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検索結果は119件です。

内視鏡的に整復しえた胃軸捻転症の1例
橋口 慶一(聖フランシスコ病院 内科, 長崎大学病院 消化器内科)
胃軸捻転症は小児に好発する疾患で成人発症例は比較的まれである。われわれは高齢女性に発症し、内視鏡的整復が可能であった胃軸捻転症を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
症例は70歳の女性。リウマチを指摘されたことがあるも特に通院治療をしていない。2009年7月13日に旅行先で夕食後に心窩部痛・嘔気が出現した。症状軽快せず、近くの救急センターへ搬送された。腹部CTで急性胃拡張と左水腎症を...

第096回九州支部例会

化学療法導入後に癌性リンパ管症を認めた肝内胆管癌の一例
津田 康雄(九州医療センター)
【背景】肝内胆管癌は近年徐々に増加傾向にあるが、癌性リンパ管症の合併の報告は文献検索上非常に少ない。我々は肝内胆管癌に対する化学療法導入後の経過中に癌性リンパ管症を認めた症例を経験したので報告する。
【症例】82歳男性。腹部大動脈瘤手術後の経過観察目的で近医にて心エコー施行中、肝内腫瘍を指摘され当科紹介受診。精査加療目的で入院となった。腹部エコー上肝左葉全体をほぼ占拠する腫瘍を認め、腹部造影...

第096回九州支部例会

Clutch cutterを用いての粘膜切開生検が確定診断及び治療方針決定に有用であった胃GISTの1例
岩尾 梨沙(麻生飯塚病院 消化器内科)
症例は61歳女性。生来健康。平成21年6月に施行した健康診断の上部消化管X線検査にて胃角部前壁に隆起性病変を指摘されたため、当科を受診した。現症や血液生化学検査では特記事項無し。上部消化管内視鏡検査では、胃角部前壁に4cm大の、表面平滑で山田III型様の立ち上がりを有する粘膜下腫瘍様隆起を認めた。表面に凹凸やdelleは認めなかった。EUSでは第4層と連続する低エコーの充実性の腫瘍として描出され、...

第096回九州支部例会

再発難治C型肝炎に対するフェロン前投与の効果
石井 邦英(朝倉医師会病院 消化器内科)
【背景および目的】C型慢性肝炎のインターフェロン(IFN)療法においては、高齢者、進展した例、合併症を有する例では、充分な治療が出来ず、著効率も低いことが示されている。一方、IFN-β(フェロン)前投与が著効率の向上、治療期間の短縮をもたらすことが報告されている。そこで今回私共は、再発難治例を対象にフェロン前投与の効果を検討した。【対象】初回あるいは数回のIFN療法により著効が得られなかったC型肝...

第096回九州支部例会

偽性腸閉塞症に対してメトロニダゾール内服が奏功した全身性強皮症の1例
王寺 裕(公立学校共済組合九州中央病院消化器内科)
全身性強皮症の約50%で腸管運動機能障害による偽性腸閉塞が報告されている。中心静脈栄養や成分栄養、腸管運動調節薬の有効性が報告されているが、再燃を繰り返す症例もある。今回我々はメトロニダゾール内服が偽性腸閉塞に奏功した全身性強皮症の1例を経験したので報告する。症例は65歳男性。虫垂炎で手術の既往がある。40歳時にRaynoud病を指摘され、60歳頃より腹部膨満を自覚していた。63歳時に腹痛と嘔吐が...

第096回九州支部例会

Composix Kugelパッチに癒着して生じたイレウスの1例
自見 政一郎(JR九州病院)
腹壁瘢痕ヘルニアに対して、近年Composix Kugel パッチを使用して修復することが多い。今回、卵巣嚢腫の術後の腹壁瘢痕ヘルニアに対してComposix Kugel パッチを使用したヘルニア修復術術後にイレウスを合併した症例を経験したので報告する。症例は79歳女性。1999年に卵巣嚢腫に対して卵巣切除術を受け、術後に創部がヘルニアを合併し、2007年に腹壁瘢痕ヘルニア修復術を受けた。2009...

第096回九州支部例会

タクロリムスと白血球除去療法併用にて緩解が得られた難治性潰瘍性大腸炎の1症例
松本 章子(行政法人国立病院機構長崎医療センター)
症例】30歳女性。ステロイド依存性潰瘍性大腸炎、左側結腸型、再燃緩解型。罹患歴は約18年。ステロイドによる左大腿骨頭壊死を合併。ステロイド総投与量は20g以上。【現病歴】12歳時に近医小児科で潰瘍性大腸炎 左側結腸型と診断をうける。以後複数回にわたり再燃を繰り返すが、その都度ステロイドにて加療されていた。2010年1月に左大腿骨頭壊死を発症し手術予定となったが、2月中旬より下痢・粘血便を1日5回認...

