- 司会の言葉
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林 紀夫(関西労災病院)
日本のC型慢性肝疾患の症例は高齢化し,肝硬変へ進行した症例も多く発癌率が高くなってきている.テラプレビルが認可され,ペグインターフェロン,リバビリンとの併用による治療は市販後の使用により治験の時よりも高い治癒率が得られることが明らかになってきた.しかし,副作用が強く,中止例が多いことが問題である.副作用が軽く,効果の高いシメプレビルが認可されることにより,プロテアーゼインヒビターはさらに新しい展...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- ペグインターフェロン+リバビリン+テラプレビル3剤併用療法の難治要因に関する検討
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本田 浩一(大分大学医学部消化器内科)
(目的)テラプレビル(TVR)併用療法が保険適用となり,治療成績は大きく向上した.しかし,一部に難治症例が存在するため,その要因について検討した.(方法)3剤併用療法を導入した37症例のうち,SVR判定のできた28名について解析を行った.対象は男性12名,女性16名,平均年齢63.5歳(60歳未満11名,60-69歳8名,70歳以上9名),初回13名,再治療15名(再燃12名,無効3名),IL28...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- 高齢者C型慢性肝炎に対する3剤併用療法について
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中谷 泰樹(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科)
【目的】C型慢性肝炎1b高ウイルス症例に対しProtease阻害剤(PI)であるTelaprevir(TVR)が使用可能となり,従来の治療法と比べ高い治療効果が得られるようになったが,特に高齢患者で重篤な副作用による中止例が多数存在する.今回我々は3剤併用療法の現況を報告し,65歳未満と65歳以上の高齢者における治療効果,副作用を比較検討した.【対象】当院で3剤併用療法を行った57例.A群:65歳...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- 三剤併用療法の治療効果と問題点およびその対策
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鈴木 祐介(岐阜市民病院消化器内科)
【目的】2011年12月に新たにテラプレビルの使用が認可され,すでに1年半が経過した.その高い有用性は論を待たないが,いくつかの問題点も明らかになりつつある.我々がこれまでに経験した三剤併用療法123症例の治療成績およびその問題点について検討した.【方法と成績】対象は岐阜大学関連施設(岐阜大学病院,岐阜県総合医療センター,岐阜市民病院)にて2011年12月より三剤併用療法を施行した123例(平均年...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- C型慢性肝炎における3剤併用療法のTelaprevir投与量と効果予測
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宮瀬 志保(くまもと森都総合病院肝臓・消化器内科)
【目的】Telaprevir(TVR)を用いた3剤併用療法では高い治療効果が期待できるが,副作用による薬剤の減量・中断などでadherenceが低下すると,前治療無効例やIL28B minor例を中心にウイルス駆除率の低下につながる.今回,3剤併用療法の薬剤投与量と効果の関連を検討した.【対象と方法】2011年12月より熊本大学および関連施設にて3剤併用療法を導入した220例中,SVR24が判定可...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- 第一世代プロテアーゼ阻害剤(TVR)から得られた知見
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島田 紀朋(新松戸中央総合病院消化器肝臓科)
【目的】TVR3剤併用療法によりSVR率は著明に向上したが,なおSVRを達成できない症例が存在する.第一世代プロテアーゼ阻害剤(TVR)から得られた知見を検証する.【方法】対象はGenotype1のC型慢性肝炎に対してTVR治療を施行しSVR判定可能である218例.TR12PR24が191例,T12PR48が27例である.T12PR48は前治療non-responder,non-RVR,IL28B...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- C型慢性肝炎に対する第一世代プロテアーゼ阻害剤(Telaprevir)の適応と限界~多施設共同による知見~
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川上 由育(広島大・消化器・代謝内科)
【目的】C型慢性肝炎に対するTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法(3剤療法)の治療効果を検討する.【方法】(1)3剤療法にてSVR24が判明した257例(性別:男/女131/126例,年齢:中央値61歳,IFN治療歴:初回治療/再燃/無効/57/104/96例,IL28B遺伝子型:TT/nonTT(TG,GG)153/104例)においてSVRに寄与する因子の解析を行った.(2)Tel...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- プロテアーゼ阻害薬を用いた3剤併用療法における延長投与の有用性
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菅原 通子(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科)
【目的】TPVを用いた3剤併用療法では,無効例とIL28B SNPsがminorでコア70が変異株の症例におけるSVR率が低い.その対策としてRBVとPeg-IFNの投与期間を延長するAG&RGTトライアルの有用性を検討した.
