慢性肝炎において,肝脂肪化は病態を修飾する重要な因子と考えられる.インターフェロン治療効果と関連する多型として見出されたIL28Bは最近肝脂肪化とも関連することが報告され,一方でNASHとの相関が報告されているPNPLA3もC型肝炎の病態に関与する可能性が示されつつある.本研究ではPNPLA3,IL28B,さらに肝脂肪化との関連が報告されているHCVコア遺伝子の多型とC型慢性肝炎の病態...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

高齢女性C型慢性肝疾患における肝病態促進に関与する遺伝子多型解析とその有効性
是永 匡紹(国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター)
【目的】C型慢性肝疾患に対するIFN感受性を決定するIL28Bの遺伝子多型(SNPs)が発見されIFN治療予測因子として広く診療に用いられている.一方,肝線維化・肝発がんに関与するSNPsも複数,報告されているが,その臨床的な有効性は明らかではない.今回われわれは,肝病態促進に関与する環境因子を除くことで,既報のSNPsが肝線維化進行・発がんを予測しウイルス排除適応者を絞り込めるか否か明らかにする...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

肝線維化関連遺伝子多型とC型慢性肝炎進展との関連
岡本 欣也(鳥取大学医学部第二内科)
【目的】慢性肝疾患の進展速度は患者間で大きく異なっており,病因のみならず宿主側因子の関与も示唆されている.近年,遺伝子多型と様々な疾患との関連が指摘されている.今回我々は肝線維化関連サイトカイン及びマトリックス代謝関連因子の機能的遺伝子多型とC型慢性肝肝炎進展との関連について検討した.【方法】C型慢性肝疾患患者183例(慢性肝炎:CH 93例,肝硬変:LC 90例)を対象とし,機能的遺伝子多型TG...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

DEPDC5遺伝子多型のHCV感染に起因する肝癌発症リスクの評価
越智 秀典(広島大学消化器・代謝内科, 理化学研究所横浜研究所ゲノム医科学研究センター)
【目的】近年ゲノムワイド関連解析(GWAS)によって各種消化器疾患の病態と関連する候補遺伝子・SNPが報告されてきている.我々もGWASを用いてHCV感染に起因する肝癌の発症に関連する遺伝子多型としてDEPDC5遺伝子多型を同定報告した(Nat Genet 2011).今回我々は肝癌発症リスクについてDEPDC5及び種々の因子を比較検討した.【方法】(1)C型慢性肝炎(HC)症例4557例(発癌例...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

エストロゲン受容体α遺伝子(ESR1)のSNPsはNAFLD病態進展に関与する
小川 祐二(横浜市立大学消化器内科)
【目的】非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は性差及び女性の閉経前後で発症率に差を認めることが知られており,エストロゲン作用が関わると考えられる.NASH発症には肝内の炎症が深く関与することが知られているが,エストロゲンもまた全身の炎症と関連があるとされている.我々はこれまでの報告で,肥満に伴う脂肪肝ではレプチンの影響によりクッパー細胞のCD14を活性化することで低用量LPSへの反応性を亢進し,...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患

非アルコール性脂肪性肝疾患と肥満遺伝子
及川 寛太(岩手医科大学消化器・肝臓内科)
【背景】生活習慣病を治療するうえでは,安静時基礎代謝を反映する遺伝子素因の把握が重要である.近年,肥満遺伝子あるいは倹約遺伝子として,多くの種類の遺伝子多型(SNP)が報告されている.我々は,β3 adrenergic receptor(β3AR),β2 adrenergic receptor(β2AR),uncoupling protein 1(UCP1)と生活習慣病の肝臓表現型である非アルコー...

第99回日本消化器病学会総会遺伝子多型解析と消化器疾患