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検索結果は116件です。

イレウス管が誘因と考えられる小腸腸重積症を合併した盲腸癌の1例
中野 洋一郎(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科)
症例は83才女性。糖尿病にて近医定期受診中の平成24年6月、一か月前からの便秘、腹痛の精査目的にて紹介入院。大腸内視鏡にて、回盲部狭窄をともなう盲腸腫瘍を認めた。腸閉塞を合併したため第12病日からイレウス管による減圧を開始した。血糖コントロール、術前の心肺機能評価しつつ手術待機中であった第30病日にイレウス管の排液量の減少と腹痛が増強したため、CT画像評価したところ、腹部CTにおいて、小腸ガスの増...

第112回北海道支部例

膵癌腹膜播種による多発消化管閉塞に対し大腸ステント留置と経皮内視鏡的胃瘻腸瘻造設(PEG-J)が症状緩和に有効であった1例
秋山 剛英(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター 内科)
今回我々は、腹膜播種による消化管閉塞をきたした膵癌症例に対し、大腸ステント留置と経皮内視鏡的胃瘻腸瘻造設(PEG-J)を行い、著しい症状緩和とQOLの改善が得られた1例を経験したので報告する。【症例】28歳、女性。2011年6月、腹痛を主訴に前医を受診し、膵体部癌・腹膜播種と診断された後、同年8月より塩酸ゲムシタビン(GEM)による全身化学療法を施行された。腫瘍マーカー値の上昇と腸閉塞の発症を認め...

第112回北海道支部例

KRAS遺伝子 codon 13変異を有する結腸癌に対してcetuximab投与が有効であった1例
小柴 裕(伊達赤十字病院 消化器科)
 KRAS遺伝子変異は大腸癌の35-40%に認められ、ほとんどの変異がcodon 12 (約80%)、codon 13 (約20%)に認められる。KRAS遺伝子変異を認める転移を有する大腸癌患者では、抗EGFR抗体製剤による治療効果が期待できないことから、cetuximab (Cmab)の適応はKRAS遺伝子野生型患者のみとされている。また、KRAS...

第112回北海道支部例

検診の上部消化管内視鏡検査で指摘された食道好酸球増多症例の検討
松薗 絵美(KKR札幌医療センター 消化器科)
食道好酸球増多は、食道生検で好酸球増多を認める病態である。その多くは胃食道逆流によるものであるが、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸症など消化管特異的な疾患とともに、膠原病、薬物過敏症、好酸球増多症候群など全身疾患の一部として出現することがある。食道好酸球増多が存在する際には、自覚症状、プロトンポンプ阻害薬(PPI)への反応性あるいは内視鏡所見などにより鑑別診断がなされる。今回我々は、自覚症状の殆どない...

第112回北海道支部例

進行肝細胞癌に対する病期別Sorafenib療法と肝動注化学療法の治療成績
荘 拓也(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科, 市立稚内病院 内科)
【目的】進行肝細胞癌におけるSorafenibと肝動注化学療法の治療成績を比較し、病期別の有効な治療法について検討した。【方法】2002年10月から2011年10月までに進行肝細胞癌(stage III, IVA,B)に対して、肝動注療法を施行後 Sorafenibの内服が行われなかった93例(H群)とSorafenibが投与された後肝動注療法が施行されなかった83例(S群)を対象とし、両群におけ...

第112回北海道支部例

複雑な門脈大循環シャントを伴った肝硬変症に対し、2年間に異時的なシャント塞栓術を行った一例
大井 雅夫(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科)
今回我々は、複雑な門脈大循環シャントを伴った肝硬変症に対し、2年にわたり異時的にシャント塞栓術を行った一例を経験したので報告する。症例は63歳男性、肝硬変症(HBV陽性)にて当院通院中であったが、高アンモニア血症による繰り返す肝性脳症が出現したため、平成22年11月4日入院となる。門脈3D所見では脾腎シャントの他に後胃静脈を介する複雑なシャントを認めた。そこで、まず血小板上昇と脾静脈左腎静脈大循環...