【方法】対象は初回158例,再燃105例,無効66例,不明9例の計338例.治療期間はRVRでIL28Bがmajorないしminorでも12週目までRBVとPeg-I...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- C型慢性肝炎に対する3剤併用療法治療効果予測におけるIFNL4 Genotypeの意義
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宮村 達雄(千葉大学医学部消化器腎臓内科学)
【目的】G1型高ウイルスC型慢性肝炎に対して3剤併用療法が標準的治療として広く行われている.今回,IFNL3 GenotypeおよびIFNL4 Genotypeの治療効果予測について検討した.【対象と方法】対象は当科及び関連施設において3剤併用療法を施行しSVR判定が可能であり文書による同意の得られた39例(M/F:29/10;平均年齢58.2±8.7歳)である.IFNL3 Genotypeおよび...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- C型慢性肝炎におけるNS3とNS5A領域の薬剤耐性変異とペグインターフェロンα2b・リバビリン・テラプレビル併用療法の効果について
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林 和彦(名古屋大学消化器内科)
【目的】genotype1bかつ高ウイルス量のC型慢性肝炎に対する標準治療法はペグインターフェロン・リバビリン・NS3プロテアーゼ阻害剤の3剤併用療法であるが,新たにインターフェロン(IFN)フリーのNS5A阻害剤(Asunaprevir)とNS3プロテアーゼ阻害剤(Asunaprevir)の経口2剤法が開発されている.IFNフリーは従来のIFNプロトコールと比べ多くの利点があるが,NS3の変異(...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- IFN/RBV/TVR3剤併用療法におけるDAA耐性変異の意義
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板倉 潤(武蔵野赤十字病院消化器科)
【目的】新規薬剤やIFN free DAA療法の臨床導入を視野に,DAA耐性変異とIFN/プロテアーゼ阻害剤併用療法の治療効果との関連や問題点について検討した.【方法】C型慢性肝炎49例でNS3・NS5A変異をdirect sequencingで検討した.4週Peg-IFN/RBV併用Lead-in後Telaprevir(TVR)3剤併用療法施行47例で,Lead-inの反応性や治療前の耐性変異と...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- プロテアーゼ阻害剤併用療法の治療予測因子・薬剤耐性ウイルスの検討
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須田 剛生(北海道大学消化器内科)
【背景/目的】シメプレビルが認可されDirect Acting Antivirals(DAAs)による治療が主流となる事が予想されるなか,初のDAAsを含むTPV併用治療における治療予測因子,薬剤耐性変異ウイルスの検討は今後の治療をより効率的に行う為に重要である.我々はTPV併用療法の治療予測因子と,治療前後における薬剤耐性ウイルスの検討を行った.【方法】当院,関連施設においてTPV併用療法を施行...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- Deep sequencingによるNS5A阻害剤耐性変異の検討
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前川 伸哉(山梨大学内科学第一講座)
【目的】NS5A阻害剤daclatasvirはgenotype 1bHCVに対する効果が優れ,本邦で行われたプロテアーゼ阻害剤との併用臨床試験では高率にSVRを達成することが報告されている.一方,治療効果を規定するNS5A-Y93Hなどの耐性変異がどのような症例で生じやすいのか明らかとはされていない.本研究ではdaclatasvir未投与症例における耐性変異の臨床意義を明らかにするためにdeep ...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- 次世代プロテアーゼ阻害剤併用3剤治療の適応症例の検討
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中川 美奈(東京医科歯科大学消化器内科)
【目的】C型慢性肝炎の患者高齢化が問題となる我が国では,治療効果と副作用,発癌抑制効果が治療導入に際して重視されるべきである.今回我々はTelaprevir(TVR)とSimeprevir(SMV)併用3剤治療の自験例をもとに,宿主・ウイルス遺伝子情報に基づく治療適応について検討した.【方法】2012年1月以降当院および研究協力施設でPEG-IFN/RBV/TVR併用3剤療法を導入し,最終効果判定...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- C型慢性肝炎に対するDAAs併用療法の治療効果
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瀬崎 ひとみ(虎の門病院肝臓センター)
【目的】テラプレビル(TVR)併用療法は薬剤投与量を柔軟に調製することにより治療効果を改善し得た.一方,シメプレビル(TMC435)は副作用も軽減され,高いSVRを得られることが期待される.TVR市販後の症例で背景肝組織別に治療成績を比較検討し,さらにTMC435使用症例の詳細について検討した.【方法】当院においてgenotype 1型,高ウイルス量のC型慢性肝炎症例に対し,1)市販後TVR3剤併...
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プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点
- simeprevir3剤併用療法の有用性
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中島 知明(札幌厚生病院第三消化器内科)
【目的】1b高ウイルス量のC型慢性肝炎に対するsimeprevir3剤併用療法(SMV群)の有効性と有害事象発現,薬剤アドヒアランスについて,PEG-IFN/RBV2剤併用療法(P/R群),telaprevir3剤併用療法(TVR群)と後方視的に比較検討を行う.
【方法】SMV群27例[男性13例,平均年齢56.4歳,IL28B TT 15例,初回治療12例,再燃8例,無効7例],TVR群6...
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