- C型慢性肝炎治療の現状と将来の展望
-
熊田 博光(虎の門病院・肝臓センター)
C型肝炎治療は、IFN単独療法、リバビリン併用療法、更にリバビリンとプロテアーゼを含めた3者併用療法へと、1型高ウイルス量の治療効果は飛躍的に拡大した。しかし一方で、貧血及び皮膚症状、腎障害などの副作用を克服する必要もある。こうしたプロテアーゼ阻害剤は、今後種々のプロテアーゼ阻害剤も使用可能となる。しかし、どのプロテアーゼ阻害剤もペグ+リバビリン併用療法無効例に対しては、NS3領域の耐性が出現し、...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- 発癌リスクと治療反応性予測に基づくC型肝炎の個別化治療戦略
-
黒崎 雅之(武蔵野赤十字病院・消化器科)
【目的】Telaprevir(TVR)によりC型慢性肝炎の著効(SVR)率は向上した。しかしPeg-IFN・RBV(PR)でウイルス非陰性化 (NVR)を呈した症例では、TVR併用療法のSVR率は約30%に留まるため、次世代治療薬までの待機も選択肢となる。本研究では、発癌リスクによる治療必要性の評価、PR治療反応性に基づくTVR治療効果の予測、およびそれらに基づく個別化治療戦略を検討した。【方法】...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- C型肝炎に対するPeg-IFN/RBV併用療法におけるIL28B遺伝子多型の意義
-
平松 直樹(大阪大・消化器内科)
難治性C型肝炎に対してTelaprevirが保険認可され、さらにHCV酵素阻害剤が開発中であるが、多くはPeg-IFN/RBVをプラットフォームとするため、IL28B遺伝子多型(SNP)の治療効果に及ぶす影響は大きい。今回、C型肝炎に対するPeg-IFN/RBV併用療法の抗ウイルス効果ならびに発癌抑制効果予測におけるIL28B SNPの意義について検討した。対象は、OLF関連施設においてPeg-I...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- 発癌リスクとウイルス排除の可能性からみた最新のC型肝炎治療
-
坂本 穣(山梨大附属病院・肝疾患センター, 山梨大・1内科)
【目的】C型肝炎治療の目的はウイルス排除と肝発癌抑止である。ウイルス変異と宿主ゲノム解析からHCV排除の可能性と肝線維化診断による肝発癌リスクを評価した。【方法】2003年12月から当科および関連施設で組織するY-PERSに登録されたP+R 1079例、P+R+protease阻害剤(PI)23例、54.9±10.4歳(17~80歳)、M/F=632/470、1b/2a/2b/その他=725/19...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- C型慢性肝炎に対する発癌を考慮した治療戦略
-
片野 義明(名古屋大大学院・消化器内科学)
【目的】1型に対してTelaprevir(TVR)は治療効果の向上が期待されているが、貧血や皮疹などの副作用から、高齢者やHb低値例においては注意を要する。2型に対してはペグインターフェロン(PEGIFN)α+リバビリン(RBV)併用療法が標準治療である。TVR併用療法を含むIFN治療は、発癌抑止を目的として治療戦略を立てる必要があり、今回現時点でのC型慢性肝炎に対するPEGIFNα+RBV併用療...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- 1型高ウイルス量のC型慢性肝炎に対するペグインターフェロンα-2a、α-2bとリバビリン併用療法の無作為化比較試験
-
五藤 忠(東京大大学院・消化器内科学)
【目的】DAAを含む3剤併用療法の時代が到来したが、高齢化した我が国においては3剤併用療法が適応とならない症例も多い。ペグインターフェロン(PEG-IFN)α-2aとPEG-IFNα-2b、2種の製剤とリバビリンの併用療法につき、その治療効果、安全性に関して、日本人で比較検討した報告はない。そこで2007年11月に両製剤とRBV併用療法の有用性、安全性を検討する無作為化比較試験を計画(UMIN登録...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- C型慢性肝炎治療におけるIFN-α中和抗体の影響
-
榎本 平之(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科))
