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検索結果は53件です。

EST切開後出血に対するcovered metallic stent留置による止血術の治療成績
和田 浩典(伊達赤十字病院 消化器科)
【目的】内視鏡的乳頭括約筋切開術 (EST)に伴う偶発症としての術中出血はしばしば経験される。その止血方法として、エピネフリン添加生食散布、バルーン圧迫法、クリッピング、局注法 (HSE、フィブリン接着剤)、凝固法 (ヒートプローブ・アルゴンプラズマ)などが報告されているが、複数の手技を用いることはERCPの偶発症の増加や手技時間の延長に繋がり、患者に対しては不利益である。近年、covered m...

第112回北海道支部例

再発性急性重症膵炎を来した潰瘍性大腸炎の1例
岡川 泰(伊達赤十字病院 消化器科)
炎症性腸疾患では消化管以外にも合併症を来すことが知られている。膵酵素の上昇は高頻度で認められるが、急性膵炎を発症する例は少ないとされている。炎症性腸疾患患者の急性膵炎を発症する機序は不明であるが、自己免疫的要因や栄養障害、薬剤の影響などが要因として考えられている。今回、潰瘍性大腸炎 (UC)に合併し、再発性急性重症膵炎を来した1例を経験したので報告する。症例は30歳代、男性。統合失調症。家族歴に特...

第112回北海道支部例

十二指腸ステント留置後に幽門側胃切除を施行した進行胃癌の1例
岡川 泰(伊達赤十字病院 消化器科)
十二指腸ステント留置術はgastric outlet obstruction (GOO)に対する治療として有用であり、保険収載に伴い近年使用される機会が増加している。切除不能悪性腫瘍によるgastric outlet obstructionが適応であり、切除可能な胃癌の場合は留置ステントが手術の障害となりうるため適応外となる。今回、当初手術を拒否され、十二指腸ステント留置後に根治手術を施行した進行...

第112回北海道支部例

腸液標識大腸CTにおける撮像至適開始時間の検討
溝口 亜樹(斗南病院消化器内科)
【背景・目的】大腸CTは欧米を中心に発展してきた大腸腫瘍性病変の新しい画像診断法で、本邦においてもその臨床応用が開始されている。大腸内視鏡検査などと同様に前処置を施行するが、近年、X線陽性造影剤で腸液を標識(tagging)することにより、診断精度の向上が期待されている。従来のPolyethylene glycol(PEG)とガストログラフィンを用いるPEG-C法によるtaggingでは排便回数8...

第112回北海道支部例

一次治療としてCetuximabが奏効した黄疸を伴うS状結腸癌多発肝転移の1例
原田 一顕(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科)
一次治療としてCetuximabが奏効した黄疸を伴うS状結腸癌多発肝転移の1例を経験したので若干の文献的考察を交え報告する。症例は72歳、男性。黒色便と倦怠感を主訴に当科受診され、精査の結果、S状結腸癌 SEN1H3M1;cStageIVと診断された。KRAS遺伝子変異解析の結果は野生型であった。多発肝転移による黄疸を認めたため標準治療による化学療法は困難であったが、Cetuxima...

第112回北海道支部例

生検後に自然縮小を認めた、高分化型肝細胞癌の一例
石川 和真(王子総合病院 消化器内科)
【症例】76歳、女性。もともとC型肝硬変で、他院にてフォローされていたが、2009年2月に肝性脳症で当院へ搬送となったことを契機に、以後当科フォローとなっていた。USとCTにて画像フォローを行なっていたが、2011年9月のUSにて肝S7に2つの腫瘤性病変を認めた。一方の21mmの病変は造影CTにて典型的な中分化型HCCパターンを示し、同年10月にTACEを行った。もう一方の15mmの病変はCTAP...

第112回北海道支部例

VTTQ (virtual touch tissue quantification)法により膵硬度の上昇が示唆された自己免疫性膵炎の1例
石川 和真(王子総合病院 消化器内科)
【はじめに】VTTQ (virtual touch tissue quantification)法はARFI (acoustic radiation force impulse)を用いる新しい組織硬度評価法であり、肝線維化評価をはじめ、様々な分野で臨床応用が行われつつある。今回我々はVTTQによる測定で膵硬度上昇が示唆された自己免疫性膵炎(AIP)の1例を経験したので報告する。【症例】71歳、男性...