第112回北海道支部例

検診を契機に診断された健常女性に発症したアメーバ腸炎の一例
矢和田 敦(函館五稜郭病院 消化器内科)
 症例は50代女性。検診の便潜血反応陽性のため平成24年8月当院受診した。平成24年9月大腸内視鏡検査施行。盲腸、上行結腸、横行結腸に地図状不整な潰瘍をみとめた。同部位からの生検にてPAS陽性を示す栄養型アメーバをみとめアメーバ性腸炎と診断した。 診断後生活歴、海外渡航歴など問診したところ、8年前に韓国に旅行歴をみとめた。 メトロニダゾール内服により内視鏡所見の改善をみとめた。 アメーバ性大腸炎は...

第112回北海道支部例

当院における膵癌剖検例の臨床病理学的検討
高木 智史(札幌社会保険総合病院 消化器科)
当院で過去10年間に剖検が施行された浸潤性膵管癌26例について臨床病理学的事項を検討した。男性16例、女性10例、平均年齢は71.07歳 (55-85歳)であった。膵頭部癌10例、体尾部癌16例であり、組織所見では管状腺癌20例、腺扁平上皮癌3例、退形成癌3例であった。手術は4例に行われ(頭部癌2例、体尾部癌2例)、術後の化学療法は3例に行われていた。術後のStageではIII1例、IVa2例、I...

第112回北海道支部例

Collagenous gastritisの一例
小林 寿久(函館五稜郭病院)
 症例は31歳男性.心窩部痛を主訴に近医受診し,慢性胃炎と診断されたが,症状の改善なく当科を紹介され受診した.上部消化管内視鏡検査にて胃体中部から上部の大彎に大小不同の顆粒状隆起性変化を認め,その周囲は軽度褪色調で相対的に陥凹を示していた.NBI併用拡大観察では,顆粒状の隆起部では円形~管状pit構造を認めた.一方,陥凹部はpit構造は不明瞭で口径不同と走行不整の血管を認めた.陥凹部からの生検で粘...

第112回北海道支部例

膀胱壁膿瘍を合併したS状結腸憩室炎の1例
櫻井  環(製鉄記念室蘭病院 消化器内科・血液腫瘍内科)
症例は68歳男性。生来著患なし。2012年3月末より持続する微熱、下腹部鈍痛、便秘を主訴に4月下旬当科初診。腹部造影CTにて広範囲のS状結腸壁肥厚と隣接する膀胱壁の肥厚、膀胱壁内膿瘍を認め入院。下部消化管内視鏡検査ではS状結腸の内腔狭窄を認めるものの、粘膜面に腫瘍性病変や炎症所見はみられなかった。しかし可動性は悪く周囲に強固に癒着していた。膀胱鏡では後壁中心に壁外からの炎症によると考えられる浮腫状...

第112回北海道支部例

当院における大腸癌・肝転移R0切除例に対する術後補助療法の検討
加藤 総介(札幌社会保険総合病院 消化器科)
 Stage IV大腸癌において肝転移は最も頻度の高い転移形式であるが、R0切除が施行できれば予後が延長することが知られている。しかし大腸癌・肝転移R0切除例に対する術後補助療法についてはコンセンサスが得られていない。
 今回我々は2005年以降に当院で同時性もしくは異時性の大腸癌・肝転移に対してR0切除を施行し得た27例の術後補助療法について後方視的に検討した。27例の背景は、男女比=14...

第112回北海道支部例

当科における超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ術の臨床成績
工藤 大樹(北海道大学病院 消化器内科)
【背景】超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ術(EUS-GBD)は症例報告が散見されるのみである.適応や手技・処置具の標準化,安全性の確立はなされておらず,課題は多い.【目的】EUS-GBDの臨床成績を検討し,手技の有効性,安全性を明らかにすること.【対象】2012年1月~12月の間,当科でEUS-GBDを施行した急性胆嚢炎5例6手技.外科的切除適応がないと判断した症例に対して,十分なinformed c...

第112回北海道支部例

Fibrolamellar hepatocellular carcinoma(FLC)の一例
江平 宣起(北見赤十字病院 消化器内科)
Fibrolamellar hepatocellular carcinoma(FLC)は多量の層状細線維を有する特徴的な組織像の肝細胞癌で、全肝細胞癌の1-2%であり若年者に多い。予後が典型的な肝細胞癌に比し良いという特徴も有するが、画像診断上はいくつかの特徴を有するものの限局性結節性過形成などの肝内占拠病変との鑑別も問題となる。
【症例】70代男性
【現病歴】近医にてtransami...

