セッション

検索結果は29件です。

手術時に偶然発見されたectopic liverの1例
寺川 裕史(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科)
33歳,女性.心窩部痛を自覚し,近医を受診した.精査にて胆嚢結石を指摘され,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.術中,腹腔内を観察したところ,胆嚢の腹側に10mm大の肝と同色の結節を認めた.肝との連続性は認められなかった.ectopic liverと判断し,胆嚢と同時に切除した.病理組織学的に,胆嚢に付着した結節は,正常な肝組織と診断された.ectopic liverは,まれな肝の形態異常である.自覚症...

第117回北陸支部例会

Roux-en-Y再建術後の輸入脚閉塞による急性膵炎の一例
辻 国広(石川県立中央病院  消化器内科)
【症例】70歳女性。66歳時に胃癌に対して腹腔鏡下幽門側胃切除・Roux-en-Y再建術が施行され、その後再発なく経過していた。今回、2日前からの腹痛を主訴に当院救急外来に受診した。身体所見では心窩部に圧痛を認め、血液生化学検査ではアミラーゼ2071IU/Lと膵酵素の上昇を認めた。腹部CT検査では膵頭部の腫大、膵周囲の液体貯留とともにトライツ靱帯までの輸入脚の著しい拡張を認めたことから、輸入脚閉塞...

第117回北陸支部例会

教室における膵癌に対する外科切除の現状と成績
北川 裕久(金沢大学 附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科)
膵癌は近年治癒をめざしてR0切除を行うことで予後改善がみられているが、術前の正確な進展範囲の診断と、理論に基づいた綿密な術式立案が重要である。【術前進展範囲診断】術前診断は、造影MDCTで行うが、膵癌に特化した条件下で出来るだけ薄いスライスで撮像し、ページングを繰り返して診断する。特に、SMV/PV浸潤、SMA方向・CeA方向・前方組織への浸潤は、その範囲を詳細に評価する。【術式立案】占居部位、進...

第117回北陸支部例会

胆嚢腺筋腫症の経過観察中に黄色肉芽腫性胆嚢炎を合併し胆嚢癌との鑑別が困難であった一例
寺川 裕史(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科)
65歳,男性.糖尿病,高血圧症にて当院内科を定期通院していた.5年前から胆嚢体部および底部に壁肥厚を認め,胆嚢腺筋腫症として経過観察されていた.最近1年の経過で胆嚢体部および底部の壁肥厚が進行し,胆嚢癌の合併が疑われ当科紹介となった.画像検査上は黄色肉芽腫性胆嚢炎が疑われたものの胆嚢癌が否定できなかったため胆嚢床切除を施行した.術中迅速病理検査を行い,悪性所見は認められず,病理組織学的に胆嚢腺筋腫...

第117回北陸支部例会

肝細胞癌との鑑別に苦慮し、CTガイド下生検にて診断しえた肝血管筋脂肪腫の一例
澤崎 拓郎(厚生連高岡病院 消化器内科)
【症例】50歳女性 【現病歴】全身性エリテマトーデス・抗リン脂質抗体症候群などにて内科通院加療中であった。健康診断の腹部超音波検査にて肝腫瘤を指摘され当科受診した。アルコール摂取は機会飲酒程度、治療薬以外健康食品やサプリメントの摂取歴はなし。血液検査ではHBs抗原・HCV抗体陰性、AFP・PIVKA-2を含む腫瘍マーカーは陰性であった。肝dynamicCTを施行したところ、肝S8に20mm大のSO...

第117回北陸支部例会

腹腔鏡下膵尾部切除後の早期胃癌に対して腹腔鏡下幽門側胃切除術の1例
石山 泰寛(福井県立病院 消化器外科)
症例は66歳女性.現病歴:微小膵癌に対して腹腔鏡下膵尾部切除術行っている.術後4か月後のフォローの上部消化管内視鏡検査にて胃角部大湾から胃体下部後壁にかけて褪色調域あり,生検にて印鑑細胞癌と診断した.手術適応と判断し手術を行う方針となった.血液検査は特筆すべき所見はない.腹部造影CTでは病変指摘困難であり,周囲のリンパ節腫大もなかった.臨床病期T1aN0M0stage1Aと診断し腹腔鏡下幽門側胃切...

第117回北陸支部例会

カプセル内視鏡で発見された回腸メラノーシスの1例
吉田 尚弘(石川県立中央病院 消化器内科)
【はじめに】小腸のメラノーシスは極めて稀な疾患である。今回、カプセル内視鏡(CE)で発見し、シングルバルーン内視鏡(SBE)による生検で診断を得た回腸メラノーシスの1例を経験したので報告する。【症例】症例は80歳代の女性。既往歴は52歳時に胃癌に対して胃全摘術が施行されており、常用薬は、乾燥硫酸鉄、エチゾラム、ウルソデオキシコール酸、レバミピド、エカベナトリウム水和物であった。2012年3月に鉄欠...