第112回北海道支部例

ダブルバルーン小腸内視鏡で診断した放射線性小腸炎、回腸狭窄の1例
堂腰 達矢(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野)
症例は60歳代女性。2008年子宮頚癌の為放射線化学療法を受けた。2009年4月腹痛が出現したため当科に紹介され、下部消化管内視鏡検査で直腸に面状潰瘍を認め放射線性腸炎と診断された。整腸剤などの内服治療を継続し潰瘍性病変はしだいに改善し経過観察となった。2012年9月下痢、嘔気が出現し当科を受診し、腹部CTで小腸イレウスと診断され同日入院となった。イレウス管留置の上保存的に治療したところ、イレウス...

第112回北海道支部例

壁外発育型小腸GISTの2例
中嶋 駿介(市立旭川病院 消化器病センター)
今回我々は壁外発育型小腸GISTを2例経験し,その特徴について若干の文献的考察を加えて報告する.
症例1:70歳代男性,腹部腫瘤を自覚し近医にて精査したところ肝に多発腫瘍を認め,当科を紹介受診となった.腹部CTにて小腸の壁肥厚と多発肝腫瘍を認めた.小腸造影および小腸内視鏡検査にて骨盤内空腸に壁外性に発育するφ5cm大のSMTを認め,粘膜面に潰瘍を形成していた.空腸部分切除により原発巣を切除し...

第112回北海道支部例

内視鏡的ネクロゼクトミーを回避して治療した感染性膵壊死の1例
池田 裕貴(札幌医科大学 第四内科)
症例は40歳代、男性。2011年5月に重症急性膵炎を発症し当院で保存的加療を受けた。被胞化された壊死組織が広範に残存したが、無症状のため経過観察の方針となった。7月に上腹部痛、発熱があり感染性膵壊死の疑いで再入院となる。造影CTで壊死組織内部に脾動脈および狭小化した門脈が貫通していたため、内視鏡的ネクロゼクトミー (EN) の実施は困難と判断した。EUSで同病変内にecho free spaceは...

第112回北海道支部例

アルコール性肝硬変に発生した多血性腫瘤の一例
佐々木 基(札幌医科大学 第一内科)
症例は50歳代男性。発熱、意識障害にて近医受診。血液検査にて肝機能障害、アンモニア高値を認めたため腹部造影CT施行。肝内に早期濃染される多発腫瘤を認め、精査加療目的に当院紹介入院となった。当院で施行した腹部Dynamic CTにて肝S5に4cm大の動脈相で濃染し、平衡相で部分的に欠損像を呈する結節を認め、その他の部位にも濃染する結節が散在していた。CT上は、肝細胞癌が最も疑われたが、他の画像検査か...

第112回北海道支部例

回盲部異所性子宮内膜症の1例
檜森 亮吾(日鋼記念病院消化器センター)
症例は46歳女性。既往歴としてチョコレート嚢法切除術を施行されており、産婦人科で子宮内膜症治療のため通院中であった。長期間改善しない右下腹部痛を主訴に当科受診。血液検査所見ではCRPの軽度上昇を認めるのみであった。腹部CTでは回盲部に壁肥厚を認め、虫垂根部がターゲット状に肥厚していた。大腸内視鏡検査では虫垂が内側に突出し、反転、重積している所見を認め、スコープ、鉗子での整復は困難であった。粘膜は白...

第112回北海道支部例

潰瘍性大腸炎に対するタクロリムスの有効性
永井 一正(手稲渓仁会病院 消化器病センター)
【背景】2009年7月、難治性の潰瘍性大腸炎(UC)に対してタクロリムスが保険適応となった。当院では午後10時にタクロリムス3mgの初回投与を行い、12時間後の血中トラフ値から維持投与量を決定し、早期の高トラフ(10~15ng/mL)到達を目指している。【目的】上記方法でタクロリムスを投与したUC患者の短期経過と長期経過を評価し、その効果に影響を与える因子を明らかにする。【方法】2009年7月から...

