セッション

検索結果は16件です。

司会の言葉
小原 勝敏(福島県立医科大学内視鏡診療部)
 食道胃静脈瘤は肝硬変に代表される門脈圧亢進症の予後を決める因子の一つとして重要であり,近年の治療技術の進歩によりその治療成績も向上してきた.緊急例に対する治療法,待期・予防例に対する適応や治療法は定まりつつあるが,各施設での様々な工夫があり,内視鏡治療においては,硬化療法,結紮術,硬化結紮術,塞栓術との併用等,治療法が多岐にわたっている.
 本パネルでは,各施設における食道胃静脈瘤の治療手...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

当院における食道・胃静脈瘤治療の現況
高木 忠之(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科)
緒言:食道胃静脈瘤は主に内視鏡治療またはIVR治療が施行されている.治療適応基準は概ねコンセンサスが得られているが,治療法は各施設ごとに様々な工夫がなされている.当院における食道胃静脈瘤治療の実状を,I:治療前準備(適応,血行動態把握法),II:治療法(鎮静,術中管理,手技,治療間隔),III:治療成績(累積非出血再発率等),IV:工夫・予防の各項目に分けて提示する.治療前準備:内視鏡的硬化療法を...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

食道静脈瘤に対する内視鏡的治療の長期予後
林 星舟(がん・感染症センター都立駒込病院肝臓内科)
【目的】内視鏡的治療を施行した食道静脈瘤症例の長期予後について検討した.【対象・方法】1982.9以降当科にて内視鏡的治療を行った食道静脈瘤874例(LC 474,HCC 333,IPH 25,その他42)を対象に,治療成績,長期予後を検討した.治療適応は緊急119,待期132,予防623,観察期間は平均41カ月(最長336カ月).内視鏡的治療法:初期(1982~)は5%-EO-EISを,中期(1...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

当科における食道胃静脈瘤治療例の検討
北村 和哉(金沢大学消化器内科)
【背景】当科での食道胃静脈瘤治療は,内視鏡的硬化療法(EIS)を基本に,肝予備能高度低下例,進行肝癌例,EIS困難例に対しては内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)を施行している.また最近ではEUSにてEIS困難例の選別を行うとともに,EIS,EVLともにアルゴンプラズマ凝固法(APC)による地固めを最終治療としている.今回当科における10年間の静脈瘤治療の成績および再発に関与する因子について検討を行った...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

集学的食道静脈瘤治療としての経鼻内視鏡的アルゴンプラズマ凝固法~無作為割り付け比較試験~
古市 好宏(新座志木中央総合病院消化器・肝臓内科)
【諸言】食道静脈瘤(EV)の集学的治療の一環として,アルゴンプラズマ凝固法(APC)は再発抑制の観点から大変有用である.非施行群に比べ,再発率を55%抑制する効果があると言われている.しかし,肝硬変(LC)患者にとって,治療に伴う頻回なセデーションは肝性脳症を遷延化させる危険があり,肺動静脈シャントを合併した患者の呼吸状態に悪影響を与える.【目的】鎮静剤を用いない経鼻内視鏡的APCが経口APC(鎮...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法の効果と課題
近藤 孝行(千葉大学医学部附属病院消化器内科)
【目的】食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(EIS)の短期・長期成績を検討し,その効果と課題を考察した.【方法】未治療の食道静脈瘤72例(2008年10月~2013年3月,IRB承認試験;肝硬変54,他18;出血34,予防38)を対象とした.EISについては,既報の通り装着バルンを併用してX線透視下で5%EOIを左胃静脈上流側まで注入した.静脈瘤の血栓化(EUS)を得るまでEISを繰り返し,アルゴ...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

迅速かつ正確に硬化療法を行うためのデバイス開発
菊池 大輔(虎の門病院消化器内科)
【目的】内視鏡的硬化療法(EIS)において正確な血管内注入は重要である.しかし局注針の操作時に右手を内視鏡から手放すため正確性が損なわれることがある.我々は右手で内視鏡と処置具を同時に操作するためのデバイス(スマートシューター:SS)をトップ社と共同開発しており有用性を検証した.【方法】SSを内視鏡に装着し,その内部に局注針を挿入する(図1).SSを用いると右手で内視鏡を保持し,親指で局注針の操作...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

食道静脈瘤の治療後再発要因の解析と再発予測式の作成
岩本 拓也(山口大学医学部附属病院消化器病態内科学)
【目的】当科では食道静脈瘤に対してEVL・EISを中心とした集学的治療を施行しているが,その後の再発予測は治療法の選択や経過観察の間隔を決定するうえで極めて重要である.本研究では静脈瘤再発の危険因子や再発期間などを統計学的に解析し,再発予測式の作成を目指す.【方法】2004年2月から2009年12月までに当院で食道静脈瘤に対して内視鏡的治療を施行した193名(平均年齢:64.7歳,男/女=122/...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