【目的】C型慢性肝炎に対してPEG-IFN-α・リバビリン(RBV)とプロテアーゼ阻害剤 (PI)の3剤併用が標準治療となりつつあるが、前治療無効例の成績は不良である。我々は、PEG-IFN-α/RBV投与患者におけるIFN-α中和抗体発現と治療無効との関連を解析し、さらに著効率改善が期待される3剤併用療法に対するIFN-α中和抗体の影響について検討した。
【方法】研究1:Peg-IFN-α...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- Genotype 2型C型慢性肝炎に対するResponse Guided Therapyの成績
-
加藤 慶三(新松戸中央総合病院・消化器・肝臓科)
【目的】Genotype2・高ウイルス量(G2H)C型慢性肝炎(CHC)の標準治療は 24週のPeg-IFNα-2b(Peg2b)+RBV併用療法である.一方Peg-IFNα-2a(Peg2a)単独でもRVR例では24週投与で高いSVR率が報告されている.G2H CHCに対して,Peg2a単独療法で開始し,RVR例は単独療法24週とし,nRVR例は24週のRBVを併用するResponse guid...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- Telaprevirを用いた3剤併用療法:埼玉県におけるAG&RGTトライアル
-
菅原 通子(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科)
【目的】1b型,高ウイルス量のC型慢性肝炎に対するtelaprevirを用いた3剤併用療法は,治験では初回例73%,再燃例81%,無効例34%でSVRが得られたが,貧血,皮疹等の副作用が高度であった。一方治療効果を規定する要因としてIL28B関連SNPsとリバビリン,Peg-IFNの投与総量が抽出され,欧米ではnon-RVR例で治療期間延長によるSVR率の向上が報告されている。そこで埼玉県ではIL...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- Genotype 1b型C型慢性肝炎に対するTelaprevirとペグインターフェロン-リバビリン3剤併用療法におけるテラプレビル用量別の早期ウイルス動態
-
瀬崎 ひとみ(虎の門病院・肝臓センター)
【目的】NS3-4Aプロテアーゼ阻害剤であるテラプレビル(TVR)が使用可能となり、genotype 1型の難治症例でも高率にウイルス排除可能となるものと期待される。一方で、その副作用は従来の治療法よりも強くなることが予想される。そのため当院では、女性、65歳以上の高齢者、開始時ヘモグロビン(Hb)値が<13g/dLと低い症例はTVRを1500mg/日で投与開始するという試みを行っている。そこで今...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- 難治性C型慢性肝炎におけるIFN応答性に関与する要因とテラプレビル3剤併用療法の効果
-
中川 美奈(東京医歯大・消化器内科)
【目的】テラプレビル(TPV)3剤併用療法においてもIFN応答性が治療効果に影響する。そこでPEG-IFN/RBVの応答性に寄与する要因を解明し、TPV 3剤併用療法の治療効果に関わる臨床的意義を検討した。
【方法】当院および関連施設でPEG-IFN/RBV併用療法を施行したC型慢性肝炎605例を対象とし治療応答性に関与する要因を解析し、血清IL-6の経時的変化と治療効果の関連を検討した。ま...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- C型肝炎ウイルス薬剤耐性クローンの次世代ゲノムアナライザー解析
-
高橋 健(京都大・消化器内科)
【目的】 C型肝炎ウイルス(HCV)感染は多様な変異ウイルスクローンの集合体より構成され、各症例における感染ウイルスクローンの違いは、次世代治療としてその高い治療効果が期待されているDirect Acting Antiviral (DAA)に対する治療反応性の決定においても重要な役割を担っていると考えられている。本研究では、次世代ゲノムアナライザーを用いた大規模ウィルスクローン解析により、テラプレ...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- Telaprevir/PegIFN/RBV併用療法の効果と宿主因子との関連および耐性株の検討
-
今村 道雄(広島大・消化器・代謝内科)
【目的】C型慢性肝炎に対するTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法の早期治療効果および貧血と宿主因子の関係を検討するとともに耐性株のプロファイルおよび耐性変異に対する対策を検討する.