第112回北海道支部例

抗血栓薬服用患者に対する大腸ポリープ切除術
川上 裕次郎(札幌医科大学 内科学第一講座)
(目的)内視鏡時の抗血栓薬取扱いに関して、現在当院では2005年の内視鏡学会ガイドラインに準拠した院内休薬基準が設けられている。一方2011年以降は、短めの休薬基準に設定した札幌コンセンサスに臨床試験として登録するケースも増えている。後出血が比較的多い内視鏡処置である大腸ポリープ切除を抗血栓薬服用患者に対して行う際の、当院における休薬期間や合併症を検討した。(方法)院内休薬基準に従うか札幌コンセン...

第112回北海道支部例

腸管出血性大腸菌O-157腸炎14例の検討
田中 一成(手稲)
【背景】2012年夏、札幌市内において腸管出血性大腸菌(EHEC)O-157の集団感染事例が発生した。EHECは少量の菌で感染が成立し、ヒト‐ヒトの2次感染を容易に生じることから、感染症法で3類感染症に指定されている。また、EHECはVero毒素を産生し、出血性大腸炎だけではなく、ときに溶血性貧血、血小板減少、腎障害、意識障害、痙攣などを生じる溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な合併症を...

第112回北海道支部例

膵管癌術後3年後に生じた十二指腸乳頭部癌に対し膵頭十二指腸切除術(残膵全摘術)を施行
阿部 紘丈(北海道大学病院 消化器外科2)
【緒言】膵管癌術後の残膵の異時性再発は稀であり,切除報告例も少ない.今回我々は膵管癌に対し膵体尾部切除術3年後に生じた十二指腸乳頭部癌に対し亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(残膵全摘術)を施行し,その背景膵に広範にPanIN病変から浸潤性膵管癌まで存在した一例を経験したので報告する.
【症例】74歳男性.膵体部癌の診断で当科にて膵体尾部切除術を施行.病理所見はPb, TS1(1.7×1.2cm...

第112回北海道支部例

当院における早期胃癌適応外病変に対するESD短期予後の検討
川上 武志(帯広厚生病院第三内科)
【はじめに】近年、早期胃癌の新しい治療法としてESDが開発され、全国的に普及している。ESDは胃切除と比較し侵襲が低く、胃の機能を温存出来るなどの利点がある。これに伴い、日本胃癌学会ガイドライン適応外病変に対する治療機会も増加している。当院においても適応外病変に対するESD施行例は存在しており、今回短期予後に関して検討を行った。【目的】当院における日本胃癌学会ガイドライン適応外病変に対するESD短...

第112回北海道支部例

腹腔鏡下胆嚢摘出術後に発症した特発性食道粘膜下血腫の一例
石上 敬介(市立室蘭総合病院 消化器科)
特発性食道粘膜下血腫は食道粘膜下層への出血により形成される血腫であり、1957年にWilliamsらが報告をして以来、本邦での報告も散見されるが、稀な疾患である。古川らによると、食道内圧上昇に伴う自己損傷や抗血小板薬・抗凝固薬内服など出血性素因を有する病態が原因となる特発性と、外傷や医療行為による機械的損傷が原因となる外傷性に分類され、吐血や胸痛などの症状で発症して緊急内視鏡検査で診断されることが...

第112回北海道支部例

高齢者の悪性大腸狭窄に対する緩和的大腸STENT留置術の検討
高橋 慶太郎(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科)
悪性大腸狭窄症例では可能な限り人工肛門造設術を含めた外科手術による狭窄解除を行っている。しかし、年齢や全身状態、認知症などの基礎疾患の状態によって大腸STENTを緩和的に留置している。【対象】大腸STENTが保険適応となってからWALLFLEX COLONIC STENT(Boston Scientific社)を緩和的に留置した5例。内訳は平均年齢92.8歳(82-99歳)。原発性大腸癌4例、術後...

第112回北海道支部例

Sorafenib投与により組織学的にCRを確認した肝細胞癌の1例
小池  祐太(市立札幌病院 消化器内科)
【症例】73歳,男性。【現病歴】1988年に肝細胞癌(HCC)に対し肝部分切除術を施行し、以降もHCC再発に対し集学的治療を施行したが、2010年5月、肝S3に再発巣を認めた。肝動脈塞栓療法(TACE)が試みられたが、明らかな腫瘍濃染像は認められず治療は困難であった。ラジオ波焼却療法(RFA)も考慮されたが、病変を腹部USにて認識することができなかったため、2010年10月、Sorafenib 4...

第112回北海道支部例