第117回北陸支部例会

頚部リンパ節転移を伴うinvasive micropapillary carcinoma成分を含んだ直腸癌の1例
上田 有紀(福井大学 第一外科, 国立病院機構福井病院 外科)
【はじめに】invasive micropapillary carcinoma(以下、IMPC)は、組織学的に脈管様の空隙で囲まれた微小乳頭状癌胞巣から構成されることが特徴である。今回、我々は左頚部リンパ節転移を伴うIMPC成分を含んだ直腸癌の1例を経験したため、文献的考察を加え報告する。【症例】83歳、女性。貧血の精査目的に2012年7月当院に紹介された。大腸内視鏡検査で直腸Rsに隆起性病変を認...

第117回北陸支部例会

憩室がその発生と破裂とに関与したと考えられた大腸リンパ管腫の1例
善田 貴裕(公立学校共済組合北陸中央病院 内科)
症例は55歳、男性。27ヶ月前に肝弯曲部で大腸憩室炎を起こしたが、保存的治療にて軽快している。2013年5月の検診にて貧血を指摘されたために当科を受診した。上部消化管には異常を認めなかったが、大腸内視鏡検査では肝弯曲部に約5mm径、低い周堤を伴い、中央の陥凹部より自然出血する病変を認めた。陥凹部からの生検はGroup 1であったが、IIc陥凹型ないしは微小Borrmann 3型の大腸癌が否定できず...

第117回北陸支部例会

下大静脈腫瘍栓を合併した胃癌,副腎転移の1例
吉光 雅志(国民健康保険 小松市民病院 消化器内科)
症例は71歳男性.201X年7月頃より食欲低下を自覚し,さらに,体動時の眼前暗黒感を自覚し,8月頃に紹介医を受診した.その際に,高度の貧血を指摘され,CTにて胃癌を疑われたため当院に紹介となった.腹部造影CTにて胃壁肥厚および周囲のリンパ節腫大,傍大動脈リンパ節腫大,左副腎腫瘍および,左副腎静脈,腎静脈から連続して下大静脈に腫瘍栓を認めた.上部消化管内視鏡では胃前庭部から体下部大弯の2型腫瘍および...

第117回北陸支部例会

門脈ガス血症の2例
大島 正寛(医療法人社団中央会 金沢有松病院 外科)
症例1は75歳男性、6時間前からの腹痛で来院した。CTにて回腸の一部に造影不良を認め、同部位には広範な拡張、壁内ガスを伴い、さらに門脈ガス血症を呈していた。小腸壊死に伴う門脈ガス血症と診断し、緊急手術にて壊死した回腸を切除した。術後経過は良好で、第20病日に退院した。症例2は96歳女性、2時間前からの腹痛と嘔吐で救急搬送された。CTで胸腹水とともに大量の門脈ガス血症を呈していたが、腸管壊死の所見に...

第117回北陸支部例会

重症急性膵炎における膵壊死進展過程の造影超音波検査による検討
時光 善温(富山赤十字病院 消化器内科)
急性膵炎は膵腺房細胞内でのプロテアーゼの活性化に始まるが、膵壊死に至るには膵虚血や微小血栓形成など血流障害が関与している。壊死性膵炎では、造影CTにおける膵実質の造影不良域に一致して膵内外動脈のvasospasmが特徴的であるとされる。膵血流、膵壊死進展を評価することで早期に動注療法を開始し救命率を向上できる可能性もある。造影CTは急性膵炎には必須であるが、重症急性膵炎では腎機能や全身管理を優先し...

第117回北陸支部例会

直腸癌を合併した完全直腸脱に対し,腹腔鏡下Hartmann手術を施行した一例
山本 大輔(石川県立中央病院 消化器外科)
症例は81歳女性.臍周囲の痛み,肛門出血を主訴に2012年6月に当院を受診した.精査の結果,肛門より約10cm脱出した直腸脱を認め,脱出腸管先端部に周囲に浅いびらんを有する不整な1型腫瘍を認めた.生検にて中分化腺癌と診断した.根治性と術後の肛門機能を考慮し,腹腔鏡下Hartmann手術を施行した.腹腔内から観察しながら,脱出腸管を安全に還納し,根治手術が可能であった.病理組織学的結果は粘液癌成分を...