【方法】対象は当科にてTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法を施行した1b型高ウイルス量のC型慢性肝炎患者38例(臨床治験16例を含む)で初回治療12例,前治療再燃13例,前治療無効13...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- Peg-IFN/Ribavirin/Telaprevir併用療法における腎障害と尿酸排泄の検討
-
宮瀬 志保(くまもと森都総合病院・肝臓・消化器内科)
【目的】C型慢性肝炎に対するPeg-IFN/RBV/Telaprevir 3剤併用療法(以下3剤併用療法)は,従来のPeg-IFN/RBV併用療法に比し強力な抗ウイルス効果を有する一方で,高尿酸血症や腎障害などの副作用が報告されているが,その機序は未だ十分には解明されていない.今回3剤併用療法による高尿酸血症と腎障害について検討した.【対象と方法】当院で3剤併用療法を導入した1型・高ウイルス量のC...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- ITPA遺伝子型、CL/Fからみた三剤併用療法の貧血対策
-
狩野 吉康(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科))
【目的】Ribavirin(RBV)とTelaprevir(TVR)誘起性の貧血はPEG-IFN/RBV/TVR三剤併用療法で最も頻度の高い副作用であり、薬剤の減量・中止に繋がり、治療効果を減弱させている。RBVの全身クリアランス(CL/F)およびITPA遺伝子型から三剤併用療法の貧血の対策を探る。【方法】PEG-IFN/RBV併用療法を施行したC型肝炎233例(ITPA: CC 179例、CA/...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- C型慢性肝炎に対する三剤併用療法の現状―多施設共同研究―
-
宮坂 昭生(岩手医大・消化器・肝臓内科)
【目的】2011年11月よりペグインターフェロン(PEG-IFN)・リバビリン(RBV)・プロテアーゼ阻害薬による三剤併用療法がGenotype1高ウイルス量のC型慢性肝炎症例に対して治療適応となり、更なる著効率の向上が期待されている。今回、我々はGenotype1高ウイルス量のC型慢性肝炎症例に対する三剤併用療法の現状について検討した。【方法】現在、三剤併用療法を開始予定で登録した30例のうち1...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- 当院におけるgenotype1型C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン+リバビリン+テラプレビル3剤併用療法の初期治療効果について
-
那須 章洋(大阪赤十字病院・消化器科)
【目的】2011年10月より本邦でもgenotype1型C型慢性肝炎に対してPEG-IFN+Ribavirin+Telaprevir 3剤併用療法が開始された。3剤併用療法により治療効果の向上が期待されるが、貧血や皮疹などの副作用が増強する可能性がある。今回我々は実臨床における3剤併用療法の治療効果、副作用の出現頻度、程度について検証を行った。
【方法】2012年2月より当院にてPEG-IF...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- IL28B遺伝子多型による治療効果予測不一致に寄与する宿主因子の検討
-
村田 一素(国立国際医療研究センター国府台病院)
【目的】IL28B近傍SNP解析はペグインターフェロン・リバビリン療法(Peg-IFN/RBV)の効果予測に有用であるが、約20%に不一致例が存在する。我々は末梢血リンパ球のIFN-λ3誘導能を解析することによって、さらに高い確率で効果予測が可能であることを報告してきた。今回はIFN-λ3誘導能の多寡に寄与する宿主側因子について検討した。【方法】C型慢性肝炎患者 (n=94)より末梢血リンパ球(P...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線
- 第二世代プロテアーゼ阻害剤を用いた三剤併用療法の治療効果と今後の位置付け
-
八橋 弘(国立長崎医療センター・臨床研究センター)
第一世代プロテアーゼ阻害剤(PI)のテラプレビル(TPV)が承認・発売され、HCV治療は新しい時代を迎えた。TPVはPegIFN/RBVとの併用によりウイルス学的著効率(SVR)を著明に向上させる一方、新たな副作用も報告され、高齢の患者が多い我が国では治療対象例が限定されるなどの問題点も明らかとなりつつある。一方、国内及び海外においても、より副作用が軽微な第二世代のPIが複数、開発されて第3相試験...
第54回日本消化器病学会大会 >
C型肝炎治療の最前線