第096回九州支部例会

急性腎不全を合併し血清HGFの著明な高値を認めた重症A型肝炎の1例
大江 晋司(産業医科大学)
劇症肝炎において急性腎不全を呈することはしばしば認められるが、A型肝炎で稀に急性腎不全を起こすことが知られている。急性腎不全の原因として免疫複合体の関与が強く想定されているがエンドトキシン血症、ウイルスの直接障害、循環障害などの関与も示唆され未だ明らかでない。また肝細胞増殖因子(HGF)は急性肝炎の劇症化予知および劇症肝炎の予後予測に重要な検査で、そのcut off値は1 ng/mL以下とされる。...

第096回九州支部例会

アスピリン起因性と考えられた食道Dieulafoy潰瘍の1例
田口 宏樹(鹿児島県立北薩病院)
症例は77歳男性。陳旧性心筋梗塞のため低用量アスピリン(100mg)を内服中であった。就寝中に吐血したとのことで当院に救急搬送された。緊急内視鏡を施行したところ,腹部食道右側に血餅付着(Forrest ΙΙb)を認めた。これを除去したところ,露出血管を伴うDieulafoy潰瘍を確認,送水刺激にて容易に出血を認めた。クリッピング止血を行い,出血性胃潰瘍に準じた治療にて治癒した。他の内視鏡所見として...

第096回九州支部例会

多発肺転移巣が自然退縮した肝細胞癌の2例
小柳 年正(飯塚病院肝臓内科)
【はじめに】著明な多発肺転移巣が自然退縮した肝細胞癌の2例を報告する。【症例1】65歳男性。大酒家で喫煙家。1992年近医にてC型慢性肝炎と診断されたが放置。1999年10月、近医の腹部超音波検査で多発肝腫瘍を指摘され当科初診。肝S8最大腫瘍径5 cmの他、多発肝細胞癌を認めTACE施行。以後2000年1月、7月、12月、2001年4月にTACE施行。2001年5月、咳嗽、発熱を自覚し、胸部X線撮...

第096回九州支部例会

総胆管結石と鑑別が困難であった乳頭部の早期胆管癌の1例
柴崎 信一(国立病院機構 嬉野医療センター外科)
症例は72歳女性。主訴は右季肋部痛、背部痛。自然軽快を繰り返す、一過性の肝機能障害の精査加療目的で当院紹介となった。入院時血液生化学検査では、ALP 452 IU/L、γGTP 170と上昇を認めるほかは、CEA、CA19-9ともに正常範囲内で異常は見られなかった。腹部CTにて肝内胆管、総胆管は拡張し、下部総胆管内に直径9mm大の病変を認め、MRCPでも総胆管から肝内胆管にかけての胆道の拡張と胆管...

第096回九州支部例会

生検にて悪性リンパ腫との鑑別が困難であった腹部腫瘤の1例
丸山 祐二(福岡和白病院)
症例は81歳女性。胃の不快感のため上部消化管内視鏡検査を施行した所、十二指腸水平部に潰瘍性病変を認めた。生検検査にて、当初はpoorly differentiated adenocarcinomaと診断されたが、画像上は悪性リンパ腫が疑われたため、再検した。再検討した所、悪性リンパ腫と診断された。腹部CTでは膵体部中心に周囲の臓器に浸潤する巨大な腫瘤を形成していた。またFDG PET-CTで十二指...

第096回九州支部例会

巨大結節を肝両葉に伴う進行肝細胞癌に対してNewFP療法を中心とした集学的治療が奏効した一例
池園 友(公立八女総合病院 内科)
【はじめに】従来巨大結節を伴う切除不能肝細胞癌は予後不良とされている。当院ではNew FP療法(NFP)を考案し、巨大結節を有する肝細胞癌に対しても長期生存が期待できることを報告してきた。今回我々は肝両様に巨大結節を認める肝細胞癌に対してNFPを中心とした集学的治療を行うことで良好な経過を得ている症例を経験したので報告する。【症例】67歳男性。高血圧症にて前医通院中に肝酵素の上昇と、腹部エコーで肝...

