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検索結果は16件です。

肝細胞障害が誘導する酸化ストレスと肝発癌
疋田 隼人(大阪大大学院・消化器内科学)
【背景/目的】肝細胞障害の指標とされるALTの上昇は、慢性肝炎からの肝発癌の危険因子として知られている。一方で、各種慢性肝炎からの肝発癌の原因の1つとして、酸化ストレスが知られている。しかし、肝細胞障害が酸化ストレスと肝発癌にいかに関与しているのかは不明である。そこで、今回我々は肝細胞障害が酸化ストレス、肝発癌に与える影響を検討した。
【方法/結果】まず、肝細胞障害が酸化ストレスに与える影響...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

HCVコアタンパクによるマイトファジーの抑制
原 裕一(川崎医大・肝胆膵内科)
【目的】我々は肝発癌過程でのHCVタンパクによるミトコンドリア障害と酸化ストレスの亢進について報告してきた。今回HCVタンパクが障害ミトコンドリアの排除機構(mitophagy)を抑制することで酸化ストレスをさらに増強し肝発癌を促進させるのではないかいう仮説のもと、HCVタンパクがmitophagyに及ぼす分子機構について検討した。【方法】HCV全遺伝子が組み込まれたreplicon cell(O...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

C型肝炎からの肝発癌における酸化的DNA損傷修復遺伝子SNPの関与
宮西 浩嗣(札幌医大・4内科)
【目的】近年、持続慢性炎症によって惹起される発癌過程には酸化的DNA損傷が関与する可能性が想定されている。特にC型肝炎においては肝細胞に蓄積した鉄の関与が注目され、鉄イオンがFenton反応等を介してヒドロキシルラジカル等のROSの産生を促進し、酸化的DNA損傷を増強することが知られている。われわれは、C型慢性肝炎およびHCCの肝組織中に8-hydroxy-deoxyguanosine(8-OHd...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

肝発癌における酸化ストレスとエピゲノム変異
西田 直生志(近畿大・消化器内科)
【目的】酸化ストレスは肝発癌の主要なリスクである。一方、フリーラジカルは8-OHdGを誘導し、8-OHdGは複製時にG→T変異(トランスバージョン)を惹起することから遺伝子変異の原因となりうる。しかし、肝癌に認められる癌抑制遺伝子(TSG)の変異をみた場合、G→T変異が特徴的な変異スペクトラムとは言えず、また早期肝癌ではTSGのゲノム変異の頻度は低い。今回、我々は酸化ストレスがヒト肝発癌早期にエピ...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

肝細胞癌でのPin1を介したNF-κBとPPARγの活性調節による酸化ストレス制御及び抗Pin1抗体の腫瘍増殖抑制機序の解明
久保木 知(千葉大・臓器制御外科)
【目的】酸化ストレスはNF-κB活性を亢進して炎症反応を増強し、腫瘍増殖を促進する。一方、PPARγ活性の抗炎症作用はNF-κB活性を抑制し、酸化ストレスを軽減して抗腫瘍効果を示す。今回、肝細胞癌(HCC)でのNF-κBとPPARγの活性調節による炎症制御機序を解明し、腫瘍増殖への影響を評価、更にはNF-κB活性抑制を介した酸化ストレス制御の抗腫瘍効果を検討。【方法】酸化ストレスモデルであるマウス...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

肝癌におけるHeat shock transcription factor 1(HSF1)の役割
中馬 誠(北海道大大学院・消化器内科学)
【背景と目的】肝細胞癌の発癌過程において酸化ストレスの関与が考えられている。Heat shock transcription factor 1(HSF1)は、生体の様々なストレスに応答し、細胞内のシグナル伝達で重要な役割を担っている分子である。今回HSF1の肝癌における役割を解析した。【方法】A;細胞生物学的検討:HSF1標的遺伝子の探索1)、HSF1KO、WTマウスの初代培養肝細胞株 、HSF1...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

酸化ストレスに対する肝細胞癌の細胞死抵抗性の検討
直江 秀昭(熊本大大学院・消化器内科学)
【目的】原発性肝細胞癌(以下、肝癌)は、根治治療後も異所性多中心性再発を繰り返し、治療抵抗性を示す予後不良な癌種である。治療抵抗性の分子基盤の中でも細胞死抵抗性の制御は治療成績の向上に直結する。そこで、細胞死刺激である酸化ストレスを用い細胞死抵抗性の責任分子群を明らかにした。【方法】ヒト肝癌細胞株を対象に細胞死誘導刺激前後のcell lysateを用い2D-DIGEにて、蛋白質発現ならびに燐酸化の...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

多施設共同前向き研究による肝癌再発の解析と酸化ストレス・パスウェイの同定
田中 真二(東京医歯大・肝胆膵・総合外科)
【目的】消化器悪性腫瘍の中でも、肝胆膵癌は特に再発が多く、新たなバイオマーカーの探索は喫緊の課題である。我々は肝癌手術症例の多施設共同研究により、再発を規定するバイオマーカーを解析し、肝組織の酸化ストレス・パスウェイを同定したので報告する (Hepatology 2011; Gastroenterology, in press)。【方法】早期(BCLCステージ0-A)肝癌切除組織の癌部および非癌部...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