血行動態に基づいたEVLでの食道・胃噴門部静脈瘤治療の長期成績
荒木 寛司(岐阜大学医学部消化器病態学)
【目的】EVLは多くの施設で食道静脈瘤治療として選択されている.安易なEVLでの不完全な治療は早期の再発や再出血を招き患者に不利益をもたらす.当科では巨木型を含む食道静脈瘤および噴門部胃静脈瘤(Lg-c)に対しEVL+APC地固め療法を標準治療としている.造影CTでの門脈血行動態,細径EUSでの治療後の食道周囲血管群の評価に基づく当科での食道・胃噴門部静脈瘤診療の現況と工夫,治療成績を提示する.【...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

胃静脈瘤(Lg-f)に対する内視鏡的塞栓療法の基本手技と治療成績
中村 真一(東京女子医科大学消化器病センター)
【目的】胃静脈瘤(Lg-f)に対する治療として,cyanoacrylate系薬剤を用いた内視鏡的塞栓療法とバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)の有用性はコンセンサスが得られている.特にHistoacrylによる内視鏡的塞栓療法は出血例に対する止血法の第一選択となっている.2013年4月にHistoacrylが胃静脈瘤の内視鏡的血管塞栓材料として承認され,今後,実施される機会が増加すると...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

孤立性胃静脈瘤に対する内視鏡治療とB-RTOを併用した治療体系:予防的治療の意義
今井 幸紀(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科)
【目的】孤立性胃静脈瘤の破裂時止血にはシアノアクリレート(CA)を用いた内視鏡的治療が有効であるが,再出血をきたす症例が少なくない.一方,B-RTOは緊急止血には適さないが,治療成功後の再発が稀で,予防的治療に用いられている.我々は孤立性胃静脈瘤に対して両治療法を組み合わせ,血行動態に基づいて治療体系を構築している.これに基づいて治療した症例の予後を基に,予防的治療の意義を検討した.【方法】対象は...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

胃底部部静脈瘤に対するB-RTO~安全性向上に関する取り組みも交えて~
日高 央(北里大学消化器内科)
【目的】当科では胃底部静脈瘤出血に対して,原則的にシアノアクリレートを用いた内視鏡的治療にて緊急止血し,待期・予防例に対してはB-RTOにより加療を行っている.今回,B-RTOが保険収載されるにあたり,その長期成績と安全性向上の取り組みについても検討したので報告する.【方法】1993年3月から2012年9月まで当院にて胃底部静脈瘤に対してB-RTOを施行した137例(男:女/78:59)の背景因子...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術におけるリアルタイムシミュレーションと治療成績の検討
富川 盛雅(福岡市民病院外科)
【はじめに】バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(balloon-occluded retrograde transvenous obliteration:BRTO)は静脈系解剖の個体差が大きく治療に難渋する症例も見られる.治療にあたっては詳細な血管構築の把握が重要であるが,われわれはmultidetector-row computed tomography(MDCT)などの医用画像を応用した新たな...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

胃静脈瘤治療の最前線~PSE併用経頚静脈的逆行性塞栓術と門脈・全身血行動態~
近森 文夫(国吉病院消化器外科)
我々は1992年に頚静脈経由でエタノールと5%EOIを使いカテを24時間留置する手技TJOを,2008年にPSE・TJO併用療法を報告した.現在門亢症治療に際しては,#1静脈瘤出血回避・消失と#2門脈全身血行動態改善という2つの到達目標がある.今回GVを中心に#1および#2の観点から検討した.1.TJO単独例の長期予後(1991-2008,肝癌非併存例n=90):GV消失率は100%,累積生存率は...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

食道胃静脈瘤治療におけるPSEの位置づけ
谷合 信彦(日本医科大学消化器外科)
【目的】教室では今まで食道胃静脈瘤治療においてPSEの有効性を報告してきた.しかし,内視鏡治療の進歩とともに食道静脈瘤に対しては内視鏡治療のみで十分な治療効果を得れると考えている.一方,胃静脈瘤に対してはB-RTOを中心とするIVRを治療の基本としている.今回,食道胃静脈瘤治療にPSE併施例を検討し,PSEの位置づけを検討した.【対象と方法】I.2002~2012年の11年間に170例189回,P...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線

静脈瘤治療の現状
佐藤 隆啓(札幌厚生病院消化器科)
(はじめに)食道・胃静脈瘤以外の異所性静脈瘤は稀であるが,時に大量出血をきたし生命にかかわることがある.しかし,門脈圧亢進症に伴う異所性静脈瘤の頻度や患者背景に関して詳細な報告は少ない.異所性静脈の患者背景について検討した.(対象)1994年以降,これまで1500を越える食道・胃静脈瘤に対し内視鏡あるいはinterventional radiology(IVR)による治療を行ってきたが,食道・胃静...

第100回日本消化器病学会総会食道胃静脈瘤治療の最前線