第117回北陸支部例会

タクロリムスの継続投与にて寛解している潰瘍性大腸炎の1例
坂下 俊樹(KKR北陸病院)
症例は54歳、女性。主訴は血便。現病歴は1988年3月発症の全結腸炎型潰瘍性大腸炎.の方。サラゾスルファピリジン経口薬、メサラジン(ペンタサ、アサコール)、アザチオプリン等投与にて治療となるも、副作用のためそれぞれ投与中止となっている。2009年9月炎症増悪し入院。絶食、補液、プレドニゾロン60mg/日開始にて治療を実施するも, 寛解せず。その後、白血球球除去療法を実施し徐々に改善した。その後も再...

第117回北陸支部例会

ニフレック配合内用剤服用後に低ナトリウム血症による意識障害を来した2例
朝日向 良朗(石川県立中央病院 消化器内科)
【背景】経口腸管洗浄剤ニフレック配合内用剤(以下ニフレック)は,全大腸内視鏡検査(TCS)の前処置の際に投与され,良好な洗浄効果や安全性のため広く普及している.しかし,溶解後2-4L程度の服用量となり,さらに味による飲みにくさのため,しばしば服用時に嘔気・嘔吐を引き起こす.添付文書には「嘔吐によって低Na血症をきたし,意識障害,痙攣等があらわれることがある」と記載があるが,その報告は少ない.当院で...

第117回北陸支部例会

腹腔鏡下手術が困難であった反復性S状結腸巨大憩室炎の1例
渡邉 利史(金沢大学附属病院 消化器・乳腺・移植再生外科)
結腸巨大憩室は、本邦での報告例が30例程度(会議録含む)と比較的稀な疾患である。出血や憩室炎を繰り返す場合や、穿孔を合併した場合には手術適応と考えられる。近年、鏡視下手術の普及に伴い、良性疾患である本疾患に対しても、低侵襲という点からその有用性に関する報告が散見される。今回我々は、反復する憩室炎により膀胱および直腸と高度の癒着していたため、腹腔鏡下での切除術が困難であったS状結腸巨大憩室症の1例を...

第117回北陸支部例会

短期間に発生した炭酸マグネシウム結石の一例
原 季衣(福井社会保険病院 消化器内科)
【症例】75歳男性【主訴】なし【現病歴】認知症により4年前から精神科病棟に入院中であった。2013年7月24日に嘔吐、腹痛で当院を受診され、腹部単純CTにてS状結腸拡張、腹部リンパ節腫脹を指摘された。S状結腸内視鏡で減圧を行い、経過観察のため入院となった。【経過】排便コントロールのため、酸化マグネシウム、大建中湯、モサプリドの内服を開始し、排便がない時は、グリセリン浣腸を併用することで、毎日排便が...

第117回北陸支部例会

ESD後ひとかき癌と判明した胃隆起性病変の1例
増永 高晴(KKR北陸病院 消化器内科)
症例は40歳代男性.毎年当院人間ドックにて内視鏡検査をうけていた.1年前の内視鏡検査では異常は指摘されなかった.2013年7月上部消化管内視鏡検査にて,胃体上部前壁の大彎よりに直径約8mmの扁平隆起性病変を認めた.背景粘膜はRAC(regular arrangement of collecting venules)を有する正常胃底腺粘膜(炎症や萎縮の認めない胃底腺粘膜)であった.白色通常観察では,...

第117回北陸支部例会

肝偽リンパ腫の一例
守護 晴彦(市立敦賀病院 消化器科)
【症例】70歳代,女性【既往歴】23歳 扁桃摘出術、42歳 卵巣、子宮摘出術【家族歴】特記事項なし【嗜好】飲酒歴なし、喫煙歴なし【現病歴】当院にC型慢性肝炎、高血圧のために通院していた。2011年12月腹部造影CT検査にて肝S3に10mm大の単純で低吸収、造影早期相で等吸収、後期相で低吸収を呈する占拠性病変を指摘された。同病変は腹部超音波検査では低エコーであった。MRI検査ではT1強調像で低信号,...

第117回北陸支部例会

食道癌化学療法による口内炎発症予防におけるOral cryotherapyの有用性
岡本 浩一(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科)
【背景】現在進行食道癌症例に対する化学療法において、JCOG9907試験の結果、術前FP療法の有用性が示され、一般的に行われている。しかし、奏効率は37.8%と十分でなく、さらなる腫瘍制御向上のためにDocetaxel(DTX)を上乗せしたDCF療法が最近導入される施設が増加している。しかし、そのさまざまな有害事象の頻度と重症度から治療中の全身状態のメンテナンスには難渋するケースが多くみられる。一...

第117回北陸支部例会