食道癌組織においてROS刺激下に誘導されるApurinic/apyrimidinic endonuclease-1(APE-1)およびCOX-2発現意義の解析
名児耶 浩幸(日本医大・消化器内科)
(目的・背景)APE-1はROS刺激に対する塩基除去修復に働くDNA修復酵素として知られている。また、同時に炎症の場においてoxidative stressによっても誘導される多機能性蛋白質である。このAPE-1は最近、膵癌における5-FU製剤に対する化学療法の感受性を反映するものとしても報告されている。我々もまた、APE-1の発現をこれまでH. pylori感染胃癌スナネズミモデルやヒト胃癌組織...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

H. pylori感染によるROSを介したアポトーシス制御機構の解析
平田 喜裕(東京大・消化器内科)
【背景】Helicobacter pylori (H. pylori)は胃炎、潰瘍性疾患、胃癌の原因になる細菌であり、炎症性シグナルの活性、アポトーシス反応、細胞増殖反応などを胃粘膜にひきおこしていると考えられている。我々はASK1が胃癌で増加し、細胞増殖を促進していることを報告したが、ASK1はROSによるアポトーシスの制御分子としても知られている。本研究ではH. pylor...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

H. pyloriのCagA依存的発癌プロセスに対する宿主細胞内ROS亢進の役割
津川 仁(慶應義塾大・消化器内科)
【目的】H. pylori感染細胞はautophagyが発現し、4型分泌装置を介して装填されたoncoprotein CagAはautophagolysosomeに取り込まれ分解を受ける。従って、H. pylori感染宿主でのautophagy発現異常は細胞内CagA安定性亢進に繋がり、CagA依存的発癌リスクを亢進させると推測される。本研究では、CagA...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

酸化ストレスに対するROS産生能の消化器癌発癌・増殖・薬剤耐性への関与
奥村 浩(鹿児島大大学院・腫瘍制御学・消化器外科学)
【目的】酸化ストレスによる発癌および薬剤耐性のメカニズムには不明な点が多くその解明は重要である.Ferredoxin Reductase(Fdxr)は54kDaのミトコンドリアに局在する電子伝達系酵素蛋白であり,活性酸素種(Reactive Oxygen species: ROS)で誘導されるアポトーシスに深く関与している.一方,消化器癌の発生に癌抑制遺伝子Fhitの欠失が関与していることが以前か...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

がんは動く-ミトコンドリア由来活性酸素消去によるがん細胞浸潤の制御-
松井 裕史(筑波大・消化器内科)
【背景・目的】、膜蛋白NADPH Oxidase由来活性酸素(ROS)はがん浸潤を促進するとされてきた。一方、ミトコンドリア由来ROS(mitROS)はがん増殖を促進するとされているが、浸潤についての検討はない。今回我々はmitROSの消去ががん浸潤能を抑制するか検討した。【方法】ラット胃粘膜培養細胞株RGM1、そのがん様変異細胞株RGK1、RGK1細胞にミトコンドリア特異的活性酸素消去酵素MnS...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

癌微小循環の場での低酸素・再酸素化はEMTを誘導する
岡嶋 学(京都府立医大・消化器内科)
【目的】癌組織においては、血管新生や間質圧の変化により、血流が途絶えたり再開通することが頻回に起こっていると考えられている。その際、癌細胞は、低酸素・再酸素化という酸化ストレスを受けている。今回、この低酸素・再酸素化(A/R)と近年癌の浸潤・転移の過程で注目されている上皮間葉転換(EMT)について、その現象とメカニズムについて検討した。【方法】ヒト大腸癌細胞(HT-29)を無酸素チャンバーを用いて...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

酸化ストレスにおける選択的スプライシング制御異常と消化器がん発症機構の解明
増田 清士(徳島大大学院ヘルスバイオサイエンス研究部・ストレス制御医学)
【目的】RNA結合蛋白質HuRは、遺伝子の転写後調節を行う重要な因子の一つであり、細胞増殖、アポトーシス、ストレス応答などを広範囲に制御している。また、大腸がんなどのがん組織で高発現しており、発がんや遠隔転移・薬剤耐性の誘導に関与していることが示唆されている。これまでのHuRの研究は細胞質内での機能が中心であったが、HuRの核内での働きが注目されつつあり、RNAプロセシングを介した細胞機能の調節が...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス

新規抗酸化剤を用いた新しい癌治療法の開発 -αリポ酸誘導体の抗腫瘍効果‐
平塚 孝宏(大分大・1外科)
【はじめに】αリポ酸は抗酸化物質として知られており、そのフリーラジカルスカベンジ能に基づく抗腫瘍効果が、種々の癌細胞で報告されている。今回我々は、空気中で安定かつ水溶性で強い抗酸化作用を有するαリポ酸誘導体DHLTauZnを開発し、癌細胞に対する抗腫瘍効果を検討した。【方法】<in vitro>大腸がん細胞株HT-29に対するDHLTauZnの影響を、生存率、細胞周期、カスパーゼ3/7の活性化、電...

第54回日本消化器病学会大会消化器癌と酸化ストレス