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検索結果は18件です。

消化器疾患におけるプロバイオティクスの展望
古賀 泰裕(東海大・感染症研究室)
口腔から肛門に至る広義の消化管には多数の常在細菌が定住している。このうち、腸には100兆個とも言われる膨大な数の常在細菌が棲息し、その中のいわゆる有用菌は、1)消化管を感染から守る、2)粘膜免疫を強化する、3)腸管粘膜の栄養素を供給する、等の有用な役割を果たしている。プロバイオティクス(Pb)は、これら腸内常在細菌のもつ有益な生理的役割を代替して、健康増進および疾病予防に働く生きた菌として生まれ今...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

Aspergillus oryzae NK菌麹中のprebiotics; Bifidobacterium Growth Promoting Factor (BGPF)の分離とその生物学的特性
下山 克(弘前大大学院・消化器血液内科学)
【目的】A. oryzae NK菌麹、乳酸菌麹および酵母からなる強力わかもと(GWT)は、便秘改善効果や下痢症状緩和作用を有する。我々はGWTの便秘改善の機序として腸管内容物の単鎖脂肪酸(SCFAs)バランスの修復作用とコリン作動性収縮運動の誘発を示唆した(JDDW2008)。さらに今回、GWTの腸内SCFAs産生に影響を与える因子としてA. oryzae NK菌麹中のprebiot...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

重症急性膵炎におけるprobioticsの有用性
北村 勝哉(昭和大・消化器内科)
【目的】重症急性膵炎(SAP)におけるprobioticsの有用性を検討する.【方法】2002年11月~2010年12月まで当施設で診療したSAP 156例中,経管栄養を施行した70例を対象とした.SAPの診断後,probioticsとして1日 3~6 gの酪酸菌製剤ミヤBM®(ミヤリンサン製薬株式会社)を退院日まで投与した46例(投与群)と非投与24例(非投与群)のSAP合併症,予後につ...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

乳酸菌の潰瘍性大腸炎に対する緩解維持効果:二重盲検法による検証
大草 敏史(東京慈恵会医大柏病院・消化器・肝臓内科)
【目的】炎症性腸疾患に対してprobioticsの有用性が注目されてきている。そこで、腸粘膜に接着性の乳酸菌として開発されたLactobacillus johnsonii La1(LC1乳酸菌)が潰瘍性大腸炎に対し、緩解維持効果があるか否かをDouble-blind Placebo-Controlled Trailにより検討した。【方法】緩解期潰瘍性大腸炎40例(平均40歳、男女比2...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

炭水化物発酵及び胆汁酸脱抱合から見た胃切除の病態とBB536等投与による効果
長谷川 範幸(国保板柳中央病院・内科)
胃全摘や胃再建等による盲係蹄症候群の際には、慢性下痢、腹部膨満、腹痛、吐気等がある。これらの原因としては消化管運動機能低下に伴う内容物の逆流、Bacterial overgrowth(以下B.O)に伴う胆汁ミセル化障害による消化吸収不良があげられる。B.Oが存在すると、空腸での抱合胆汁酸が脱抱合され、脂肪吸収障害による慢性下痢、腹部膨満が出現し長期に及ぶと低栄養となる。我々は胃切除後の12例に対し...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

低用量アスピリン関連小腸粘膜傷害に対するLactobacillus caseiの有用性:カプセル内視鏡を用いた前向きランダム化比較試験
遠藤 宏樹(横浜市立大附属病院・内視鏡センター)
【目的】腸内細菌がNSAIDや低用量アスピリン(LDA)による小腸傷害の発生や増悪に関与することが知られており、プロバイオティクスを用いた細菌叢修飾による治療・予防が注目されている。今回、LDA関連小腸傷害に対するプロバイオティクスの効果をカプセル内視鏡(CE)で評価した。【方法】原因不明貧血精査目的でCEを施行したLDA常用(≧3ヵ月)者のうちPPI併用の35例を対象とし、小腸血管拡張症の所見を...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

