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検索結果は19件です。

イレウス症状で発症し、術後の病理組織にて虫体が確認された小腸アニサキス症の1例
森尾 慶子(山陰労災病院 内科)
消化管アニサキス症は魚類を介したアニサキス幼虫の摂取に起因する寄生虫疾患である.その中で腸(小腸・大腸)アニサキス症は胃アニサキス症と比べて数%と比較的稀であり、直接の確認が困難なことも多く急性腹症で他の疾患が疑われ外科的に腸管切除される例もみられる.今回、問診で生魚の摂取を確認しながらも、術後瘢痕による絞扼性イレウスが強く疑われたために開腹下に腸管を切除し、切除標本の病理組織学的検索で初めて小腸...

第099回中国支部例会

再燃した好酸球性胃腸炎治療中に胃サイトメガロウイルス感染症を併発した1例
平野 大樹(広島市立安佐市民病院 消化器内科)
【症例】7●歳,男性。【主訴】心窩部痛。【既往歴】気管支喘息。【嗜好】喫煙70本/day(15年間)。【現病歴】201●年11月に上腹部不快感が生じ,近医を受診。上部内視鏡検査にて出血性胃炎を認め入院加療となったが,心窩部痛の改善がなく,同年12月に精査・加療目的に当院入院となった。【検査所見】WBC 30600/μl(好酸球54%),CRP 9.3mg/dlと好酸球増多と炎症反応高値を認めた。A...

第099回中国支部例会

閉塞性黄疸を契機に診断されたvon Hippel-Lindau病の1例
武澤 梨央(倉敷中央病院 消化器内科)
【諸言】von Hippel-Lindau病(VHL)は常染色体優性遺伝の疾患で多臓器に多様な腫瘍性病変を発生する疾患である。膵病変も高率に来たす事が知られているがこれを契機に診断される事は稀であり、今回閉塞性黄疸を契機に診断されたVHLの一例を経験したので報告する。【症例】57歳男性【主訴】黄疸、口渇、体重減少【現病歴】25年前より腹部エコーで両側副腎腫瘍と右腎腫瘍を指摘され、近医にて経過観察さ...

第099回中国支部例会

診断に苦慮した肝Ossifying malignant epithelial and stromal tumorの1例
寺岡 雄吏(JA尾道総合病院 消化器内科)
【症例】70歳代、女性.【既往歴】特記事項なし.肝臓の治療歴はない.【現病歴】20XX年4月、胸部絞扼感を主訴に当院循環器内科を受診.冠動脈CT検査で肝内に異常陰影を指摘され、当院紹介となった.【血液検査】軽度肝障害(AST 36 IU/l、ALT 43 IU/l、ALP 169 IU/l、γ-GTP 169 IU/l)がみられ、腫瘍マーカーはCEA 2.7 ng/ml、CA19-9 68.7 U...

第099回中国支部例会

術前に診断しえた多発膵Solid-pseudopapillary neoplasmの1例
山口 恵美(厚生連 尾道総合病院 外科)
膵Solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)は、すべての膵腫瘍の0.13~2.7%、膵外分泌腫瘍の中では1~2%と比較的まれな腫瘍である。若年女性に好発し、比較的予後良好な膵腫瘍であるが、時に転移や浸潤を示すことがあり、SPNと診断されれば外科的切除の適応となる。SPNのほとんどは単発で発見されており、多発例の報告は極めて稀である。今回我々は術前検査で多発SPNと診断し...

第099回中国支部例会

保存的加療にて軽快した腹膜垂炎の2例
吉本 匡志(福山市民病院 外科)
【はじめに】腹膜垂は直腸を除く全結腸に存在する,腹膜に覆われた脂肪組織である.比較的まれな腹膜垂炎の本邦報告例は上行結腸,S状結腸の報告例が多い.しかし全結腸に起こる可能性があり,腹痛・炎症反応の上昇を認めるため,虫垂炎・憩室炎などとの鑑別が困難とされている.原因としては腹膜垂の捻転などによる血行障害型と,近位の憩室炎などの感染が波及する非血行障害型がある.治療は腹膜垂切除の報告が多く,近年では腹...