第096回九州支部例会

胃全摘後Blind loop syndromeの2症例
鶴岡 ななえ(佐賀大学 消化器内科)
【はじめに】Blind loop synd.は様々な原因により、慢性的に腸内容物の異常停滞を生じ、そのために腸内細菌叢の異常が生じることによってもたらされる吸収不良障害等を呈する病態の総称である。今回我々は術後10年以上を経過してから発症し、胃全摘後Blind loop synd.と診断した2症例を経験したので報告する。
【症例1】46歳男性。36歳時に胃癌の診断にて胃全摘術を施行された。1...

第096回九州支部例会

沖縄におけるピロリ菌の遺伝子解析と消化管病変
松成 修(大分大学医学部医学系研究科 環境・予防医学講座)
【目的】Helicobacter pylori (H.pylori)のcagA遺伝子は、毒性の強い East Asian typeと比較的毒性の弱いWestern typeに分類される。日本人におけるcagAのタイピングでは、ほとんどがEast Asian typeである。このため、世界において日本の胃がんの有病率が高いとも示唆されている。日...

第096回九州支部例会

DSM併用アイエーコール動注と放射線療法により著明な縮小を認めた、TACE+RF治療後に縦隔内に再発した混合型肝細胞癌の1例
後藤 良三(親仁会 米の山病院)
【はじめに】治療後に特殊な形で再発した肝細胞癌(以下HCC)の報告を散見するがいずれも治療に難渋し予後不良である。我々はTACE+RFで治療後に縦隔内に転移、再発した混合型HCCに対し抗癌剤動注と放射線療法を併用し著明な効果を認めた症例を経験したので報告する。
【症例】66才、男性、既往歴、家族歴に特記なし。当院外来に2000年よりC型慢性肝炎と糖尿病で通院中であった。2005年6月の検査で...

第096回九州支部例会

胃全摘5年後に多発骨転移再発を来した胃印環細胞癌の一例
江口 仁(佐賀大学医学部附属病院 総合診療部)
【症例】60歳代、男性。【主訴】腰痛、全身倦怠感【現病歴】平成22年3月から腰痛が出現し、近医整形外科での対症療法でも増悪するため同年6月当院へ来院。【既往歴】平成16年10月に胃癌(signet cell with poorly differentiated adenocarcinoma,type3,T2(ss),N2,H0,P0,CYX,M0; StageIIIa)と大腸癌(Well diff...

第096回九州支部例会

ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法中にサルコイドーシスを発症したC型慢性肝炎の1例
千住 猛士(飯塚病院肝臓内科)
 症例は69歳女性。C型慢性肝炎の診断で53歳時にインターフェロン(IFN)治療を受けたが無効であった。2009年1月、WBC 6,520 /μl、Hb 14.6 g/dl、Plt 17.9万/μl、TP 7.9 g/dl、Alb 4.3 g/dl、T-Bil 0.9 mg/dl、AST 70 IU/l、ALT 87 IU/l、γ-GTP 15 IU/l、ALP 252 IU/l、ChE 343 ...

第096回九州支部例会

閉塞性黄疸を発症した肝原発腺扁平上皮癌の一例
坂本 六大(公立八女総合病院 内科)
【はじめに】腺扁平上皮癌は、胃、胆嚢、膵臓などを中心に認められるが、肝原発の腺扁平上皮癌は比較的まれな症例であり、その臨床病理学的特徴も不明な点が多い。今回我々は、閉塞性黄疸をきたした肝原発腺扁平上皮癌に対して、肝動注療法+放射線療法で良好な経過が得られている症例を経験したので報告する。【症例】77才女性。2009年6月腹部CTにて肝S5に20mmの結節と、その末梢側の肝内胆管の拡張が認められた。...

第096回九州支部例会

血管塞栓術にて救命しえた仮性動脈瘤を伴う出血性胃潰瘍の1例
庄司 寛之(五島中央病院内科)
症例は50歳男性。2010年6月26日(第1病日)夕食後に気分不良を自覚。数回吐血後に失神あり、当院搬送。来院時検査にて軽度貧血、BUNの上昇を認め、上部消化管出血が疑われたため、上部消化管内視鏡検査(GIS)および入院を勧められるも拒否、内服処方のみで帰宅した。6月28日(第3病日)GIS目的に当院外来受診。胃体中部小弯に露出血管を伴う深堀れの活動期A1潰瘍を認め、クリッピングにて止血術施行後、...

第096回九州支部例会