大腸癌術前・後における腸内環境の変化とProbiotics服用の効果について
大東 誠司(聖路加国際病院・消化器・一般外科)
【目的】)大腸癌術後では広範な腸管の切除に伴い、術後の排便機能に大きな影響が及ぶことが少なくない。今回、大腸癌の手術前・後における腸内環境の変化を検索するとともに、術後にProbioticsを服用することの意義について検討した。
【方法】1) 初発大腸癌100例を対象とし、術前処置を行う前の便および術後7日目以降の便を採取し、腸内細菌フローラ、便中有機酸、pHを測...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

Lactobacillus casei Shirota (LcS)を用いた大腸炎関連大腸癌予防の可能性
光山 慶一(久留米大・消化器内科)
【目的】潰瘍性大腸炎(UC)では大腸癌を高率に合併するため、発癌予防効果を有する治療法の開発が望まれている。われわれは、マウスの大腸炎および大腸炎関連大腸癌(CAC)モデルにおいてIL-6/STAT3シグナルの活性化が病態に関与していることを報告した (J Immunol 2010)。本研究の目的は、CACに対するプロバイティクスLcSの予防効果を明らかにすることである。【方法】(1) LPS刺激...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

Probioticsによる大腸癌発症予防の有用性
大原 正志(東京医大茨城医療センター・消化器内科)
演者らは機能性乳酸菌食品の摂取で腸内環境が改善され、酪酸やイソ酪酸などの短鎖脂肪酸(SCFA)が増加することや腸管蠕動能、宿主細胞性免疫能が増強することを報告してきた。今回、大腸癌患者と健常人の腸内フローラの解析とprobiotics(Pb)投与後の変化や大腸癌培養細胞での検討を行い、Pbの大腸癌発症予防の有用性の検討と臨床応用への問題点と課題についての考察を行った。対象と方法:大腸癌患者10例(...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

緑茶カテキンを用いた肥満関連大腸および肝発癌予防
清水 雅仁(岐阜大大学院・消化器病態学)
【目的】インスリン抵抗性の出現、IGF/IGF-1Rの過剰活性、アディポサイトカインの不均衡、慢性炎症状態の惹起等、肥満・内臓脂肪の増加に伴う様々な分子異常は大腸および肝発癌に深く関与している。今回我々は、緑茶カテキンEGCGが、これらの分子異常を標的とし改善することで、肥満に関連した大腸および肝発癌を抑制するか、肥満・糖尿病・高脂血症・脂肪肝を発症するC57BL/KsJ-db/db...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

ガストリントランスジェニックマウスを用いた茶カテキンによる胃発癌予防効果の検討
大野 崇(福井大附属病院・消化器内科)
【目的】茶カテキンはフラボノイドの一種であり、抗菌、抗酸化、抗腫瘍、肥満抑制といった様々な生理活性作用が認められている。疫学的検討では緑茶高消費量群において胃癌発症のリスクが低下するという報告もあるが、未だ一定の見解は得られてはいない。In vitroにおける検討では茶カテキンは様々な細胞においてIFN-γなどの炎症性サイトカインの発現抑制効果や細胞増殖抑制作用が認められており、また...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

Catechinの大量肝切除後における肝傷害抑制と肝再生促進効果
淺野間 理仁(徳島大・外科)
【背景】Catechinは茶に含まれるポリフェノールの1種である。Catechinが肝に及ぼす効果として、ラットにおける肝線維化抑制効果、ヒト肝細胞癌株の増殖抑制効果等の報告がなされている。今回、我々は、ラットの大量肝切除後の残肝に及ぼすCatechinの効果に関する検討を行った。【方法】6週齢雄性Wistar系ラットを用いて、0.5% GTE®(Green Tea Extract)溶解液...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