第099回中国支部例会

EVLおよびPTP併用B-RTOで救命し得た十二指腸静脈瘤破裂の一例
井上 貴統(独立行政法人 労働者健康福祉機構 中国労災病院 消化器内科)
【症例】70歳女性。C型肝硬変加療中、平成XX年12月吐下血を主訴にときや内科を夜間受診。Hbが12.7 g/dlから6.5 g/dlへと低下したため翌朝、中国労災病院へ救急搬送された。来院時には3.4g/dlと著明な貧血を認めた。造影CTで十二指腸静脈瘤および十二指腸内への造影剤の漏出を認め十二指腸静脈瘤からの出血と診断した。ただし、CTでは十二指腸静脈瘤から下大静脈への短絡路が不明瞭であった。...

第099回中国支部例会

膵胆管合流異常の4例
塚野 航介(島根県立中央病院 消化器科)
膵・胆管合流異常は解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常である。また胆道癌のリスクファクターであり、診断確定後は早期の手術が推奨されている。【症例1】68歳、女性。主訴はCEA高値。検診にて腫瘍マーカー高値を指摘され当科紹介。画像検査にて総胆管拡張を認めた。ERCPで膵・胆管合流異常(戸谷分類Ic)の診断。胆管空腸吻合術+胆嚢摘出手術施行した。【症例2】53歳、女性。主訴は腹...

第099回中国支部例会

胃癌による骨転移・小腸転移に対して集学的治療が奏功した1例
武田 千佳(岡山労災病院 消化器内科)
 胃癌による骨転移・小腸転移に対して、放射線療法、小腸切除、化学療法の集学的治療にて非常に良好な経過を得た1症例を経験したので症例報告する。 症例は78歳男性。200X年に胃癌(signet-ring cell carcinoma, T2, N2, M0, stage3b)にて幽門側胃切除を施行した。術後はTS-1を内服していたが、肺炎を発症し、3か月で中止した。その後は再発もなく経過していたが、...

第099回中国支部例会

腹痛を契機に診断された巨大胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)の一切除例
小山 展子(川崎医科大学 肝胆膵内科学)
【症例】49歳女性.激しい上腹部痛・腹部膨隆を認め,CTで肝内に巨大な嚢胞性腫瘤を指摘され,紹介入院となった.入院時血液検査では炎症反応と肝胆道系酵素の上昇を認めた.腹部造影CTで肝左葉全域から右葉にかけて18cm大の多房性の嚢胞性腫瘤を認め,内部には乳頭状構造があり,肝門部や腫瘤末梢で胆管との交通を認めた.ERCでは十二指腸乳頭部に白色調の粘液栓を認め,除去により黄白色の大量の粘液の排出を認めた...

第099回中国支部例会

高アンモニア血症に対するカルニチン補充療法の有用性の検討
足立 卓哉(岡山済生会総合病院)
[背景・目的]肝硬変患者の高アンモニア血症は日常診療で遭遇する機会は多い。血清アンモニアを下げる治療法の一つとしてカルニチン(レボカルニチン製剤)補充療法が最近注目されており、当院での処方例について検討した。 [対象・方法]当院で肝疾患患者に対してレボカルニチン製剤を処方した32例のうち、1か月以上内服歴があり、かつ高アンモニア血症に用いた21例を対象とした。また、処方前血清アンモニアが、1か月後...

第099回中国支部例会

アザチオプリン長期内服後に汎血球減少を発症した潰瘍性大腸炎急性増悪の一例
古林 麻美(倉敷中央病院 消化器内科)
【緒言】アザチオプリン(AZA)の長期投与後に急激な汎血球減少症を経験することは稀である。今回、我々はAZA長期投与後に汎血球減少症をきたした潰瘍性大腸炎急性増悪の一例を経験したので報告する。【症例】30歳代男性【現病歴】13歳時にステロイド依存性の潰瘍性大腸炎(全大腸炎型)と診断され、現在メサラジン4000mg/日・AZA 100mg/日・プレドニゾロン5mg隔日投与中であった。AZAは2004...

第099回中国支部例会

IVRを施行した出血性胃十二指腸潰瘍および吻合部潰瘍の検討
村上 麻友(津山中央病院 内科)
【目的】出血性胃十二指腸潰瘍に対する止血法は内視鏡的止血術が第一選択であり、高い止血率が報告されている。しかし、内視鏡的止血術が困難で重症化する症例も少数ながら存在し、近年Interventional Radiology(IVR)の有用性が報告されている。今回我々は当院においてIVRを施行した出血性胃十二指腸潰瘍および吻合部潰瘍症例について検討した。【方法】当院にて2000年4月~2012年12月...

