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検索結果は54件です。

メサラジン投与により心筋炎・心膜炎をきたした潰瘍性大腸炎の2例
奥村 美紀(九州大学病態機能内科学)
【症例1】14歳、男性。下痢、血便を主訴に、近医で施行された下部消化管内視鏡検査で潰瘍性大腸炎と診断され当科紹介となった。メサラジン 4000mg/日内服を開始したところ、12日目に胸部絞扼感が出現し、CK, トロポニンTの上昇に加え心エコーでEFの低下を認め、メサラジンによる心筋炎と診断した。メサラジン内服を中止し、ステロイド投与を開始したところ、速やかに心筋炎は改善した。【症例2】39歳、女性...

第102回九州支部例会

多発肝転移を伴う膵神経内分泌腫瘍と結節性硬化症に合併した腎血管筋脂肪腫に対してエベロリムスが奏効した1例
日野 直之(大分県立病院消化器内科)
症例は36歳男性。3歳で結節性硬化症を指摘された。平成24年8月近医で施行された血液検査で肝障害を指摘され、11月腹部単純CTで肝内多発腫瘤・膵頭部腫瘤・両腎腫瘤を認め、当科紹介され入院となった。血液検査ではCEA 10.0ng/ml・PIVKA-2 56mAU/mlと腫瘍マーカーが上昇し、肝障害も認めた。腹部造影CTでは肝両葉にびまん性に多発する最大40mm大の造影不良な低吸収腫瘤を認め、膵頭部...

第102回九州支部例会

Reduced Port Surgeryにより切除し得た膵Solid-pseudopapillary neoplasmの1例
菊池 祐太(産業医科大学病院第一外科)
【はじめに】腹腔鏡下手術は、開腹手術と比較し低侵襲であり、整容面でも優れていることを利点としている。現在では、単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術に代表されるように従来の腹腔鏡下手術よりも少ないportで行うReduced Port Surgery(以下RPS)も行われるようになってきた。膵Solid-pseudopapillary neoplasm(以下SPN)は若年女性に好発する低悪性度の稀な膵腫瘍で、治...

第102回九州支部例会

原発性十二指腸腫瘍6例の検討
福田 明子(健康保険諫早総合病院外科)
【はじめに】十二指腸に発生する腫瘍性病変は、全消化管腫瘍の0.3~0.5%と比較的まれであり、切除術式や化学療法について他の消化器腫瘍のように確立されたものはないのが現状である。今回われわれは、当院で経験した乳頭部腫瘍を除く原発性十二指腸腫瘍症例について検討を行った。【対象】2007年4月から2013年3月までの6年間に当院で経験した6例を対象とした。【結果】男性3例、女性3例、診断時平均年齢は7...

第102回九州支部例会

Lynch症候群が疑われた一例
保利 喜史(九州大学大学院病態機能内科学)
症例は57歳女性。36歳時に上行結腸癌、41歳時に子宮体癌、42歳時に十二指腸癌で手術を受けている。51歳時に大腸ポリープを指摘され、内視鏡的に切除されてから、以後は内視鏡検査を受けていなかった。2013年3月に大腸内視鏡を施行したところ、S状結腸に2型進行癌を認めた為、当科紹介となった。上部消化管内視鏡では、胃内に複数個の小ポリープを認め、うち3個は生検で胃癌と診断された為、EMRを施行した。全...

第102回九州支部例会

バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)が有効であった胃静脈瘤破裂の一例
中島 一壽(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院肝臓内科)
【症例】70歳代男性。肝細胞癌に対して計10回の肝動脈塞栓術施行歴あり。2013年5月肝動脈塞栓術施行目的で入院した。入院時のHb:12.3 g/dlであったが、肝動脈塞栓術後の採血にてHb:10.7 g/dl まで低下を認めた。入院前から黒色便あり、断続的下血をしていることが判明したため、上部消化管内視鏡検査を施行した。胃底部に巨大な胃静脈瘤あり、胃静脈瘤の項部にびらんがみられ、今回の出血の原因...

第102回九州支部例会

敗血症性ショックと菌血症を呈した〈I〉Salmonella enteritidis〈/I〉腸炎の一例
荒殿 ちほ子(済生会福岡総合病院 内科)
症例は2型糖尿病の基礎疾患を有する70歳代女性.嘔吐下痢と意識障害にて当院へ救急搬送された.来院時JCS10,収縮期血圧50mmHg台のショック状態であった.家族より搬送前日の朝に温泉宿で生卵を食し,前日の夕から頻回の水様下痢をきたしたとの病歴が得られた.検査所見では腎障害を認め高度の脱水による循環血漿量減少性ショックと考えられたが,大量輸液に血圧・尿量とも反応を認めず意識障害も遷延した.感染性腸...