茶葉ポリフェノールによるFunctional Dyspepsiaの治療効果と安全性
水谷 太二(日本大板橋病院・消化器・肝臓内科)
【目的】近年食品の機能につき再評価する働きが提唱されている。お茶の産地では、消化器疾患が低いことが報告されている。Functional Dyspepsia(FD)は、我が国において近年増加傾向が認められる、FDの原因、症状は様々であり、未だ治療方針が確立されていない。我々は、茶葉ポリフェノ-ル(カテキン)の持つ消化器生理機能作用がFDに及ぼす効果を検討すると共にLDLコレステロールを下げる効果で特...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

Sulforaphen(SFN)による転写因子Nrf2賦活化はメチオニンコリン欠乏食(MCD)誘発脂肪性肝炎の炎症と線維化を抑止する
岡田 浩介(筑波大大学院・消化器内科学, 筑波大大学院・スポーツ医学)
【目的】酸化ストレスは単純性脂肪肝から脂肪性肝炎への進展に重要な要因である.我々は酸化ストレスに対し生体防御機構を発動する転写因子Nrf2に着目し, MCD誘発脂肪性肝炎モデルにおいてNrf2が肝病変の発症と進展を防御することを報告した(Am J Physiol 2010).今回は治療的観点から,Nrf2過剰発現マウスであるKeap1 knockdown (kd)マウスにMCD食投与を行い,更に,...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

DEN誘発性肝細胞癌動物モデルを用いた、黒酢もろみ末の抗腫瘍効果と機序の解明
静間 徹(東海大・生体構造機能学)
【目的】肝細胞癌(HCC)に対する機能性食品の効果については、不明な点が多い。我々は、動物モデルを用いて、黒酢もろみ末(壺酢中の堆積物)のdiethylnitrosamine(DEN)誘発性HCCに対する効果を検討した。【方法】6週齢F344ラットを、対照群(通常のCE-2飼料を摂取)と黒酢もろみ末群(2%黒酢もろみ末含有CE-2飼料を摂取)に分けた(各群n=16)。その1週間後より、DEN200...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

クランベリーおよびザクロ果汁の抗ヘリコバクター・ピロリ作用について
松嶋 成志(東海大・消化器内科)
【目的】ヘリコバクター・ピロリ(HP)感染症は、慢性的な胃粘膜の炎症をもたらし多くの疾患を引き起こすことが知られているが、感染者のほとんどを占める慢性胃炎患者に対しては保険適応がない状況である。また、抗生物質耐性菌の増加も大きな問題となりつつある。機能性食品の応用は魅力的な解決策の一つであり、われわれはクランベリー果汁の抗HP作用について報告してきた。クランベリーのHP増殖抑制作用は臨床分離株の一...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

梅の実摂取習慣によるH. pyloriHP)関連萎縮性胃炎進展及び上部消化管症状抑制効果
前北 隆雄(和歌山県立医大・2内科)
【目的】HP関連萎縮性胃炎進展には、生活習慣の関連が想定される。我々は梅肉エキスのin vivoおよびin vitroでの抗HP作用を報告した。今回、無症状健常成人を対象として、梅の実摂取習慣によるHP関連萎縮性胃炎進展および上部消化管症状抑制効果に関して検討した。また、volunteer 68人を対象に胃内視鏡検査を行い、梅の実摂取習慣がHP関連胃炎の活動度に及ぼす影響を検討した。【方法】梅の実...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性

難治性直腸炎型潰瘍性大腸炎患者に対する漢方薬坐薬の有効性:前向き無作為割り付け二重盲検試験による検討
福永 健(兵庫医大・内科(下部消化管科))
【目的】粘膜の被覆と殺菌を主眼とした漢方生薬合剤、シレイサンの内服が難治性潰瘍性大腸炎患者に有効であると話題になっている。我々は本薬の臨床効果を科学的に証明すべく、独自にシレイサン坐薬(以下、漢方坐薬)を開発、病変首座に直接アプローチできうる直腸炎型潰瘍性大腸炎(UP)患者を対象に無作為割り付け2重盲検試験でその有効性を評価した。【方法】対象は過去2週間以上従来の局所治療が無効の急性期UP30例。...

第53回日本消化器病学会大会消化器疾患におけるprobioticsと機能性食品の有用性