第099回中国支部例会

敗血症により死亡し、NASHと判明した一剖検例
大村 祐乃(県立広島病院 消化器内科)
症例は50歳代女性。既往歴は特記事項なく、糖尿病や脂質代謝異常を指摘されたことはない。飲酒歴、喫煙歴なし。35歳頃のBMIは25.6であったが、X-5年頃から自宅にひきこもり、更に肥満となっていた。X年8月に自宅で転倒してからは寝たきりであった。X年12月意識障害のため家族が救急要請し、当院に搬送となった。入院時ショック状態であり、意識レベルはJCS200、BMI 48.5、皮膚黄染、腹部膨隆、両...

第099回中国支部例会

Microsatellite instability-high(MSI-H)を認めた原発性小腸癌の1例
皿谷 洋祐(独立行政法人 国立病院機構 岩国医療センター 消化器内科)
【はじめに】MSIはDNAミスマッチ修復機構の異常であり、serrated pathwayやHereditary non-polyposis colorectal cancer(HNPCC)との関連がいわれている。今回我々はMSI-Hの原発性小腸癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。【症例】60歳代男性。1週間ほど続く嘔吐、左季肋部痛を主訴に近医を受診し、上部消化管造影検査で上部空...

第099回中国支部例会

プロトンポンプ阻害剤併用によるワーファリンの効果増強で消化管出血を生じたと考えられる2例
住元 旭(広島記念病院 内科)
プロトンポンプ阻害剤(PPI)は胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療の他、適応拡大されたこともあって高齢者を含め広く使われるようになっている。一方、感染性腸炎、骨粗鬆症に伴う骨折、肺炎など長期投与に伴う副作用も懸念されている。また、肝薬物代謝酵素CYP2C19で代謝されるため、代謝系が共通する薬物を併用する時には効果の増強・減弱に注意を払う必要が生じる。今回我々は、CYP...

第099回中国支部例会

化学療法が奏功した胃腺癌と食道神経内分泌細胞癌の重複癌の1例
永尾 未怜(山口大学 大学院医学系研究科 消化器病態内科学)
症例は70歳代、男性。約一ヶ月前より嚥下困難を自覚し近医を受診。上部消化管内視鏡検査(EGD)で食道と胃に病変を指摘され、精査加療目的で2012年10月、当科紹介となった。当院でのEGDでは、胸部上部~下部食道に一部で管腔のほぼ全周を占める3型腫瘍と胃角部小弯に径5cm程度の3型腫瘍を認めた。生検では食道病変が神経内分泌細胞癌、胃病変が低分化型腺癌と診断された。頸胸腹骨盤部造影CTでは頸部、縦隔お...

第099回中国支部例会

GEM・S1併用療法にて長期stable diseaseが得られている膵神経内分泌癌の一例
河村 良太(広島市立広島市民病院内科)
症例は70歳代男性、高脂血症、高尿酸血症、不眠症にて近医通院中。2011年11月末より腹部膨満感が出現した。近医での血液検査で肝胆道系酵素上昇があり、腹部超音波検査で多発肝腫瘍を認めたため、当院へ紹介入院となった。CTにて膵頭部腫瘍、多発肝転移、腹部大動脈周囲リンパ節転移、腹膜播種を認め、また著明な胆道拡張と、門脈および下大静脈に腫瘍栓を伴っていた。超音波内視鏡(EUS)では膵頭部にドップラー法に...

第099回中国支部例会

十二指腸出血を伴う多発腹部内臓仮性動脈瘤破裂に対しコイル塞栓術により治療した一例
岡 好仁(川崎医科大学 総合内科学2(消化器))
【症例】70歳代、女性。慢性腎不全で維持透析中、DeBakey IIIb型、偽腔開存型の大動脈解離の既往があり、解離により腹腔動脈根部は閉塞、上腸間膜動脈内腔は真腔、偽腔の両方で還流されていた。2012年10月中旬から腹部不快感が出現、その後急激な貧血の進行を認め近医入院精査したが出血源不明であり、保存的加療にて軽快した。12月中旬に再度下血が出現し近医受診、上部消化管内視鏡検査で十二指腸内に穿破...

第099回中国支部例会