第112回北海道支部例

Clear cell sarcomaに類似した食道粘膜下腫瘍の一例
立花 靖大(旭川厚生病院 消化器科)
症例は50歳代の男性で2011年12月頃から嚥下時のつかえ感を自覚し2012年4月中旬に近医受診され,上部消化管内視鏡検査で食道粘膜下腫瘍を認め5月上旬当科紹介初診となる.上部消化管内視鏡では門歯から32cm~36cmに広がる4cm大の粘膜下腫瘍を認め,EUS(超音波内視鏡)では同部位に境界明瞭な大部分がhigh echo,一部low echoな腫瘍を認めた.CTでは胸部下部食道に4cm大の腫瘍を...

第112回北海道支部例

膵神経内分泌腫瘍(PNET)との鑑別が困難であった十二指腸GISTの一例
下田 瑞恵(遠軽厚生病院 内科)
【症例】50歳代女性【現病歴】von Recklinghausen病(以下vR病)、小腸GIST術後で当科定期通院中であった。平成24年4月にCT検査を施行したところ、膵頭部に径8mmの比較的境界明瞭で、動脈相から後期相まで強い造影効果が持続する腫瘤を認めた。超音波内視鏡検査では、膵頭部に内部エコー均一で後方エコー増強を伴う低エコー腫瘤を認めた。ERPで膵管に異常所見を認めなかった。尚、上部消化管...

第112回北海道支部例

再生検によりHER2過剰発現が判明した進行胃癌の一例
奥田 博介(恵佑会札幌病院 腫瘍内科)
【症例】72歳男性。高血圧・高脂血症にて近医通院中のところ貧血を指摘され前医紹介受診。上部消化管内視鏡検査にて胃体下部前壁小彎から前庭部にかけて全周性の3型腫瘍と幽門狭窄、CTにて多発肝転移を認め、胃癌Stage IVと診断された。前医で施行された生検では中分化型腺癌・HER2陰性と判定されていた。当院での治療を希望され転院、胃空腸バイパス術前の精査として行った上部消化管内視鏡検査の際に再度生検を...

第112回北海道支部例

当院で経験した化学療法後に発症したde novo B型肝炎の検討
山本 義也(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科)
【目的】悪性腫瘍、特に血液疾患において免疫抑制・化学療法施行時のHBV再活性化に伴う重篤な肝機能障害が問題となり、2009年にガイドラインが作成され対策が進められつつあるが、広く浸透しているとまでは言い難い状況である。当院で経験した化学療法後に発症したde novo B型肝炎について検討したので報告する。【方法】平成23年12月までの5年間に当院血液内科で化学療法が導入された悪性リンパ腫248例の...

第112回北海道支部例

当院で経験したCronkhite-Canada症候群の3症例
道上 篤(札幌厚生病院 胃腸科)
Cronkhite-Canada症候群(Cronkhite-Canadasyndrome;CCS)は消化管ポリポーシスに脱毛,皮膚色素沈着,爪甲異常などの外胚葉病変をともなう非遺伝性のまれな疾患である.中高年以降の発症が多く,初発症状の大部分が下痢であり,それと共に外胚葉系異常が顕著になるとされている.今回我々は2006年4月から現在までにおいて当院で経験したCCS症例に対して臨床所見,画像所見,...

第112回北海道支部例

胃腫瘍性疾患におけるSB Knife JrとIT knifeの比較検討~経済効率の検討もふまえて~
藤田  朋紀(小樽掖済会病院 消化器病センター)
【背景・目的】胃腫瘍性疾患に対するESDは現在様々なモダリティが存在している.我々は胃ESDにおいては主としてIT knifeを使用してきた.IT knifeの特性としては迅速な切除が可能である反面,止血処置に止血鉗子を要する症例が多く,経済効率に難点がある.そこで切開・剥離・止血が一本のKnife で可能であるSB Knife Jrに着目してIT knifeとの比較検討を行った.【対象】2011...

第112回北海道支部例

当院におけるPillcam Patency Capsuleの初期使用経験
佐々木 きよたか(北海道消化器科病院)
<はじめに>2012年7月よりGiven imaging社のカプセル内視鏡の適応疾患が、OGIBから全小腸疾患へと拡大された。カプセル内視鏡検査においては、合併症として小腸狭窄による滞留が危惧される。Pillcam Patency Capsuleは30時間以降崩壊するバリウムカプセルにて、SB2+カプセルと同サイズであり、小腸狭窄の疑われる症例に際し、先行して施行し開通性の有無を判定することにより...

第112回北海道支部例