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検索結果は21件です。

CTで診断し内視鏡的に治療しえた下行結腸魚骨穿通の1例
村上 雄紀(名寄市立総合病院 消化器内科)
【症例】80歳代、女性。2日前の夜より左下腹部痛が持続し当科受診。腹部触診にて、左下腹部のかなり限局した領域に強い圧痛を認めた。血液生化学検査では、CRPの軽度上昇以外は著変を認めなかった。腹部XPは異常所見を認めなかった。腹部CTでは、下行結腸を貫通する線状のhigh densityな異物を認め、周囲脂肪織濃度が軽度上昇していた。詳細な問診により、2日前の夕方にカレイの唐揚げを食べていたことが判...

第114回北海道支部例会

腸閉塞で発症した十二指腸石の一症例
梅津 弘樹(日鋼記念病院消化器センター)
消化管に発生する結石は胃石が多く、十二指腸以下の腸石はまれとされる。今回我々は、十二指腸空腸曲に十二指腸石が嵌噸して腸閉塞を発症した一症例を経験したので報告する。症例は79歳、女性。前日夕食摂取後、翌朝より嘔気、嘔吐が出現して軽快しないために午後5時過ぎに当院に救急搬送された。CTで胃から十二指腸下行部、水平部の拡張を認め、十二指腸空腸曲に40mm大の層状構造を呈する楕円形腫瘤を認め、その肛門側で...

第114回北海道支部例会

積極的に化学療法を行い3度にわたりDICから離脱しえた胃癌骨髄癌症の1例
中野 真太郎(北海道大学病院 卒後臨床研修センター)
症例は50代女性。食後の心窩部痛と体重減少を主訴に近医を受診した。上部消化管内視鏡検査にて胃体上部~体下部にかけて4型腫瘍を認め、生検結果はpor-sigであった。腹部造影CTでは傍大動脈リンパ節転移と腹膜播種を認め、切除不能進行胃癌と判断され、全身化学療法目的に当科紹介となった。HER2が陰性であったことから、治療レジメンはS-1+Cisplatin (CDDP)療法を選択した。S-1開始後、D...

第114回北海道支部例会

膵胆管合流異常を合併した原発性胆嚢管癌の一症例
菊地 香澄(日鋼記念病院消化器センター)
胆嚢管癌は全肝外胆道癌の2.6-12.6%、胆嚢癌の1.5%を占めるとされる比較的まれな腫瘍で、Farrarの診断基準により診断される。また、膵胆管合流異常症には胆道癌の合併が多く、全国集計では成人例の28.7%に合併を認めている。今回我々は上記診断基準に合致した膵胆管合流異常合併原発性胆嚢管癌を経験したので報告する。症例は78歳、女性。右背部に放散する腹痛を自覚して当科を受診し、CTで胆嚢の腫大...

第114回北海道支部例会

選択的胆管挿管不能例に対する超音波内視鏡ガイド下ランデブー法の成績
平田 甫(北海道大学 消化器内科)
【背景】超音波内視鏡ガイド下ランデブー法(EUS-guided rendezvous methods: EUS-RV)は選択的胆管挿管困難例に対するサルベージ法として,その有用性が報告されているが,適応や手技・処置具の標準化はなされていない.【目的】EUS-RVの臨床成績を検討し,手技の有効性,安全性を明らかにすること.【対象】2012年10月~2013年12 月の間,当科でEUS-RVを施行した...

第114回北海道支部例会

大量下血を来した大きさ12mmの小腸GISTの1例
佐藤 裕基(旭川厚生病院 消化器科)
症例は60歳代、男性。黒色便を主訴に前医を受診し、Hb 5.9g/dlと貧血を認めた。上部および下部消化管内視鏡検査では明らかな出血源を指摘されなかったが、大量下血が持続するため精査目的に当科紹介となった。当科での上部および下部消化管内視鏡検査では出血源を認めなかったが、回腸末端より口側に黒色便を認め、小腸出血が疑われた。CTでは当初小腸病変を指摘できなかった。カプセル内視鏡で上部空腸に凝血塊の付...

第114回北海道支部例会

散発性腸間膜デスモイドの臨床病理・分子学的検討
柏木 智則(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科)
【背景】デスモイド(desmoid tumor, aggressive fibromatosis)は四肢、体幹、腹腔内に好発する線維芽細胞由来の腫瘍で、全軟部腫瘍に占める割合が3%以下のまれな疾患である。発育は緩徐で遠隔転移はまれであるが、浸潤性発育様式のため腹腔内デスモイドは腸閉塞や尿路閉塞を来すことがあり、切除後再発がしばしば問題となる。家族性大腸腺腫症(FAP)に合併するデスモイドはA...