第102回九州支部例会

皮膚筋炎を契機に診断され、術後早期に多発肝転移を認めたHER2陽性胃癌の1例
南原 翔(九州大学大学院 移植・総合外科)
皮膚筋炎を契機に診断され、術後早期に多発肝転移を認めたHER2陽性胃癌の1例九州大学大学院 消化器・総合外科○南原 翔、安藤幸滋、日吉幸晴、伊藤修平、佐伯浩司、沖 英次、森田 勝、前原喜彦【はじめに】皮膚筋炎はcutaneous paraneoplastic syndromeに属する疾患として高率に悪性腫瘍が合併することが知られている。今回我々は皮膚筋炎を契機に診断された胃癌に対して腹腔鏡下幽門側...

第102回九州支部例会

上腸間膜動脈(SMA)血栓塞栓症による遅発性小腸狭窄に対し腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した2例
松本 奏吉(九州大学病院臨床・腫瘍外科)
【緒言】SMA血栓塞栓症による遅発性小腸狭窄に対して腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した2例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。【症例1】79歳男性。2012年11月に上下部消化管内視鏡検査のため抗血小板薬を中断していたところ、急激に腹痛、下痢が出現し、精査の結果SMA血栓塞栓症の診断となり、当院内科で保存的加療を行った。その後イレウスを発症し、画像上小腸の狭窄、および瘻孔形成をみと...

第102回九州支部例会

急性胆管炎を契機に診断された胆嚢胃瘻の1例
田嶋 健秀(産業医科大学 第一外科学)
症例は71歳女性。下腿蜂窩織炎にて他院入院中に肝胆道系酵素上昇を認め、精査の結果急性胆管炎と診断された。保存的加療にて胆管炎は軽快したが、精査中に胆嚢胃瘻を認め、手術目的に当科紹介となった。腹部超音波では胆嚢の萎縮と胆嚢結石、総胆管結石を認めた。上部消化管内視鏡検査で胃前庭部後壁に瘻孔を認めた。瘻孔にカニュレーションし造影剤を注入、透視にて胆嚢と考えられる造影剤の貯留、胆嚢結石・総胆管結石と考えら...

第102回九州支部例会

Intensive GCAPが奏功した高齢発症Crohn病の一例
寺本 智美(佐賀大学医学部附属病院消化器内科)
【症例】78歳女性【主訴】軟便【現病歴】2012年11月に持続する軟便を認め、当院総合診療部を受診した。血液検査にて炎症所見が上昇し、腹部造影CTで上行結腸から下行結腸にかけて壁肥厚を認めたことから感染性腸炎が疑われ、絶食・抗菌薬投与での加療を受けた。治療後症状が改善したため、一旦退院し経過観察の方針となった。2013年3月、症状が再発したため来院した。腹部造影CTにて回腸末端に浮腫性壁肥厚を認め...

第102回九州支部例会

腹水貯留にて発症し、癌性腹膜炎様のCT像を呈したサルコイドーシスの1例
稲益 良紀(産業医科大学医学部 第3内科学)
症例は、40歳代男性。2013年5月腹部膨満感、食思不振と発熱が出現した。近医を受診したところ、腹水を指摘され、細胞診はclass II で細菌培養は陰性であった。血液検査ではLDHが303 IU/l、可溶性IL-2受容体抗体が2588 U/ml と高値を示していたが、他にCEAやCA19-9を含めて特記すべき所見はなかった。上下部消化管内視鏡検査では明らかな異常はみられなかったが、CTエンテログ...

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術前にダブルバルーン内視鏡で観察しえた出血性小腸リンパ管腫の1例
天野 良祐(福岡大学筑紫病院 消化器内科)
症例:30歳台男性。主訴:黒色便、貧血。現病歴:2012年12月より下血を認め近医を受診。消化管出血が疑われ、上下部消化管内視鏡検査が施行されるも、明らかな出血源は同定できず経過観察となっていた。その後も下血を間歇的に認め、2013年3月の血液検査にてHb6.0mg/dlと貧血の進行を認めたため、前医へ転院となった。前医にて、上下部消化管内視鏡検査、小腸造影検査、血管造影検査、カプセル内視鏡検査、...