第114回北海道支部例会

自己免疫性重症肝炎の一症例
加藤 大祐(苫小牧市立病院 消化器内科)
症例は40歳代、女性。平成25年5月ごろよりむくみを自覚した。6月に体重8kg増加し、7月下旬に当院初診、緊急入院となった。入院時採血ではPT、APTT測定不能であり、CTにて肝容積633mlと著名な肝萎縮を認め、急性肝不全と診断した。脳症は認めなかった。Child-Pugh分類12点、gradeC、MELDスコア19点であった。原因として血清IgG値が4239mg/dlと高値、抗核抗体1280倍...

第114回北海道支部例会

胃転移を伴う食道悪性黒色腫の剖検例
長尾 沙智子(KKR札幌医療センター 斗南病院 腫瘍内科)
悪性腫瘍の胃転移は稀であり,なかでも悪性黒色腫の胃転移は我々が調べ得た範囲では本邦で40数例の報告をみるのみである.今回胃転移を伴う食道原発悪性黒色腫の症例を経験したので報告する.【症例】59歳男性.【主訴】体重減少.【現病歴】6か月で5kgの体重減少を主訴に前医受診.上部消化管内視鏡検査で胃噴門部に黒色調の1型腫瘍を認め,生検で悪性黒色腫と診断された.当科紹介受診し,精査加療目的に入院となった....

第114回北海道支部例会

後腹膜浸潤による切除不能局所進行下行結腸癌に対しFOLFOX療法によりcoversion therapyを施行し得た一症例
渡部 真裕子(日鋼記念病院消化器センター)
近年の切除不能進行大腸癌に対する化学療法の進歩によりconversion therapyの達成率が向上している。特に遠隔転移を伴わない局所進行大腸癌はstage IIもしくはstage IIIあることから積極的な治療介入が望ましいとされる。今回我々はconversion therapyを達成し得た局所進行下行結腸癌の一症例を経験したので報告する。症例は64歳、男性。出張先で腹痛を自覚して前医を受診...

第114回北海道支部例会

盲腸に生じた神経節細胞腫の1例
丹羽 美香子(NTT東日本札幌病院 消化器内科)
症例は50歳代,男性.便潜血陽性の精査目的に大腸内視鏡検査を施行した所,盲腸に15mm代の粘膜下腫瘍様隆起を認めた.crystal violet染色による拡大内視鏡観察では病変の表面の大部分はI pitで,病変頂部の腺窩と窩間部は引き延ばされていたが明らかな腫瘍pitは観察されなかった.Carcinoidやschwannoma等が鑑別として考えられたが確定診断が得られない為,hybrid ESDを...

第114回北海道支部例会

リンパ濾胞過形成から典型像へ進展した潰瘍性大腸炎の1例
鬼頭 健一(札幌厚生病院 IBDセンター)
症例は28歳男性.平成24年7月初旬より1日2~3行の血便が出現し近医を受診,精査加療目的に当科紹介受診となった.下部消化管内視鏡検査では直腸(Rb~Ra)にびらんを伴う小隆起が多発しており,S状結腸には発赤を伴うアフタが多発していた.便培養・直腸粘膜培養では特異的な原因菌は検出されず,生検による病理組織学的所見ではリンパ濾胞過形成と軽度のリンパ球浸潤を認めるのみであり,腺管のねじれや杯細胞の減少...

第114回北海道支部例会

頸髄損傷による排便不全に対し経皮的内視鏡的盲腸瘻造設術(PEC)を施行した5例
林 優希(北海道社会事業協会帯広病院)
頸髄損傷患者において,膀胱直腸障害は生活の上での重要なテーマとなっている。排尿障害は導尿や集尿器など複数の対処法があり,様々な医学的検討が加えられてきた。一方,排便障害は確立された対処法はなく,1回の排便で数時間-1日を要しADLやQOLを多大に低下させている症例が散見される。近年,盲腸瘻を造設し,そこから順行性浣腸(Antegrade Continence Enema; ACE)を施行する排便方...

第114回北海道支部例会

大腸癌原発巣および肝転移巣に対する腹腔鏡下同時切除術の検討
加藤 拓也(北海道大学大学院医学研究科 消化器外科学分野I)
はじめに)大腸癌原発巣及び肝転移巣に対し腹腔鏡下同時切除術を施行した4症例を検討した。 症例)年齢は33-78歳、男女比1:1、術前補助化学療法は施行せず手術可能であった。原発は結腸2例、直腸2例で、高位前方切除、左半結腸切除、ハルトマン手術、直腸切断術を行った。肝転移は1個―4個(平均3個)で、部分切除計11か所、尾状葉切除1か所施行した。肝切離は1例でhybrid法、3例は完全鏡視下で施行した...

第114回北海道支部例会

特発性胃軸捻転症の2症例
阿部 宗一郎(北海道医療センター 消化器内科)
特発性胃軸捻転は、一般的に小児に多く成人には稀とされる。今回、成人発症の特発性胃軸捻転症の2症例を経験したので報告する。症例1、70代男性。パーキンソン病で他院入院中、夜間の発熱、翌日から食欲不振と上腹部の膨満感、嘔気症状が頻繁となるため当科紹介となった。レントゲン、CTにて胃の内容物貯留と拡張を認めた。幽門部が上方に位置し胃が逆α像を呈しており、胃軸捻転症と診断した。症例2、20代女性。夕食後か...

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上部消化管炎症所見を伴ったSchonlein-Henoch 紫斑病の1例
安食 さえ子(北海道医療センター 消化器内科)
Schonlein-Henoch 紫斑病は、アレルギーが引き金となり四肢末梢の紫斑を主とした小児を好発年齢とする疾患である。今回腹痛や上腹部症状を主訴に、その後下肢に紫斑が出現し、内視鏡にて典型的な所見を呈したSchonlein-Henoch 紫斑病の成人発症例を経験したので報告する。症例は、20代男性。腹痛や嘔気、腹部膨満の症状で近医受診したが改善無く3日後当科受診される。胃腸炎を疑い、内服処方...

第114回北海道支部例会

診断に苦慮した腸回転異常症の一例
豊川 揚也(北海道医療センター 消化器内科)
症例は,40代女性.朝排便後に腹痛が出現し,増強したため夜間救急病院を受診した.腹膜刺激症状,バイタル所見に異常を認めなかった.レントゲンではニボー像を呈し,腸閉塞と考えられたため,当院へ救急搬送された.腹部CT検査から,横行結腸に閉塞起点を認める横行結腸軸捻転と考え,入院となった.軸捻転は改善せず,手術適応と考え外科とコンサルトした所,解剖異常を指摘された.結果,上記症例の診断は腸回転異常症であ...

第114回北海道支部例会

ペア血清が診断に有用であった小腸アニサキス症の一例
齋藤 敦(札幌東徳洲会病院 消化器センター)
【症例】60歳代、男性【既往歴】胃潰瘍に対して幽門側胃切除、高血圧【経過】腹痛と腹部膨満を主訴に近医を受診し、腹部X線検査にて小腸イレウスの疑いであり、同日当院を紹介された。発症2日前にサンマの刺身を摂取していた。来院時、腹部は膨隆し左上腹部に反跳痛と限局した筋性防御を認め、腸蠕動音はやや亢進していた。腹部造影CT検査所見では空腸の限局性の壁肥厚とその口側腸管の拡張および腸液貯留をみとめイレウスの...

第114回北海道支部例会

腸管出血性大腸菌感染により溶血性尿毒症症候群をきたした成人例
木脇 佐代子(札幌社会保険総合病院)
症例は50歳代女性。2013年8月下旬、右下腹部と中心とした腹痛と下痢にて前医を受診した。急性腸炎の診断となり補液、抗生剤処方で経過観察となった。症状改善なく血便が出現したため、前医を再診した。採血で炎症反応上昇を認め、入院加療目的に当科紹介受診となった。腹部は平坦軟でグル音が亢進していた。全体的に圧迫感があり、右下腹部に最大圧痛点があり、その周囲に反跳痛を認めた。CTにて回盲部から横行結腸にかけ...

第114回北海道支部例会

根治切除が可能であった肝外胆管腺扁平上皮癌の1例
山内 康嗣(市立札幌病院 消化器内科)
症例は73歳女性.2012年4月,黄疸を主訴に当科を紹介受診された。画像検査では胆管像は片側性の圧排狭窄を呈しており、胆管から外側に膨張性発育する腫瘤像を認め,中部胆管癌(T2N0M0:c-Stage II)と診断した.胆汁細胞診で腺癌細胞が認められ,経乳頭的腫瘍生検では中分化型扁平上皮癌が認められた.2012年5月,膵頭十二指腸切除術が施行され,術後病理組織学的検査では95%以上の扁平上皮癌成分...

第114回北海道支部例会