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基礎疾患のないAA型消化管アミロイドーシスの1例
長畑 誠修(九州大学病態機能内科学)
症例は53歳、女性。2008年に施行された下部消化管内視鏡検査で異常は指摘されなかった。2013年1月より嘔吐、下痢が出現し、2月中旬に施行された血液検査でCr 4mg/dL程度の腎機能障害を指摘された。上・下部消化管内視鏡検査で、食道、横行~下行結腸に多発潰瘍を認め、生検でアミロイドーシスと診断されたため、精査加療目的で5月20日に当科紹介入院となった。当院で施行した上部消化管内視鏡検査では食道...

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腹腔鏡補助下に切除し得た巨大横行結腸粘膜下腫瘍の1例
友杉 隆宏(九州大学大学院 臨床・腫瘍外科)
【はじめに】大腸粘膜下腫瘍の発生頻度は、剖検例において3~5%と比較的まれな疾患であり、脂肪腫、悪性リンパ腫など鑑別疾患は多岐にわたる。今回、5cm大の巨大横行結腸粘膜下腫瘍に対し、腹腔鏡補助下に切除し得た症例を経験したので、文献的考察も含めて報告する。【症例】78歳女性。平成25年6月より腹部膨満感出現し、徐々に増悪を認めたため、近医を受診。精査の結果、横行結腸に5cm大の粘膜下腫瘤を指摘され、...

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難治性肝性胸水に対して胸腔鏡下右横隔膜縫合術を施行した1例
齋藤 衆子(国立病院機構大分医療センター)
【症例】59歳,男性.【主訴】呼吸苦.【現病歴】糖尿病のため当院代謝内科通院していた. 2011年10月腹満感・体重増加のため当科紹介受診.NBNCよる非代償期肝硬変・腹水を認め,精査加療目的に入院.利尿剤で腹水コントロール開始.ある程度改善し,2012年2月に食道静脈瘤に対してEVL施行.その後よりさらに腹水コントロール困難となった.腹腔穿刺・腹水再静注で改善し,同年4月に退院.退院後は外来で加...

第102回九州支部例会

中毒性巨大結腸症を併発した劇症型Clostridium difficile腸炎の一例
和田 将史(別府医療センター 消化器科)
【背景】Clostridium difficile colitis(以下CDC)は近年全世界で増加傾向にある。多くのケースでは補液、MTZ・VCM投与などの保存的治療にて軽快することが多いが、発症から急激な経過で集中治療や外科的治療を要し、ショックや多臓器不全を呈す劇症型CDCの存在は十分に周知されていない。今回我々は劇症型CDCによりseptic shock・中毒性巨大結腸症・DICを併発し、集...

第102回九州支部例会

進行肝細胞癌に対する動注化学療法開始後にヘパリン起因性血小板減少をきたし留置カテーテル抜去を要した1例
竹口 真隆(済生会熊本病院消化器病センター)
 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)は、ヘパリンの使用に伴う注意すべき合併症で、ヘパリン開始後に著明な血小板減少と全身の血栓症を発症する病態である。今回我々は、肝動注化学療法開始後にHITによる著明な血小板減少をきたしたが、早期診断と適切な治療により重篤な血栓症を合併することなく改善した1例を経験したので報告する。症例は63歳の女性。既往に重症肝炎の既往があり、その後フォローはされていなかった。...

第102回九州支部例会

膵癌との鑑別が困難であった進行胃癌播種による悪性胆道狭窄の一例
財前 友貴(久留米大学病院内科学講座消化器内科部門)
症例は62歳女性。C型慢性肝炎で外来経過観察中に、血液生化学検査で肝胆道系酵素上昇と黄疸を指摘された。血清腫瘍マーカーはDUPAN2 350U/mlのみ上昇していた。腹部US, CTでは下部胆管を閉塞機転として上流胆管の拡張を認めたが、膵頭部領域に明らかな腫瘤性病変は指摘できなかった。しかしEUSでは膵頭部に10mm大の低エコー腫瘤が描出され、ERCPでは膵頭部主膵管の限局性狭窄と尾側膵管拡張およ...

第102回九州支部例会

反復性膵炎の原因検索中に診断し得た微小主膵管型IPMN由来浸潤癌の1例
三木 正美(九州大学大学院病態制御内科)
【背景】主膵管型膵管内乳頭部粘液性腫瘍(MD-IPMN)は悪性の頻度が60%以上とMalignant potentialの高い疾患であり、切除可能な症例では全例に外科的治療が推奨されている。一方で、主膵管拡張の程度、症状の有無、壁在結節の有無を含め明確な悪性の指標はいまだ示されていない。今回、我々は反復性膵炎の原因検索中に診断し得た、微小MD-IPMN由来浸潤癌の一例を経験したので報告する。【症例...

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